https://note.mu/jun21101016/n/na37e1fa2f191

【2018年西日本豪雨】政府の「空白の66時間」を視覚化

 

台風7号が九州に接近した2018年7月3日以降、西日本を中心に記録的な豪雨に見舞われている。全国各地の死者・行方不明者数は100名を越え、避難指示・勧告は北陸から九州の23府県で計863万人に及ぶ。
(7月8日10時時点)

気象庁は7月5日14時に大雨としては異例の緊急会見を東京と大阪で実施し、「72時間や48時間などの降水量の記録を更新する、記録的な大雨になる恐れがある」として早い段階から注意喚起してきた。

一方、政府が非常災害対策本部を設置したのは、この記者会見から実に66時間も経過した7月8日8時であった。

本記事では、この政府の初動対応を視覚化する。具体的には、過去の大規模災害との比較空白の66時間のタイムテーブルを用いる。

災害発生から非常災害対策本部設置に政府が要した時間
(近年の大規模災害との比較)

上のグラフは直近4つの大規模災害について、政府が非常災害対策本部設置に要した時間、死者・行方不明者数をまとめている。人数の多さで単純な比較はできないが、過去3つの災害については災害の規模が大きいほど発生後すぐに災害対策本部が設置されている。
その中で、100名を越える犠牲者を出しながら66時間も要した今回の西日本豪雨はグラフの中でも異様な存在として浮き上がっている。

空白の66時間 タイムテーブル

気象庁が緊急会見を開いてから、政府が非常災害対策本部を設置するまでの66時間に何があったのか。
これを3つの項目ごとに時系列に並べて整理していきたい。

・首相動静
・気象庁
・被害状況

まず、7月5日夜の首相の動きに着目したい。
すでに気象庁が「観測記録を更新するほどの大雨による大規模災害」を注意喚起している中、衆議院宿舎で自民党の宴会に参加
この日の様子は複数の自民党議員がSNS上にアップしている。写真から判断して30名ほどが参加したと見られる。

<西村康稔 内閣官房副長官のTwitter画像>(当日22:02投稿)
✳︎2018/7/8時点で投稿は削除

<片山さつき議員のTwitter画像>(当日22:58投稿)
✳︎2018/7/8 10時時点で投稿は削除されず残っている

西日本では数十年に1度レベルの重大な災害の危機が差し迫り、すでに避難勧告も始まっている中、「和気あいあい」と「気さくな写真を撮り放題」し、「大変な盛り上がり」を見せたことが写真からもよく伺える。

まさに避難勧告が出ている兵庫県選出・西村議員
「まさに自由民主党」というコメントが実に味わい深い。

翌日以降も首相動静からは災害対策に向けた目立った動きはほとんど確認できない。その間、各地で大雨特別警報や避難指示・勧告の範囲が広がり、死者・行方不明者数がどんどん膨れ上がっていった。
結局、気象庁の緊急会見から66時間を経過後、非常災害対策本部が設置された。

最後に、8日午前に首相官邸で開かれた非常災害対策本部 第1回会議での総理の発言を紹介し、本記事を終わりたい。

救命救助、避難は時間との戦い
引き続き全力で救命救助、避難誘導にあたってもらいたい

参考情報

Yahoo天気・災害「記録的大雨被害情報」2018年7月8日7時更新(最終閲覧日:2018年7月8日)
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/emergency/detail/00000006960436.html

平成30年度防災白書 付属資料①(最終閲覧日:2018年7月7日)
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/pdf/H30_fuzokusiryo1.pdf

改定履歴

初版:2018/7/8 1:49公開

第2版:2018/7/8 15:19公開
 ・災害情報を当日10時の情報に更新
 ・空白の66時間のタイムテーブルを追加