サントリー美術館に行ってきました。和をテーマにした美術館ということで、以前から興味があったのです。建物自体も日本の伝統と現代を融合させた「和のモダン」が基調になっていて、外観は白磁の縦格子に覆われています。館内は木と和紙を意匠に用いていて、和の素材ならではの自然のぬくもりと、柔らかい光で包まれていました。また館内の随所で床材にウイスキーの樽材を再生利用しているそうです。さすがサントリーですね。
今回は水をテーマにした展示でした。絵や衣装や陶器、屏風、塗り物などに、雨、海、川等、水と共に生きてきた昔の日本人の姿がくっきりと浮き彫りにされ、とても興味深く感銘しました。特に日本の色は素晴らしいと今更ながらに感動。今回は水がテーマでしたので、様々な青に分類される色を様々な素材に染めて展示してあるコーナーがあったのですが、青と一口に言っても、こんなに沢山の青が有ることに今更のように驚かされ、色の数が多ければ多いほど、日本人が本来持っていたであろう細やかな感性が感じられました。いまとなっては「分類」という無粋な方法でしか説明出来ない、色の名前とその色を見比べていると、「浅葱(あさぎ)」「瓶覗(かめのぞき)」「はなだ」「藍」「水色」「空色」など、その色を見た時に、その色を見事にイメージさせる色の名前が素直に感性のままに、口を突いて出た瞬間のひと時が、時を越えてほんの一瞬共有できたような気がして、感動の余り暫く鳥肌が収まりませんでした。(色名の由来)
まだ並べて展示してあるから僅かな色の違いが判るものの、これが一色一色見せられたときに、果たして正確に名前が言えるだろうかと思ったら本当に愕然としました。色に限らず、日本古来の伝統が日常から1つずつ消え去る度に、日本人の本来持っている素晴らしい感性が少しづつ滅びていくのだと思いました。周りを見ると若い人たちの姿も見えたので、こういう人たちにもっと頻繁に目に触れる機会を作れると良いのにと思いました。歴史の中に覆い隠され埋没してしまわない様、もっとどんどん良い催しを、発信をして欲しいと思います。