鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

(2022年5月25日号)

*バイデン訪日の成果は?

 バイデン大統領が韓国、日本を歴訪した目的は当初からIPEF(インド太平洋経済枠組み)の設立にあった。従って歴訪の成否は23日に東京で設立が宣言されたIPEFが成功と言えるかどうかに掛ってくる。

 

 IPEFの眼目は二つ。一つは中国の属国化している東南アジア諸国(アセアン)を米国側に引き寄せる事。もう一つは中国への半導体輸出に規制の枠を掛ける事。つまりIPEFの真の狙いは中国封じ込めなのである。歴訪の評価は、この二つの眼目が達成されたかに掛かる。

 一つ目について言えば、アセアン10か国の内、ミャンマー、ラオス、カンボジアは参加の意向を表明しておらず、米国が当初狙っていたアセアン全体を引き寄せる工作は失敗したと言わざるを得ない。

 

 二つ目の半導体輸出規制について言えば、半導体輸出第2位の韓国を取り込んだものの、第1位の台湾を、中国に気を使って加入させないとの方針では規制は不可能であり、やはり失敗としか言いようがない。

 要するにIPEFは失敗であり、米国は中国封じ込めに失敗した。つまりバイデン歴訪は失敗だったのである。

 

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 軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)

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