数年前のお話です。
私は生徒への指導の際、
「強くなってから試合に出場するのでなく、試合に出場する事で強くなる!」
と伝えていました。
試合に出ることによって、
「どんな練習をしなければいけないのか?」
「どれぐらい練習しなければならないのか?」
が体感できるので、練習に対する意識が代わり、
試合→練習(課題の克服)→試合(課題の検証)→練習(課題の克服)…
となります。
このサイクルを作る事を「試合に出て強くなる」と表現したのです。
しかし、「試合に出て強くなる」という言葉を、一部の保護者さんが額面通り捉え、
親が嫌がる子を充分な練習をさせずに試合出場させる(=試合に出場する事で強くなる)
例が多々ありました。
デビュー戦(初めての試合)は負けようが内容が悪かろうが、どんな形でも良いのです。
まだ何も解らないのですから。
経験する事に意義があります。
しかし、デビュー戦で子供が負けた後、
練習量も増やさず、課題を克服する努力もしないまま、次の試合に出場させる
事例が多々ありました。
これは、
「テスト勉強をさせずにテストを受けさせる(=テストを受ける事で成績が上がる)」
と考えるようなものです。
テスト勉強をせずにテストを受けて成績が良くなれば誰も苦労しません。
筆記テストで例えるといかに、ずれた考えかがわかるでしょうが、空手の試合だと、わかない事があるようです。
子供もはわからなくても仕方ないので、大人が教えてあげないとダメなんですが、大人までわからない場合があります。
例え小さな子であっても、一度試合で負け、練習で課題を克服しないうちから、また試合に出ても、同じ目に合うのは本能で理解できます。
なので親に無理やり試合に出場させられる子達は、試合前になると萎縮し、恐くて泣く子もいました。無理もありません。
個人差もありますが、まともに練習しても尚、試合は恐くて痛いのです。
これは一度でも経験すればわかるでしょう。
なので、子供に試合を強要する親御さんは、一度ご自身が出場して欲しいと思います。
そして試合を経験した上で、
「次は練習をしないで試合に出場して下さい」
と言われたらどうでしょう。
酷過ぎますよね?
大人自身が取り組み方や考え方が甘くて試合で痛い思いをするのは自己責任ですが、子供が親の無知によって痛い思いをするのはかわいそうです。
よって、ロクに練習をさせずに空手の試合に子供を出場させる行為は、私に言わせたら虐待に等しいのです。
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