前回からの続きです。


医師による死亡診断後、Uの身体についていた全ての管が外された。
人工呼吸器、喉のカニューレ、尿道カテーテル、腕の点滴、胃管チューブ。
心電図やサチュレーションモニターのセンサーもなんにもなし。
生まれてから一番、身軽になったね、よかったね、とみんなで話しかけた。

ここで念願の、初めての縦抱きをすることができた。
これまで呼吸器があるから横にしか抱けなかったけど、初めて、身体と身体を密着させて、ぎゅーっとUを抱きしめることができた。


10時ごろ、葬儀屋さんに電話をした。
寝台車のお迎えは13時半にしてもらった。
バタバタしたくなかったので、時間はかなり余裕をもって、遅めにしてもらった。


10時半、看護師さんと一緒に、Uをお風呂に入れた。
なにも管がついてなくてめちゃくちゃ洗いやすい。
看護師さんが、湯船に柚子の香りのバブを入れてくれて、優雅な入浴タイムだった。

お風呂から上がると、Uの全身に専用の保湿剤をしっかり塗った。
遺体は乾燥しやすいらしい。

服は、予めこの日のために用意してあったものを着せた。
前開きじゃない、ごく普通のTシャツと半ズボン。
前開きじゃない服を着るのも初めて。憧れだった。
Tシャツを頭からかぶせると、サイズがちょっと小さくて、なかなか頭が通らなくて焦ったが、なんとか入ってホッとした。
上下分かれている服を着ているUは、すごくお兄ちゃんに見えた。

それから、看護師さんが簡単にお化粧を施してくれた。
肌の色は白いけど、ツヤがあって綺麗な肌だったので、ファンデーションはなるべく薄く塗ってもらった。
唇の色は青ざめていてので、赤い紅をちょこっと足した。


日曜日だったが、偶然にもGCUのときの担当だった看護師さんが勤務日で、GCUから駆けつけてくれた。
他にもこれまでにお世話になった看護師さんが、仕事の合間に会いにきてくれたり、
いつも気にかけてくれていた心理士さんはお休みのところ自宅から駆けつけてくれたりして、
Uはたくさんの人に愛されていたんだなぁと嬉しかった。

霊安室には行かず、葬儀屋さんのお迎えが来るまで、病室内で過ごした。
縦抱っこをしていると、Uの足先が青くなっていく。
血液循環が止まっているので、重力で下の方に血が溜まってしまうらしい。
縦抱っこはほどほどにして、ベッドの上でなるべく身体を平らにしておいた。


12時ごろ、主治医の先生が駆けつけてくれた。
しかも学会に行っていたのに、午前の自身の発表を終えて、駆けつけてくれたらしく、本当に感謝しかない。


13時半、葬儀屋さんお迎え。
寝台車が停まる所まで、Uを抱っこして病棟を出る。体重11kg。頭を支えながらの縦抱きはすごく重くて、途中パパと交代しながら向かった。
寝台車にはパパと私も一緒に乗れて、入院中の大量の荷物も乗せてもらえて助かった。
私はUを抱っこした状態で座席に座った。
車が出るまで、先生や看護師さんたちが手を振ってお見送りをしてくれた。


家についてからは、いつも使っていたUのお布団を出して、Uを寝かせた。
家にUがいるのが久しぶりすぎて、嬉しかった。
嬉しくてちょっとテンションが上がってた。
家で見るUがかわいくて、見るたびにキュンキュンした。


葬儀屋さんがUの周りにドライアイスをおいたり、お線香たく台(仮祭壇?)を用意してくれたりして、
そのあとは葬儀の打ち合わせに入った。

葬儀は決めることが多く、打ち合わせは17時半までかかった。

お昼を食いっぱぐれていたので、夕飯はしっかり食べた。
もうくたくただったので早く寝てしまいたかったけど、
仮祭壇にお供えするものが揃ってなかったので買い出しが必要だった。

パパは、お茶碗とお箸と一輪挿しに挿す菊の花を買いに行き(お茶碗とお箸は家にあるものでも良いと言われたが、どうせならU専用のかわいいものを用意したかった)
その間に私はお供えのお団子をつくることにした(葬儀屋さんからお団子の粉を渡されていた)。

それらを揃え終えて、ようやくこの日は終わった。