前回


…のあらすじ

義父が88歳で亡くなりました。

今回から葬儀編として新タイトルです。


*   *   *


2024年1月17日水曜日午後3時42分。

しい病院にて義父の死亡確認に立ち会った私・夫・娘。


この後は義父の体を整えて、葬儀社を呼んで病院を出ることになる。

看護師から、葬儀社をどこにするかという話になった。


困ったことに情報がない。

最近まで加入していた組織があったのだが、解散してしまった。

この1年郵便を預かっているが、新たに入ったならそれに関するものもあったはずだろうに、何も無い。


唯一わかっているのは、

義母はある葬儀社の会員であり、それが同居家族でも使えるということ。

ただ義母本人の意思を確認せず使うのはどうか、ということになり、

それは使わずにしい病院と提携している葬儀社を呼んでもらうことになった。


看護師に

「もう少しここにおられますか」

と聞かれたのは、別れを惜しむ時間を作ってくれたんだろうが、

人の死に初めて立ち会う娘を心配して断った。


心臓が止まっても聴覚は残っている、なんてよく言うけど、

死亡確認したのがあの時間であって、実際に息を引き取ったのは電話を受けた14時半頃。

そもそもこの話の信憑性も疑わしいことなので、残ってもあまり意味が無い。


病棟そばのラウンジに居着く。

まず各所に連絡をしなければならない。

夫は義妹と職場、私は親とゆうホーム。


真っ先に、こちらに向かっている最中の親に電話。

父が運転中なので母にかける。

危篤の報せを受けて電話した時に「覚悟しておいて」と伝えたのが効いたのか、

「ああやっぱり…」というような反応だった。


親が心配なのはやはり娘のこと。

この後葬儀社が来るが、いつになるか・どのくらい時間がかかるかわからない。

そこで一旦しい病院に向かってもらい、娘を連れ帰ってもらうことにした。

来る途中で弁当とパンをわんさか買ってきたというので、夕飯の心配もない。


続いて義父が入居していたゆうホームへ。

結核の結果が出たら知らせて、と言って知らせずじまいだったから、

そのつもりでいたであろうケアマネにしたら驚きでしかない。

義母の入居契約も、4日後の21日にしていたが延期してもらうことにした。


弔電を贈るので葬儀の日程が決まったら知らせてほしいと言われた。

弔電はともかく、入居の順番待ちがあるという今、

日程を伝えておけば義母用に用意した部屋を他に入居したい人に回せるはず。

いっそ義父のいた部屋に義母入れらんないかな


夫はまず職場へ連絡。

この日は途中で抜けてきている。

忌引は7日、飛び飛びで取れるという。

ただ葬儀の日程によっては節約のために1度は出勤せねばならないかもしれない。

義妹にも連絡したが出なかった。


先程の看護師が来て、レンタルの終了手続きをしてほしいと頼まれる。

これの契約者は私なので、私が行かねばならない。

院内コンビニへ行き手続きを済ませる。

支払いは後日郵送で、と以前と同じ説明を受ける。


ラウンジに戻って自販機で水を買う。

娘も何か飲みたいというのでジュースを買う。

このラウンジ、やたら眺めが良く、

快晴ということもあって遠くの山まで見えた。


そのうちに今度は別の看護師が来た。

見覚えがあるなぁと思ったら、

前回退院する時にエレベーターで

「義父さん元気でね!」

と声をかけてくれた、あの男性看護師だった。

詳しくは↓


元気でねどころか、

出戻った上に死んでしまった。


この看護師からの用件は複数あった。

①葬儀社は18時に来る(※この時点で16時20分くらい)

②支払いが確定していないので、窓口に行って後日支払うとサインをしてきてほしい

③病院を出る時に遺体と死亡診断書を必ず一緒にしてほしい、じゃないと検問があった時に「ドユコト(・ω・)?」てなるから

ほんとに「ドユコト(・ω・)?」って言った


まず①。

時間かかるなーもあるけど、その葬儀社は義母が会員をやっているところだった。

どのみちここだったのね…


②は、支払いの連帯保証人である夫が出向く。

今後お知らせが届くので、窓口か振込になるという。


それからしばらくして、母からしい病院に到着したとLINE。

宿題があるというのでランドセルを持って帰ることになり、1度車へ行かねばならない。


ロビーで両親と合流。

母は娘を抱き締めたが、そろそろそれも恥ずかしいお年頃である。

一緒に車へ向かい、娘のランドセルを父に預ける。

父は娘を連れてさっさと行ってしまった。


母は夫と話がしたかったようだが、

病院に入れるのは限られているので断った。

帰ってから話をしてもらうことにした。


母と別れてまたラウンジに戻る。

ここから葬儀社が来るまで1時間以上待つのみである。

外はだんだん暗くなり、ラウンジにいた人も帰っていく。

ついには私たち夫婦だけになってしまった。

あまりに急だったため暇つぶしになるものも持って来ていない。


とはいえ今後どうするか話をする余裕はあった。

葬儀が決まったら連絡する相手のこと、

可能なら入院中の義母を告別式だけでも参列させたいこと、

相続どうしよう、義実家どうしようなど…


「お義父さんの89年の人生の中で、最期に会った親族が私になっちゃった」

と気付いた。

会ったといっても救急搬送され、苦しそうに声を出していたところを私が見ただけで、

義父は私に気付いていない。

「まぁそれは仕方ないよ」と夫。


気付いたら18時を過ぎていた。

しばらくして、黒服に白衣を着た男性が入ってくる。

葬儀社の社員だった。


次回、打ち合わせスタート。『義父との別れ②』前回『義父との別れ①』前回『介護の終わり⑨』前回『介護の終わり⑧』前回『介護の終わり⑦』前回『介護の終わり⑥』前回『介護の終わり⑤』前回『介護の終わり④』前回…リンクameblo.jp



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◎病院の自販機は安かった


◎今シリーズのサムネのテーマは「旅立ち」。でもこれあんまり旅立ちっぽくないし画面酔いして全然進んでない…