カラサワの演劇ブログ

演劇関係の雑記、観劇記録、制作日記、その他訃報等。観劇日記は基本辛口。これは自戒とするためでもあります。
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小堀智仁作・演出『さよなら、片想い』観劇。於エビスSTARバー。

 

司会者「於と、いうか、ここの劇団E☆STARは、ここのバーでの公演のために組まれた劇団らしいです。すでに5回の公演を重ね、この作品で6回目ということで、バーの常連さん、初めて訪れた客、そしてバーテンダー。毎回、ちょっとずつ設定の違いはあるようですが、まあ、シリーズものと言っていいでしょう。今回は、初めてひとりでこの店に来て、かなり酒を過ごしてフラついている女性客、萩原恵理(村田明子演)と、常連の2人組、堀内と山崎のうちのひとり、山崎恭介(鈴木悠一)が計画している彼女へのプロポーズの話を中心に、バーに住み着いて(?)いる“愛の天使”(神上永司)が狂言回しとなって話を進めていっています」

 

演劇ファン「前回『大団円』(このときは劇団虹色くれよん主宰)が、この狭い空間に12人の出演者を登場させるという大一座を組んでバラエティ感満載だったが、今回は半分の6人で回す、こじんまりとした座組だったね。……自分としては個人的にはこちらの方が、一人一人の役者さんたちの演技をじっくり楽しめるので好みだ。キャラクター分けもこれくらいの方がきっちり描けるしね」

 

小道具マニア「前回はカウンターの中にいる“福の神”が狂言回しだったけど、今回は、ほぼ同じ役柄の“愛の天使”という存在がいて、この役をコワモテ的な顔の神上永司が演じているのが面白かった。左耳に、天使らしく羽根型のイヤーカフスをつけているのが、似合っているような、いい感じの違和感があるような……(笑)」

 

おじさまファン「でも、素敵なイヤーカフス。どこで買ったのかしら、と思ったら、なんと手製ですって。おじさまが家でこつこつイヤーカフス作っているところ想像すると萌え。しぐさがひとりだけ大げさなのも可愛かった」

 

演劇プロデューサー「デウス・エクス・マキナ役が“福の神”から“愛の天使”に変わったということは、同じバーを舞台にしているように見えながら、少しづつ設定を変えているということなんだろうな。これはうまいやり方だ。シリーズものというのはおなじみキャラにファンがついて集客などには有利だが、回を重ねるにつれて、前回までの設定による縛りがキツくなっていき、脚本家のストーリィ作りに負担がかかる。いわばパラレルワールド的な作りにすることで、そういった重石から解放される。学ぶべき手だね」

 

役者ファン「ひと目でオタク的キャラクターが印象づけられる鈴木雄一郎、ちょい怖い系の顔立ちを目尻の笑みジワが裏切る神上永司などに比べていちばん“フツー”の顔立ちとキャラクターの鈴木悠一が、途中から話の中心になっていく構成がいいと感じました。そして、天使の魔法によって、今回の主人公の村田明子が死んだ恋人(ただし片想い)と再会する、というストーリィなんですが、全くの別人を演じる鈴木悠一と、目の前にいる別人が恋人である、と疑いながら話しはじめ、次第に恋人と認識していく変化を見せる村田明子はかなり難しい演技を要求されていたと思います。なかなか見事でした」

 

演劇プロデューサー「そうそう、演劇の魅力はストーリィの面白さだけでなく、役者の演技を楽しむ、というところがあるからね。この二つのどちらが欠けてもダメだ。特にこのような、観客と演者の距離が近いところでは、じっくり見せないと。偶然、いちばん近くの席でその芝居が見られた。ラッキーと思ったよ」

 

演劇ファン「バーのマスター役というのは多く、全てを見通している神様みたいな役柄の場合が多いんだけど、太田直人のマスターは、自分も客に惚れたりする、ごくフツーの人間として描かれているのが好感が持てる。それは天使役の神上も同じ。悩んだりとまどったりしないキャラクターはつまらないからね」

 

キャラ好き「近江美香の、金銭にこだわる女子大生役は面白い。もっと強烈なキャラにしてもいいと思うのだけど、ギリギリの可愛らしさの方をとったみたいで、まあそうか、と思う反面、そっちも見たかった気がする」

 

伏線マニア「彼女だけ天使の姿が見える、というのには何かわけがあるのかな。見える者と見えない者の線引きがもっとはっきりしてもよかったと思うんだけど。あと、冒頭で花火大会のことが出てきたでしょう。あれは絶対、ラストに使うと思ったんだけどなあ」

 

常連「このシリーズは、恵比寿の周辺の店のことや、時事ネタをセリフの中に入れ込むんです。花火大会もそれに過ぎません」

 

伏線マニア「いや、だからこそ使って欲しかったな。ストーリィ自体にこういう設定の話はあまり複雑性を与えられないんだから、せめて偶然の伏線みたいなものには凝ってほしかった」

 

心理研究家「そうそう。村田がもういない人への片想いにさよならが出来たのは、彼への言えなかった想いを語ることが出来て思い切ることが可能になった、といういわゆる煙突掃除療法だ。その、吹っ切れた感覚を表すのに、花火というのはもっとも適した比喩だったと思うのだが、惜しかった」

 

オタク「同じ趣味の持ち主として、もっと堀内にはオタばなしをして欲しかった。オタクの彼女はJPEGに限るってのが原則! 3次元の彼女に寝返る奴なんて味方じゃない!」

 

演劇ファン「オタクはこういう芝居じゃなくて2.5次見てればいいじゃん」

 

オタク「言ったな! それはオタク差別だ!」

 

司会者「まあまあ。また騒ぎは困ります」

 

恋愛中の男性「プロポーズのとき、ケーキの中に婚約指輪を仕込んでおく、というのは、店に頼むとやってもらえるんでしょうか」

 

現実主義者「そういうサービスしているところもあるみたいだけど、あれはドラマとかお芝居だから成立することもあって、結果NGだとかえって大後悔するからやめておいた方がいいぜ」

 

飲んべえ「しかし、バーをそのまま舞台にする、というだけで、いろんなドラマがつむげてくる。やはり酒ってのがないと、人間のドラマっていうのは成立しないんだねえ。酒はいいねえ」

 

バー経営者「ちょっと、ここの料金が安すぎるのが気になるんですが、本当にこの値段でやっているのかな? ならすごく良心的ですよ、エビスSTATバー」

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