京都「庵」での日本文化研修の際、NPO法人「紫薫子の会」から、もう1名、藤間琇瀧氏(ふじましゅうりゅう)が長唄「島の千歳」を、紋付、袴の素踊りで披露しました。水の恵みを讃え、水の様々な形態を唄ったこの演目は、本衣装の場合、白拍子(平安時代、女が長袴を着け太刀を挿した男の姿をして踊る)姿で踊られる事が多く、その理由として、この「島の千歳」という題名が元祖白拍子の名前だと言われている所に有ります。今回のような立役(男)の場合、「式三番叟」に登場する、翁・千歳・三番叟の中の「千歳」の姿で踊られますが、男性の素踊りの迫力と清涼感は、本衣装を着けたときとは又違った魅力が有り、本衣装に勝ると劣ぬ良い物です。後半のテンポの速い、細かい動きを正確に踊るのは、なかなか大変では有りますが、踊りがゆったりした、退屈なものだと思っている人たちは、とても驚いた様でした。

 以前、藤間流と花柳流の全く違う振りをこの曲で同時に踊るという、ちょっとした実験のようなことをした事が有りましたが、全く違う振りなのに、ポーズの所やふとした動きに面白いコンビネーションが偶然出来たりして、振りの成り立ちの面白さを体験した事を思い出しました。