

【歌詞】
高砂や 木の下蔭の尉(じょう)と姥(うば) 松諸共に我見ても 久しくなりぬ住吉の 此の浦船に打ち乗りて 月諸共に出で潮や 是は目出度き世のためし
老木の姿引きかえて 妹背わりなき女夫松 葉色は同じ深緑 見れども思いの尽きせぬは 真なりけり恋衣 実に恋は曲者

たとえ万里は隔つとも 慕う心はそりゃ云わんすな 朝な夕なに空吹く風も 落葉衣の袖引きまとう 思う殿御はつれなの身にし 塒(ねぐら)に残る仇あだ枕

扨(さて)も見事になぁ 振って振り込む花槍は 雪かあらぬか ちらちらちらと白鳥毛 振れさ ふれさ 袖はひらひら 台傘立傘 恋風に靡かんせ ずんと伸ばして しゃんと受けたる柳腰 しなやりふりやり流し目は 可愛らしさの色の宿入り
松の名所は様々に あれ三保の松羽衣の 松にかけたる尾上の鐘よ 逢いに相生夫婦松 中に緑の愛しらしさの姫小松 二かい三蓋 五葉の松 幾代重ねん千代見草 しおらしや
西の海 青木が原の波間より 現れ出でし神松に 降り積む雪の朝かんがた 玉藻刈るなる岸蔭の 松根に倚って腰を摩れば 千年の緑手に満てり 指す腕には悪魔を払い おさむる手には寿福を抱き 入り来る 入り来る 花の顔見せ貴賎の袂 袖を連ねてさつさつの 声ぞ楽しむいさぎよや