先日、あるクライエントさんがカウンセリングを終了された。

 

その方には、人との関係が近づくと距離を取りたくなるパターンがあり、私はそのことを

 

早い段階から感じていた。

 

だから慎重に関わっていた。

 

「もし私が何か違和感のあることを言ったら、その場で教えてくださいね」

 

とも伝えていた。

 

そして案の定、その方は静かにカウンセリングを終えられた。

 

不満をぶつけるわけでもなく、怒るわけでもなく。

 

とても丁寧なメールだった。

 

私はそのメールを読んだ時、思いのほかショックを受けた。

 

それ以上に驚いたのは、

 

「ショックを受けている自分にショックを受けた」

 

ことだった。

 

私は長年、自分の中にある「自分責め」のパターンを理解してきた。

 

母から繰り返し

 

「お前が悪い」

 

と言われ続けて育った。

 

だから、何か問題が起きると反射的に

 

「私が悪かったのかもしれない」

 

と考えてしまう。

 

そんなことは、もう何十年も前から知っていた。

 

理解していた。

 

分析もできる。

 

説明もできる。

 

ところが今回、改めて気づいた。

 

理解していることと、神経系が変わっていることは別なのだ。

 

私はずっと、

 

「また自分責めの癖が出た」

 

と思っていた。

 

しかしよく観察すると違った。

 

先に起きていたのは、自責ではなかった。

 

フリーズ反応だった。

 

脳幹がジーンとしびれ、神経系が固まり、動きを失っていた。

 

その後に、

 

「私が悪かったのかもしれない」

 

という考えが乗ってきていただけだった。

 

つまり問題は、認知レベルではなかった。

 

神経系だった。

 

私は母との関係も、自責のパターンも、十分理解していた。

 

けれど神経系には、まだその反応が残っていたのだ。

 

今回、そのフリーズを自分で神経系から解除した。

 

しかも、ものの10分ほどで。

 

( 解除された感覚は、できごとを思い出しても

 

反応が起こらなくなるから誰でもわかる。)

 

初めて腑に落ちた。

 

「私は原因を知らなかったわけではない。」

 

「神経系がまだ終わっていなかったのだ。」と。

 

言葉による心理療法のカウンセリングだと、

 

つい理解することをゴールにしてしまうかもしれない。

 

心理職は、なるべく自分の問題は終わらせておく必要があるので、

 

自分も以前、高名な先生にカウンセリングを受けた。

 

しかし言葉は、実はトラウマの傷つきにはなかなか届かないので

 

非常にコスパが悪い。

 

本当に変化を起こすのは、

 

理解ではなく、

 

神経系の完了なのだと、自分自身で実証したと思えた。

 

今回、私はクライエントさんのことよりも、

 

自分自身の神経系から大切なことを教えてもらった気がしている。