カラサワの演劇ブログ

演劇関係の雑記、観劇記録、制作日記、その他訃報等。観劇日記は基本辛口。これは自戒とするためでもあります。
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カラサワ@cxp02120


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新井利津子さん出演の舞台『あなたを待ちながら【ハーフビター版】』(パン・プランニング)を築地ブディスト・ホールにて観る。作・演出の是枝正彦氏というのは、かつて『キモサベ社中』をやっていたキモサベポン太氏のことであるとか。

 

 

一流ホテルで彼女と待ち合わせている男・沢口は、これまで全くツイていない男だった。だが、ステーキホリタンでデートした彼女は強運の持ち主。これは自分の運勢を変えるチャンスだ、と思った彼は彼女に結婚を申し込む。もしOKならば、彼女はこのホテルに現れることになっている。だが、どういう巡り合わせか、そのホテルには次々と怪しげな、あるいはおかしな人物たちが……。
 
ステーキホリタンとは懐かしい名前だが、実際にこの舞台、15年前に初演で、しかも話はその時点からさらに20年前の設定。そのせいでもないと思うが、全体的に昭和テイストにあふれた、懐かしい感じがするドタバタコメディだった。今の小劇場コメディがうすた京介風であるとするならば、赤塚不二夫の趣がある。王道だけど、懐かしい。
 
グランドホテル形式で、主人公の運の悪い男の周囲に、さまざまなエピソードを持ったキャラクターたちがぞろぞろと現れる。父の会社の融資先の娘と政略結婚させられるゲイの男、妻の、性格が正反対の双子の姉を妻と間違える愛妻家、あやしげなセールスマン、アフリカの奥地の国からやってきた原住民の女性二人組……。話が広がってどんどん収集がつかなくなっていくシチュエーションがムチャクチャに面白い。年配客も多かった客席は笑いの渦だった。ときどき話にまったく関係なく出てくる川柳の女師匠が、何故かおかしい。 

 

ドタバタな状況が輻輳し、話がこんがらかってくる中で、沢口は不運を引き込む才能をいかんなく発揮し、とうとう殺人まで犯してしまう……。【ハーフビター版】と名付けられているだけあって、ブラックな状況も満載であるが、うーん、これで笑っていいのだろうか? とちょっととまどうシーンもいくつかあるのが正直な感想。

 

最初からブラックジョーク的な話、というワク組があるわけでなく、他愛ないナンセンスコメディとして話が半ば近くまで進んだところに、突如ブラックな状況が展開し始める。ここがこの作品の、評価が分かれるところだと思う。アフリカ原住民を使ったギャグも、彼女たちの扱いも、今の若い作家なら絶対やらないことだろう。 

 

作者の是枝氏がコント出身ということで、笑えるシチュエーションを作ることに関しては達者だが、コメディは笑わせるだけのコントと違い、笑いを通して「テーマ」を描くことが重要になってくる。自分が時間に遅れたことで主人公を罪に陥れることになってしまった彼女の思いなどに、やや説得性(観客であるこちらから言えば納得性)が乏しいような気がした。 

 

新井りっちゃんは目の覚めるような振袖姿がキュートで、着物を着たまま走り回るのは大変だと思ったが、『ぴかれすく』の彼女を知っていると、もう少し暴れてくれてもよかったかな、と思ったことであります。

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