スポーツを志す、とある女子中学生の卒業作文より | 続・NYスポーツビジネス留学挑戦記録 -No Pain, No Gain-

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フルブライト奨学生としてNew York Universityに留学したアラサー女のその後

『スポーツとは』


「日常の仕事を離れて楽しむ、諸種の運動・球技や登山など」
 スポーツというものの解説はたったこれだけでできてしまう。何ともあっけなく、何とも奥が深い。言葉にしてしまえばこれっぽっちもおもしろみがないのに、人間はこの「スポーツ」というものの魅力にとりつかれた。

 「スポーツ」といえば限りなくたくさんのものを連想できる。その中でもほとんどの人がまっさきに思いつくのはやはりこれだろう。「オリンピック」四年に一度のスポーツの祭典、世界中が注目する一大行事だ。スポーツをする人ならば誰しもが憧れる夢の舞台とまで言われるこの「オリンピック」だが、ふたを開ければいたって単純。開催国の各地域で数々のスポーツを行うだけだ。ただそれだけのために、世界中の国々が信じ難い程の盛り上がりを見せる。例えば一九九八年の冬季オリンピック、開催国は日本だった。日本はその年のオリンピックに向けて、道路をつくり、競技場をつくり、また、マスコット人形などのオリンピック関連の商品やテレビも爆発的に売れたという。人々は何故そこまでしてこの「オリンピック」に夢中になってしまうのだろうか。

 私自身、スポーツが大好きで、オリンピックに夢中になってしまう人のうちの一人だ。オリンピック期間中は毎日帰りが早くなり、家に帰ってからはテレビの前で動かなくなる。私にとってオリンピックとは、良い刺激を与えてくれるとっておきの薬だ。記憶に新しいシドニーオリンピックでもたくさんの刺激を受けた。開会式では、開催地オーストラリアの原住民が平和を投げかけた。その後の入場行進では韓国と北朝鮮が一つの旗の下で入場し、独立運動をしている東ティモールの代表選手は国旗のかわりにオリンピックの五つの輪の旗を掲げて入場した。その姿に心うたれたのは決して私だけではない。競技においても数多くの感動が待っていた。選手とともに喜び、時には悔しい思いもした。国境をこえて友情を深めている選手達を見て、何だかとても嬉しくなった。スポーツというものを通じて、本当に色々なことを学べた。オリンピックの魅力とはそこにあると私は思う。

 スポーツを通じて学ぶものとは、勝つことの喜び、それを味わうために努力すること。勝つこと以上に大切なのはスポーツマンシップを持つこと。フェアプレーをし、勝負にこだわらない、明るい健康な態度・精神をモットーとすること――。

 数えてみたらきりがなくなるだろう。スポーツの好き、嫌いは人それぞれだ。それでも、ここまで人々を魅了させるには理由がある。

 最近ではスポーツ以外のニュースというと気がめいる程、暗い報道ばかりだ。少年の犯罪や紛争、銃乱射事件など、世界中で日々悲しい事件が起こっている。そんな中、スポーツ関連の報道は残された一つの希望だ。この世からスポーツマンシップが消えてしまったら、世界中が狂ってしまうだろう。だから私はスポーツの色々な面での素晴らしさを訴え続けたい。また、これからも、スポーツを通じて数々のことを学び続けたいと思う。そして一人でも多くの人がスポーツとふれあって何よりその「楽しさ」を感じてほしいと強く願っている。

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これが、スポーツビジネスを学びにNYへ旅立つ私の原点。

中学の卒業文集に載せた作文を、一言一句、改行も完全にそのままコピーしてみました。
今振り返ると恥ずかしい点は多々あれど、15歳の自分なりに、精一杯書いたんだろうな。

でもあの頃の自分が一生懸命色んなことを感じていたのが今に繋がっているんだなと思うと、
13年経ってみて、とても感慨深いものです。

だって、中学からってことは、人生の半分は同じ志を追い続けてるってことであって、
好き!とか楽しい!っていう「想い」が持つ底なしの力って本当にスゴイ。

久しぶりに卒業文集をパラパラ見ていたら、当時学年主任の先生が
今の私に向けたかのような「生きることを励ます言葉」というタイトルで寄稿されていて、

”才能が熱意に代わる前に熱意は才能に変わる”という言葉を書かれていました。
”熱意さえあれば努力もできるし、努力できれば、力も才能も開発される”とのこと。

昨日フルブライト総会のゲストスピーカーでご登壇された、
日本人で初めて国連に入られた明石康さんも同じようなことを仰っていました。
留学先で何が大事って、言語なんかは二の次で「やる気」があれば何でもできる、と。

実際総会でお会いしたフルブライトの先輩方は明石さんはじめ皆さんとてもハートフルで、
これから渡米する私にたくさん勇気とパワーをくださりました。


願い続ければ夢は叶う、なんてことは言えません。頑張っても報われないことの方が多い。
でも、少なくとも願い続けなければ絶対に叶うことはない、というのは事実です。
志を追い続けて行動を起こし続けている限りは、可能性はゼロにはならないんじゃないでしょうか。


15歳の自分よ、ありがとう。バトンは受け取った。
ここからはほぼ倍の年齢になった私が頑張るから、見とけよ。