挿話(傷を負う) | 演劇人生

演劇人生

今日を生きる!

今日から劇団の本格的な稽古が始まる。

考えてみれば、

うちの劇団員は怪我に弱いのではないかと思う。

 

旗揚げ公演の芥川龍之介作「雛(ひな)」においても、

2回目の三浦綾子作「母」でも、

「新しき鍵」「にんじん」「最後のひと葉」「壁」等々・・・

劇団生活
どの作品でも好評の感想文をもらい、

会う人からも「素晴らしい舞台だった」

「アドックならではの作品」などと、

「面白くなかった」「つまらなかった」と言われる作品は

一つもない。(自己満足ではないと思っている)

 

自分がチケットを一枚も売らなくても、

赤字も埋められている。

初演でつくった380万円を越える赤字も、

2回目の「母」での180万の赤字も

何となく埋められた。

このところの赤字は少ないが、

「壁」や「劇団祭り」も赤字だった。

劇団生活

が、それにつまずいて怪我をした劇団員はいない。

 

ほんとうは怪我をしてもいいのではないか。

そろりそろりと恐々歩いて怪我をしてもたいしたことはない。

一心不乱に全力疾走して転んでする怪我の傷は大きい。

大きな怪我ほど一生懸命、全力を尽くした証拠だと

言えなくもない。

人生も同じだろうと思う。

 

また一つ・・・

怪我を怪我だとも思わず、

「何とかなる」と、後先考えず突っ走り、

気づいた時は身動きならぬ満身創痍、

複雑骨折という再起不能状態でも困るのだが・・・

 

今のわが身はこれに近いのかもしれない。


あるいは、それぞれ大怪我をしているのに

ぼくが気づいていない・・・とすれば大きな問題なのだが。