子ども達が春休みに入りましたので、
少し実家に帰省してまいりました。
その時長野電鉄屋代線と言うローカル線が
今年度いっぱいで廃線になることを知りました。
若かりし頃、よく使っていた電車です。
屋代線は須坂~屋代間24.4キロの単線で、
朝と夕方の通勤時間帯意外は、
1時間~1時間半に1本程度しか来ません。
単線で、すれ違える駅も数箇所しかないので、
それが限度なのだと聞いたことがあります。
私が乗っていたころには、床がボロボロの木の板で張られた
1両の電車が来ることもありました。
現在は以前の東横線の車両のような
シルバーに赤ラインの2両編成が普通のようです。
この電車は、構造上2両ないと走れないんだそうです。
廃線にならないよう関係者も努力されたようなのですが、
学生も減り、車通勤が普通のこの辺りでは
利用者がピーク時の1/4以下に減ってしまい、
運営が困難となってしまったようです。
しかし廃線が決まってからは、連日多くの人が押しかけて
電車も満員状態のようです。
かく言う私も乗車こそしませんでしたが、
この目に焼き付けておこうと出かけてきました。
屋代線はほとんど無人駅で、プレハブのような簡易駅舎なのですが、
中にはこのような大正の開業時から変わらない駅舎を
そのまま利用している所もあります。
木造白壁の駅舎。
↑ここは松代駅と言う駅ですが
数少ない有人駅です。
券売機等は当然無く、窓口で切符を購入
はさみでパンチを入れる昔ながらの方式は
マニアの心をつかんで離さないようです。
券売機すらカードのチャージくらいでしか使わなくなってきて、
改札も自動改札が普通になり、
エスカレーターやエレベーターが常設されているのが
普通になってきた昨今
ホームにジュースの自動販売機すら置いていない
古き良き昭和がそのまま残っていました。
この写真はちょっとお借りしてきた物ですが、
屋代線は山間や田園、
何処まで行ってものどかな風景の中を走る味のある電車でした。
なくなると聞けば、実に寂しい…。
また一つ、美しい風景が消えていくのだと思うと
たまらない気持ちになります。
ありがとう屋代線。