コウノドリの子宮頸がんワクチンと検診の話が話題になっていたので、

早速今週のモーニングを読んでみました。

 

(追記) ネットにも、内容紹介したものがありました

 http://onimanga.blog.fc2.com/blog-entry-1105.html

 http://premiumcool.net/kounodori140-7447

 

 

結論から言うと、間違った数字、誤解を招く表現で非常に残念な内容でした。

 

 

(1)子宮頸がんの検診受診率を誰も把握していない!

 

欧米は、80%なのに、日本は40%との記載がありますが、

実は、不正確な表現なのです。

 

日本は、受診率を向上させよう! と目標を立ているのに、

正確な受診率は誰も知りません(笑)

 

①自治体検診、②職場健診、③個人での検診、④病院の診察 ⑤妊婦健診

とバラバラに受けているので、正しい数字を未だに把握できていないのです。

 

まずは、受診率を正しく把握しないと意味がないという意見もあったのですがこれまで黙殺されてきました。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0301-4c_0001.pdf

 

2008年にその問題を報告書で記載されているのに、がんワールドは、正確な数字が出ないように、いかに受診率を低く見せるかに腐心しています。

 

現在、唯一頼りになるのが、3年に1度の国民生活基礎調査の自己申告アンケートです。

 

前回は、2013年に行われたのですが、2014、2015年の受診率は不明なままです!

 

なお、2013年の過去2年受診率 20代:26.0%、30代:49.7%、40代:51.7%、50代:46.0%

 

 「がん対策基本法で、がん検診の受診率向上をうたっているのに、その基礎データを計測する手法そのものが科学的ではないのは問題。」 

 

と東北大の久道氏も指摘しています。

 

 

(2)欧米の受診率と単純比較はできない

 

欧米は、30代からの検診であったり、検診間隔が3-5年であったりと、

対象年齢や検診間隔が違うので、

2年に一度の推奨をしている日本と単純に比較できません。

 

例えば、5年間隔の70%受診率と、2年間隔の40%を受診率を比較すると、

実際の受診人数は、100人の集団1年あたりで計算すると、

14人 対 20人 となり、2年間隔40%の方が多くなります。

これも数字のトリックです。

 

しかも80%と非常に高い受診率のアメリカは、

子宮摘出した人まで金儲けのため検診させていたようです。

 

検診対象外である、処女、子宮摘出者を除いた上で、

通院、妊婦、更年期等、病院受診で検診以外で対応している人なども含め、

実際の受診者を基にした数字は見当たりません。

(もしデータがあればお知らせください)

 

 

(3)子宮頸がんの年間死亡数3000人のうち2000人を防ぐという科学的根拠はない!

 

以前、産科婦人科学会理事長の小西氏のスライドにて、非科学的な論法にて同様の計算が示されています。この数字は以下のありえない仮定に基づいています

 

① HPVワクチンの対象となる種類が7割近いとの一つの論文を鵜呑みにし、対象ウイルスに対し、100%の感染とがん予防ができるとの仮定

② ワクチンの効果が、100年間 死ぬまで100%の効果を発揮する

 

なお、ワクチンは、数年間の異形成を予防することが示されているにすぎず、

10年以上の効果や、「がん」を防ぎ、さらにがん死を防ぐ効果は確認されていません。

 

詳しくは、以前の記事にて解説しています。

 

◆ 科学的根拠はあるのか?~「HPVワクチンで年間死亡数2000人減の不可解な言説」

 

 

(4)ワクチン接種で利益と不利益を具体的な数字で示さず、

あたかも難しい決断であるかのような演出

 

仮にワクチンが20年程度効果を発揮したとして、

10,000人に1人程度のがん死亡を防ぐのが精いっぱいです。

 

一方、重篤な副反応に苦しむのも10,000人に1人程度。

 

さらに、ワクチンによる不妊(流産)で失われる命は、

その100倍の10,000人に100人程度の可能性。

 

◆ それでもHPVワクチン受けますか? 不妊(流産)リスクの増加 (詳しくはこちら)

 

そして、副反応の情報がこれだけ世界中に広まった今、

迷う決断ではないように思えます。

 

フランスのワクチン接種率も激減しています。

2014年に接種対象になった11歳の接種率は、1.8%という数字があります。  

 

◆ フランスのHPVワクチン接種率はさらに激減~要約やツイッターに騙されないで!

 

 

(5)検診を受けても防ぐことのできない癌は少なくない

 

検診の有効性(死亡率低下)は、ランダム化比較試験もなく、

確立されているとは言い難いのですが、

過去の観察研究のデータを見ても、3-5割は防げません。

 

日本の疫学統計データからは、検診で死亡を防げないのではと思えるほどです。

 

検診未受診について、過度に罪悪感をあおるのはどうかと思います。

 

 

(6)副反応を親心の思い込みと連想させるかのような記述

 

これはひどすぎます。

 

直接の被害者に対する内容ではないのですが、

何か調子が悪くなったら、ワクチンのせいと思うだろうとの

遠回しのニュアンスはいただけません。

 

抗議が来てもおかしくない記載でしょう。

 

 

漫画に正確な表現を求めることは難しいですが、

不正確な数字を垂れ流し、心に訴えかけるストーリーで不安と罪悪感を植え付け、

検診とワクチンの利益を過大に期待させる内容は非常に残念でした。

 

 

<追記1>

私が記事をアップした直後に

膨大な数のコウノドリに関するゴミツイートが流れビックリしました。

関係者が見ているんですね。

 

◆ 多数決で判断してはいけない。残念な医療情報工作員と外国人アルバイト

 

<追記2>

村中氏が嘘を拡散し、さらに宋美玄氏やいつものメンバーがリツイートしてました。

 

 

<関連記事>

 

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