これは清元「娘白鷺」を踊ったときの写真。長唄の「鷺娘」という演目のエッセンスを抽出したような内容の踊りで、白鷺に化身した娘が恋しい人を思うあまり、かなわぬ恋に思い苦しみ最後には命を失ってしまうというストーリーのよく似たものです。この“イナバウアー”??のようなポーズは、踊りの中に正式に有る「えび反り」という手法で、この演目の中では最後の死に逝くシーンをより悲しく美しく表現する為に使いました。舞台の本番の前日に行われた舞台稽古のとき、本番と同じ様に衣裳を着け、鬘を被ってこの「えび反り」をしたところ、鬘屋さんが飛んできた。「えび反りするならするっ言ってよ。あ~、びっくりしたぁ。」まさかこんなに反るとは思っていなったらしく、鬘が落っこちるんじゃないかと、心配したらしい。本番に鬘の紐をし~っかり締められた事は言うまでもありません。この時、思い切って挑戦してみましたが、イメージ的には玉三郎さんの「えび反り」が頭に有りました。もちろん足元にも寄れません。でも玉三郎さんの「えび反り」は天下一品。本当にたおやかで美しいです。