登場人物

黄子ぶた 男 キチガイ 

青子ぶた 男 ナンパ  

赤子ぶた 男 ボケ   

オオカミ 女  気弱   

語り手 ツッコミ  

 

【約20分】

 

 

赤「今は平成時代。子ぶたたちは……、てか俺たちが日々苦しまずのんびりと暮らしておりました。」

 

語り手「おい!お前が俺の役とってどうすんだよ!それ、俺が言うことだし、話の趣旨が違うだろ!」

 

赤「え?だって、さっきからずっとぶつぶつと一人で隅で独り言言ってるから、俺が始めちゃった☆」

 

語り手「始めちゃった☆じゃないだろ!確かに、乗り気じゃねえよ!?俺だって、いつもいつも邪魔ばかりさせられてたら嫌になるだろ!」

 

赤「邪魔しないで進めたいのー?そんなの兄さん達が許すわけないじゃーん。それに、俺だって楽しくないしー?」

 

語り手「いやいや、それが本音だろ!ただ、楽しみたいだけだろ!」

 

赤「ちっ、バレたか……」

 

語り手「おい!聞こえてんだからな?」

 

赤「あ、上から飛行機が……。あ、いや兄さんが……」

 

語り手「え、兄さん!?どういうこと?!」

 

赤「青兄さんはどこにいるんだろ……」

 

青「え、呼んだ?」

 

語り手「ぐへっ!俺の股間がっ、あっ、あっ……。いってえ!どこから出てきてんだよ!」

 

青「どこからって土の中から……?」

 

語り手「土の中から?じゃねえよ!俺をショック死させるつもりか、てめえは!」

 

黄「ぼくちん登場☆」ドスっ

 

語り手「ぐほっ!」

 

赤「あ、語り手さん100のダメージをくらった」

 

青「おー、美しくない死に方をしたもんだ……

 

 

黄「えー、かっこいいよー!それか、刃で突き刺しちゃう?」

 

語り手「俺はまだ死んでねえ!てか、俺を死なすんじゃない!」

 

赤「そうだそうだ!」

 

語り手「お、お前はわかってくれるのか……」

 

赤「まだまだ、ヒットポイントはあるはずだよ!」

 

青「確かに、尻とか尻とか……」

 

黄「僕のほうがもっとすごい死に方できるのに……。かわいそうに」

 

語り手「もう、やだこいつら……」

 

オオカミ「あのー、そろそろ始めてくれませんか……?」

 

赤「そうだそうだ!早く始めろー!」

 

青「こんなちんたらしてるなんて美しくない」

 

黄「そうだそうだ!もっと、始めるの遅くしよう!」

 

語り手「おい!俺が悪いのか?!お前らが話をずらしたのが悪いんだろうが!てか、遅くすんなし!」

 

赤「しかたないなー……

 

 

青「わがままだと俺みたいに綺麗にはなれないぞ?」

 

黄「あ!冒険が僕を呼んでいる!」

 

語り手「いやいや!どこ行こうとしてんだよ!それに、わがままじゃねえから!」

 

オオカミ「あの、はやくしてください……。さっきからずっとずっと始まらないなって不安になってたんですからっ」

 

語り手「!泣くな!泣くんじゃねえ!」

 

赤「あー、オオカミさん泣かしたー……」

 

語り手「うるせえ!もう、始めるぞ!くそっ」

 

青「あんな男のことなんて忘れて俺と今夜楽しまないか?」

 

語り手「そこ!うんっ!えー、昔々あるところに3匹のこぶたがおりました。みんなの名前は……」

 

黄「僕が黄子ぶた!」

 

青「俺が青子ぶただよ」

 

赤「俺が赤子ぶただぜ☆」

 

語り手「……さて三匹の子ブタは、それぞれ自分のお家をつくる事になりました」

 

赤「えー、なんでそんな手間ひまかけて作らないといけないのー?」

 

青「作るのは、うーん、語り手さんお願いするよ」

 

黄「要塞作っちゃおうぜ☆」

 

語り手「おい、てめえらー!勝手に話変えんじゃねえ!あと、要塞ってなんだ要塞って!」

 

黄「えー、かっこいいじゃん!要塞」

 

語り手「あー、もう!話進まねえから無視して進めるぞ!そして、黄子ブタは、ワラのお家をつくる事にしました」

 

黄「ワラー?えー……。全然かっこよくないよー」

 

語り手「かっこよさを求めんじゃねえ!青子ブタは、木のお家をつくる事にしました」

 

青「木ねー……。木じゃなくて全部女の子の写真を飾った家の方がいいんじゃない?てか、今からナンパしに行こうっと」

 

語り手「こらこら!そこ!ナンパすんな!そして、女の子の写真を飾んな!あー、進まねえ……」

 

赤「ねー、俺の出番まーだ?おじいちゃん」

 

語り手「ん?なにかようかの……?(3秒間を空け)って、やめろ!俺はおじいちゃんじゃねえ!そして、お前の出番はすぐ来るから待ってろ!」

 

赤「はーい!おじいちゃん!」

 

語り手「……、そして赤子ぶたはレンガの家に住むことになりました」

 

赤「うーん、自分でやるのめんどいしー、よし!オオカミさん俺が指示しますんでちゃっちゃと作ってもらえますか?」

 

オオカミ「え、分かりました……。こんな感じで……」

 

赤「ありがとー!」

 

語り手「そうそう、オオカミさんが全部作ってくれました……、っておい!自分で作れよ!」

 

赤「だって、めんどくさいし?それにオオカミさんはとはこの前仲良くなったから大丈夫!」

 

語り手「大丈夫じゃねえから!ああ、もう疲れる……」

 

赤「え、大丈夫……?」

 

語り手「誰のせいだ。誰の!ああ、もう進めるぞ。そして、なんとか手伝ってもらって完成しました」

 

赤「うん、完成!意外とかっこいいじゃん!」

 

オオカミ「良かったです……。かっこいいですか?照れます」

 

赤「ん?でしょ!」

 

黄「で、俺の出番はー?早くー!!!」

 

語り手「あー、うるせえ!待ってろって言ってんだろ!そして、自分たちのお家が出来て、三匹の子ブタはとてもごきげんです。すると山に住んでいる悪い……。いや、弱気なオオカミさんがワラのお家にやって来ました」

 

オオカミ「えっと、あっと……。セリフ飛んじゃった!」

 

語り手「ええ?!セリフ……。えっと、黄子ぶたさん黄子ぶたさん中にいれてくれないか?だ。わかったか?」

 

オオカミ「あ、ありがとうございます。黄子ぶたさん黄子ぶたさん中にいれてくれませんか……?」

 

黄「え?ああ、キミはまさか僕の生き別れたお母さんか!?」

 

語り手「は?え?お母さん?!」

 

オオカミ「!そうなんです……。黄子ぶたさんのお母さんです」

 

語り手「いやいや、違うから!てか、お母さんって何!?どうやって生まれてくんだよ!」

 

黄「え、お母さんじゃないの?てか、僕らって狼から生まれるもんでしょ?」

 

語り手「違うから!そもそも、子ぶたは母ぶたから生まれるもんだろ!」

 

オオカミ「あれ?セリフ間違ってましたか……?」

 

語り手「すごい、間違ってる……。それに、ノリに乗っちゃだめだから。黄子ぶたが、絶対に嫌だ!あけるもんか!って言うんだ」

 

黄「んー?わかったー……。えっとー、ほんとは嫌じゃないけど入って欲しいけど……。ごめんなー?お母さんを入れちゃダメなんだって……」

 

語り手「あ?!俺が悪いんか!?違うだろ!えっと、それでオオカミさんが……」

 

オオカミ「えっと、なら吹き飛ばしますよ……?」

 

語り手「そう言い、腹に空気をいれて力いっぱいに吹き飛ばしました」

 

オオカミ「あの、私そんなに強くないんで口で吹き飛ばすなんてことできないんですけど……。てか、子供の家を吹き飛ばしたくありません……」

 

語り手「オオカミさんまで言うのか?!だから、オオカミさんの子供じゃないし……。それに、吹き飛ばしてもらわないと進まないんだけど……?」

 

オオカミ「あ、分かりました。じゃあ、ちょっと待っててくださいね?」

 

語り手「え、どこにって……。戻ってくるの早っ!」

 

オオカミ「これで、よしっと!」

 

語り手「その手に持ってるものはなんだ……?」

 

オオカミ「これですか?ロケットランチャーです!」

 

語り手「いやいや、ロケットランチャーって……。それで吹き飛ばすのか?!」

 

オオカミ「はい。自分では無理なのでいくつか用意してました……。えっと、黄子ぶたさんすいません

……。では、参ります!」

 

3秒待って)

 

語り手「ちょ、まっ!あー……、黄子ぶた死んだか……?」

 

黄「今のなに?!面白いじゃん!もっかいもっかい!」

 

語り手「お前どこから出てきた?!」

 

黄「え?土の中から……?」

 

語り手「好きだなー……。兄弟揃って……」

 

黄「ほんとはきみの上から華麗に登場するつもりだったんだけどねー……」

 

語り手「だから!俺を踏み台にするな!」

 

黄「ねーねー、オオカミさんオオカミさん。そのきびだんごください!そしたらお供についてくので!」

 

語り手「それ、話違う!それ、桃太郎!」

 

オオカミ「えっと、いいですよ……?」

 

語り手「どっからそれ出した?!もう、無視して次行くぞ!そして、黄こぶたを食べずにオオカミさんは青子ぶたの木の家にやってきました」

 

オオカミ「えっと、青子ぶたさん青子ぶたさん、ここを開けて中にいれてくれませんか?」

 

青「おや?これは、可愛いお嬢さんではないか。どうぞ、中にお入り」

 

語り手「まてまて!何かってに中に入れてんだ!」

 

青「何勝手にって……。こんな可愛らしいお嬢さんをなかに入れないでどうするんだ!」

 

語り手「いやいや、食べられるからな?」

 

青「こんな、可憐なお嬢さんに食べられるなら本望さ……」

 

語り手「そこ、喜ぶな!話が変わってくるだろ!」

 

青「うるさい男だなー……。そんなんだと女子にモテないぞ?」

 

語り手「別にモテなくていい!青子ぶたはやくセリフを言え!」

 

青「はいはい、ほんとは君をなかに入れていっしょにお茶でもと思ったんだが、あのうるさい男がはやく話を進めなきゃいけないらしいから進めることにするよ……。嫌じゃないが中に入れることはできないよ」

 

語り手「だから、また俺が悪いのか?!俺じゃないだろ!」

 

オオカミ「あの、あんまり大きな声出さないでください……。怖いですっ」

 

青「あー、語り手がこの可愛らしいお嬢さんを泣かしたー」

 

黄「ほんとだー、泣かしたー」

 

語り手「うるさい!ああ、続きを頼むっ。頭が痛いっ」

 

オオカミ「えっと、じゃあ次の道具は……」

 

語り手「やっぱり道具を使うんだな……」

 

オオカミ「このチェンソーを使いましょう!」

 

語り手「今度はチェンソーかよ!いやいや、怖いから!」

 

オオカミ「では、参ります……」

 

3秒待って)

 

語り手「あー……。絶対に死んだなこりゃ」

 

青「おお、すごい有様だ……。だが、その姿も可愛らしい」

 

語り手「いやいや、すげーとこにいるなお前」

 

青「俺の特技、瞬間移動だ!どうだ、かっこいいだろ!」

 

語り手「いや、反対に怖いから!チェンソーよりも怖いから!」

 

青「お嬢さん、俺とお茶にっ……」

 

2秒待って)

 

語り手「ほら、食べられないんだったらどっかの陰に隠れてろ!」

 

青「却下します!」

 

語り手「却下すんじゃねえよ!じゃあ、黄色の後ろにいろ……」

 

青「はーい(棒」

 

語り手「……そして、オオカミさんは赤子ぶたのいるレンガの家にやってきました」

 

オオカミ「赤子ぶたさん赤こぶたさんそのドアを開けて中にいれてくれませんか?」

 

赤「だめー。やだやだ」

 

語り手「おお?初めてちゃんと言ってくれた……。けど、なんか嫌な予感」

 

赤「今テレビゲームしてるからだめー。てか、開けるのめんどい」

 

語り手「いやいや、テレビゲームってなんだよ!少しでも期待した俺が馬鹿みたいじゃねえか!」

 

赤「だって、みんな俺のことほっとくから悪いんじゃん!」

 

語り手「そこ?!まさか、全然出番がないから拗ねてんの!?」

 

赤「とにかく、俺は一言も喋らないからね!」

 

オオカミ「なら、手榴弾でどうですかね……?」

 

語り手「いやいや、それはさすがに壊れるだろ……?」

 

オオカミ「もう、めんどくさいんでいっきまーす!」

 

語り手「え、まじで投げやがった?!」

 

3秒待って)

 

語り手「え?全然、なんともない……?なんでだ?!」

 

赤「うるさいなー……。そりゃ、黒曜石で造ってもらったんだし?そんなんじゃ吹っ飛ばないよー?」

 

語り手「なんで、黒曜石なんだよ!黒曜石よくあったな!?てか、違う違う。オオカミさんも何投げてんだ!」

 

オオカミ「え、だってロケットランチャー・チェンソーときたらやっぱり手榴弾ですよね……?」

 

語り手「いやいや、ここは煙突に登って中に入るっていうな?」

 

オオカミ「煙突……?」

 

黄「なら、僕が入るー!」

 

青「そうですよ、煙突なんて入れさせるわけ無いでしょ?こんな可愛らしいお嬢さんを」

 

語り手「いやいや、そういう話だから!てか、そこ勝手に登って入ろうとするな!」

黄「ねー……、入ってみたけど下に降りてもベットの部屋があるだけだよー?ここは、勇者の部屋かな?」

 

語り手「まじで?!なんで一階だけにしなかったの?!」

 

赤「やっと、ゲーム終了!楽しかったー……。てか、みんな何してるの?」

 

語り手「何してるの?じゃねえよ!今、お前の家を吹き飛ばしに来たんだよ!話聞いてただろ?!」

 

赤「え、そうだっけ?忘れちゃった☆」

 

語り手「いやいや、忘れちゃったじゃねえよ!てか、お前ら勝手に入るな!」

 

青「うるさい男はほっといて中でお茶でもどうかな?」

 

オオカミ「え、いいんですか……?えっと、じゃあ///

 

 

赤「そうだねー……。もう、話も終わったみたいだし……」

 

語り手「終わってねえよ!まだ、終わってねえ!てか、勝手に終わらすな!」

 

黄「そうして、仲良く3匹の子ぶたとオオカミさんは仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし」

 

語り手「勝手に終わらすんじゃねえええ!」

配役

 

東上喜一(とうじょう きいち)

東上家の次男で不良っぽい口調で喋る。

だが、兄姉妹たちが大好きだから過保護になることも。

大好きという言葉に弱い。

 

東上美琴(とうじょう みこと)

東上家の長女で気の優しいお姉さん。

優しいお姉さんだが怒ると怖く東上家では誰も逆らえない。

だが、普段はとても優しい。

 

真田隆治(さなだ りゅうじ)

喜一の親友で家族以外では一番の理解者。

お調子者だが、ほんとは優しい性格をしている。

運動系が得意。

 

 

鈴ちゃん(りん)

迷子の11歳の女の子。

喜一のことをお父さんと呼ぶ。

父親とはぐれたのか、若い頃の父親の写真を持っている。

 

 

喜一:男or女(どちらでも)

美琴:女

鈴:女

隆治:男

 

(このお話は東上家の5人の仲のいい兄妹のお話。今回の主役は……、そう喜一くんです。ですが、何やら困っている様子です。何が起きたのでしょうか?)

 

喜「嘘だろ……?

どうすんだよこれ……」

 

鈴「ねー、パパー……。ここどこー?」

 

喜「俺は、俺は……、お前のお父さんじゃねえよ!」

 

喜:俺は東上喜一。東上家の次男だ。

学校の帰りにたまたま寄った公園でブランコに乗っていたら、一人の女の子が寄ってきた。

それが、なぜか今はパパと呼ばれている。

おかしくねえか?!

 

喜「俺は、てめーみたいなチビのパパじゃねえよ」

 

鈴「ぱ、パパッ!うえええええん!」

 

喜「は?ちょっ、な、泣くんじゃねえよ!

ああ、もう!どうすりゃいいんだよ!」

 

鈴「パパー!」

 

喜「とにかく、泣きやめ!あ、飴あるからよ?

頼むから、泣き止んでくれ!

こんなとこ隆治達に見られたら……。

ああ、絶対に死ぬな……」

 

隆「んー?俺がなんだってー?」

 

喜「……、な、な、なんでてめえがこんなとこいんだよ!」

 

隆「たまたま、寄っただけだよー?」

 

喜「ああ、まじで死んだわ……」

 

隆「何が死ぬのさ……。

んと、この子はお前の子供?ぐほっ!」

 

喜「んなわけ、ねえだろ!

いきなり、俺のとこやってきてパパって言うんだよ……」

 

鈴「パパッ……」

 

隆「ふーん……。

こんにちは。えっと、名前教えてくれないかな?」

 

鈴「……、鈴っ」

 

隆「鈴ちゃんかー……。

俺は、このパパの友人の隆治って言うよ。

よろしくねー」

 

鈴「りゅ、隆治くん……?」

 

隆「そう、隆治くん。

そうだ、優しいお兄さんが鈴ちゃんにいいものをあげようかな」

 

鈴「!……、いいもの?」

 

隆「そう、いいものだよ。

じゃじゃーん!どうぞ?」

 

鈴「どうやって出したの?!

隆治くん!すごい!」

 

喜「お前……、何懐かせてんだよ。

てか、マジックなんていつ覚えたんだよ」

 

隆「ほら、俺離れた妹いるだろ?

だから、それで覚えたんだよ。

まあ、泣き止んでくれたんだからいいんじゃねえの?」

 

喜「まあ、確かに泣き止んだからいいけど……。

てか、そんな懐から犬なんて出せたな」

 

隆「んー、俺マジシャンに向いてるかも?☆」

 

喜「うぜえ……。

いっぺん死んで来い」

 

隆「ええー、きーちゃんひどい☆」

 

喜「きーちゃん、ひどい☆じゃねえよ。

その、星がうぜーんだよ。出すんじゃねえよ」

 

隆「ノリに乗ってくれないとー……、ね?」

 

喜「うん、一発ぶっ飛ばそうか……」

 

隆「悪い悪い!そんな、おこんなって!」

 

喜「はー……。で、これからどうすんだよ。

こいつを家に連れて行くわけには行かねえだろ?」

 

鈴「どうしたの?パパー?」

 

喜「だからっ……、なんか疲れる。

もう、パパじゃないって言うのやめよ」

 

鈴「ねー、パパー。パパの家見に行きたい!」

 

喜「は?あ?は?」

 

隆「よし!じゃあ、俺が肩車して見に行こっか!」

 

鈴「うん!行こう!

隆治くん!早く、しゃがんで!」

 

隆「がってんだい!」

 

喜「お、おい!何かってに決めてんだよ!」

 

隆「いいだろー?減るもんじゃねえし……。

それに、今交番に行ってもどうしようもできないと思うけどなー」

 

喜「なんでだよ……」

 

隆「だって、鈴ちゃんはお前をパパって呼んでるんだろ?

だったら、その鈴ちゃんを交番にあずけてみろよ……。

きっと、パパ、行かないでーって泣き叫ぶだろ?

すると、警官にお前がお父さんだと思われる。

父親がいるのに自分の子供を預けるとは何事か!ってことになる。

と、どうなるよ?」

 

喜「追い返される……」

 

隆「だろ?だったら、この子を一旦家に連れて帰る方が、俺はいいと思うけど?

まして、こんな人っ子一人いない公園に置いてかれたら、もっと危ないことになるかもしれないじゃん?

誘拐とか誘拐とか誘拐とかよ」

 

喜「ああ、まじでめんどくせ……」

 

隆「だから、それを避けるためにもお前の家に連れて行ったほうがいいと思うわけよ。

俺の言ってることって間違ってる?」

 

喜「わかったわかった!

もう、お前の好きにすればいいから……」

 

隆「じゃあ、鈴ちゃん。

今から、パパの家に行くからね!」

 

鈴「うん!楽しみだな~」

 

喜「はー……。なんで、こんなに疲れるんだか……」

 

 

喜「おい、ここが俺の家だ」

 

鈴「ここが、パパのお家!

おっきいねー!おっきいねー!」

 

隆「ほんとなー。兄妹5人で暮らしていくのにはちょいとデカすぎやしないか?」

 

喜「あ?それは、俺らの親に文句があるってことか……?」

 

隆「そんなこと言ってないだろ!ほら、早く入ろうぜ!」

 

喜「はー……。

ただいまー」

 

隆「こんにちわー。美琴ちゃん、いますかー!」

 

美「んー?あれ、隆治くん?と……。

その子は誰……?」

 

鈴「誰……?」

 

隆「ああ、鈴ちゃん。

この美人さんはね?

パパの双子のお姉さんなんだよ?」

 

美「パパ……?」

 

喜「げっ、美琴、落ち着いて聞けよ……?お、俺は別にホントのパパとかじゃ……?!」

 

美「ちょっと、喜一?

こっちに来て……?」

 

喜「だから、連れて帰るの嫌だったんだよっ!」

 

美「早く、こっちにいらっしゃい?

ちゃんと、説明してくれるよね……?」

 

隆「わお。美琴ちゃんの背後からどす黒いオーラが……、見える気がするぜ」

 

喜「はい……」

 

 

美「なるほどね……。それで、なぜか分からないけどパパ呼ばわりされたと。

交番に届けようにもパパって呼ばれるから追い返されるかもしれない。

なら、家に連れて帰ったほうがいいと……。

そういうことだね?」

 

喜「そうだよ……」

 

美「はー、そういう理由ならよかった……」

 

隆「あー、美琴ちゃんさ、喜一のホントの子供だと思ったでしょ?」

 

美「当たり前でしょ?勝手に相手を妊娠させて産ませた子供っていうならマジギレしてたよ」

 

喜「んなことするわけねえだろ!

俺が好かれると思ってんのか?!」

 

隆「好かれてんじゃん。優希に」

 

美「好かれてるでしょ?優希ちゃんに」

 

喜「う、うっせ!

黙れ黙れ!」

 

鈴「パパ、好きな人いるの……?」

 

喜「す、好き?!

誰が、あいつのことなんて好きなんて言ったよ!」

 

隆「そうなんだよー?

パパは好きな人がいるんだよー」

 

喜「おい、何かってなこと言ってんだよ!

お前、締めんぞ!」

 

隆「鈴ちゃんの前でそんなことできるのかなー?」

 

喜「くっ……」

 

美「んー……。鈴ちゃん、今お腹すいてる?」

 

鈴「うん……。お腹すいた……」

 

美「じゃあ、美琴お姉さんがとびっきり美味しいオムライスを作ってあげる!」

 

鈴「?!ほんと……?オムライス作ってくれるの?!」

 

美「その反応は、オムライス好きなんだね?」

 

鈴「うん!ママが作ってくれたオムライスが好きで……」

 

喜「……、おい。こっちこい」

 

鈴「……?」

 

喜「ほら、出来上がるまで俺の膝の上にいろ」

 

鈴「!パパー!へへっ」

 

隆「きーちゃん、自ら鈴ちゃんを膝の上に乗せるなんて……。

あらー、嫌だ。もうっ」

 

喜「なんで、オネエ口調なんだよ……。

てか、別にいいだろ?俺の気まぐれだ……」

 

隆「ほんと、喜一は優しいねー……。

見た目がこんなんじゃなかったらモテてたのに」

 

喜「あ?髪を切れと……?

ふざけんじゃねえぞ……。

てめえの、髪を五分刈りにしてやる」

 

隆「それだけは、やめて!いやんっ」

 

喜「気持ちわりい……。

おい、鈴。ああいう奴には近づくなよ?

変態がうつっちまう」

 

鈴「……?変態?」

 

喜「そう、変態菌っていうのがあるから……。

気をつけろよ?」

 

鈴「?わかった……」

 

隆「ちょっとちょっと!それ、ひどくない?!」

 

喜「ひどくねえ……。いきなりキモいことしてるお前が悪い」

 

隆「そんなー……」

 

美「3人ともー、オムライスできたよー!」

 

喜「お、オムライス出来たってよ!

行くか?鈴」

 

鈴「うん!行くー!」

 

隆「ちょっ、俺を置いてかないでよー」

 

 

美「はい、お母さんの味に近づけてるか分からないけど……。

けど、きっと美味しいから。

食べてみて?」

 

鈴「うん!」

 

喜「今回は、盛りつけもうまくいったんじゃねえかー?」

 

美「今回も、でしょ?ほら、食べた食べた」

 

隆「美琴ちゃんのオムライスだー。

お言葉に甘えて、いただきます」

 

鈴「! いただきますっ!」

 

喜「いただきますっ……。

もぐもぐ……。

うん、うめーな……」

 

美「鈴ちゃん。どうかな?美味しい?」

 

鈴「うん、美味しいよ!でも……」

 

美「でも……?」

 

鈴「でも、お母さんのオムライスが食べたいっ」

 

美「大丈夫っ?何があったの……?」

 

鈴「パパッ……」

 

喜「鈴と俺は他人だ。

けど、お前が俺をパパっていうのには何か訳があるんだろ。

言える範囲でいいから言ってくれねえか?」

 

隆「俺たちは、鈴ちゃんの味方だよ?

だから、俺たちに話せないかな?」

 

鈴「あの、ね……?

鈴のパパとね……?

パパは似てるの……」

 

美「鈴ちゃん、これは……?」

 

鈴「若い頃のパパとママだよ」

 

隆「わお!喜一そっくり!」

 

喜「なんか、もうひとりの俺がいる感じで気持ちわりいな……」

 

美「それで……?」

 

鈴「それで……。

パパとママは今喧嘩してるの……。

りこん?ってのをするかもしれないって言われたんだ……」

 

喜「なんつー言葉、子供に教えてんだよ……」

 

美「離婚の意味を鈴ちゃんは知ってる?」

 

鈴「うん、離ればなれになって会いたくても会えないことだよね……?」

 

隆「子供にしては理解度高いんじゃね?」

 

鈴「それで、それが嫌で……。

逃げてきたの……」

 

隆「ほうほう……」

 

喜「鈴は、どうしたいんだ?

パパとママにどうなってほしいんだ?」

 

鈴「鈴ね!鈴ね……?パパとママに仲直りして欲しい!

それで、それで……。

りこんしないで、また笑ってすごしたい!

だって、だって!

鈴は、パパとママが大好きだから!」

 

隆「よっしゃ!

なあ、お二人さんよ」

 

喜「なんだよ……。

てか、なんかやな予感すんだけど……」

 

美「隆治くんどうしたの?」

 

隆「鈴ちゃんのために一肌ぬごうぜ!」

 

喜「一肌脱ぐのはわかった。

でも、どうすんだよ……」

 

隆「俺は、いい作戦を思いついちゃったのです!

その名もパパとママを仲直りさせよう!ワクワクドキドキ大作戦☆」

 

美「それは、鈴ちゃんが笑って過ごせるためだね……?」

 

隆「そう!

ってことで、次回は鈴ちゃんのパパとママを仲直りさせるお話でーす!

次回もちゃんと聞いててね!」

 

喜「おい、どこにしゃべってんだ?」

 

隆「では、また来週~!」

 

喜「だから、どこにしゃべってんだよ!」

 

 

End

配役

鬼:ガント

大柄だが見た目とは違い優しい鬼

実は謎がある。

カタコトで喋る。

 

少女:リナ

勇敢ある少女。

鬼に対しても勇敢に話しかける。

 

少年:ルイ

少し臆病な少年。

臆病で怖がりだが、慣れると鬼にも人間にも優しく接することができる。

 

名無しさん

館の主人。

年齢は不詳。

いつも、仮面をかぶっている。

この物語のナレーション「語り手」としても参加している。

 

お母さん

リナのお母さん。

やしくて頼りになる継母

 

継母

いつもリナのことを怒ってばかりの継母

 

☆☆☆☆☆☆ 上演 ☆☆☆☆☆☆☆

 

名「……ん?これはこれは、迷子のお客様ですかね?いらっしゃいませ、どうぞごゆっくりなさってください。ここは、物語を進めるための大切な館。その主人をさせていただいてる、「名無し」と申します。よろしくお願い致します。では、本日のディナー……、いえ。本日の物語はこちらとなっております。タイトルは「優しい鬼と優しい少年少女」という物語です。どうぞ、楽しんでいっていただけるとありがたいです。では、開幕です!」

 

リ「こっちかなー……?」

 

ル「待ってよっ!早いよっ!リナちゃんっ!」

 

リ「ルイが遅いだけ!それより、こっちかなー……?」

 

ル「もう、やめようってば!ここって、アレが出てくるんでしょ?!」

 

リ「ほんと、ルイって臆病なんだから!あたしみたいに強くなれないよ!」

 

ル「べ、別に強くならなくてもいいしっ……」

 

リ「ルイ!そんなこと言わないの!あんた、もっとしっかりしなさいよ!」

 

ル「そ、そんなこと言ったって無理だよっ……」

 

リ「無理じゃない!」

 

ル「だって、だって、こんなことしたらきっと怒られるよ……?」

 

リ「絶対に探し出して見せるんだから!」

 

ル「ほんとに「鬼」なんて見たの……?」

 

リ「あれは、絶対に「鬼」だったもん!」

 

ル「ホントかなー……。でも、「鬼」ってほんとにいるのかな……?」

 

リ「何、気弱になってるのさ!あれは、絶対に鬼だった!だって、だってあんな姿、絶対に人間じゃないもん!」

 

ル「でも、でも、もしかしたら鬼じゃなくて……、村人がつけてる仮面だったかもしれないよ……?」

 

リ「違うったら違うの!あんな体が赤くて銀色の角が生えた鬼、見たことないよ!」

 

ル「うー、でも帰ったほうが……」

 

リ「じゃあ、なんであんたはついてきたの?」

 

ル「そ、それは、リナだけじゃ危ないと思ったからで……」

 

リ「あたしは、あんたとは違う!気弱なやつじゃない!あたしはあたしは!」

 

名「ふむっ、思い出したくないものでも思い出したのでしょうか?何やら、彼女の過去に何かあったようですね……。ちょっと、覗いてみましょうか」

 

リ『やだっ!痛いっ!離してよっ!』

 

継『はっ、あんたまた盗みを働いたね?よくもまあ、そんな子に育って……。妹がほんと憎いよ』

 

リ『お母さんをバカにすんな!お母さんは、お母さんは頑張ってあたしを産んでくれたんだよ!』

 

継『はっ!あんたみたいな小汚い娘、産まないで欲しかったよ!そうしたら、こっちはあんたの食費まで出さなくて済むんだからよ!』

 

リ『お母さんっ……。お母さんっ!』

 

ル『リナ……、またママがごめんね……?』

 

リ『うるさいな!あっちいけ!あんただって、こんな奴いらないって思ってんでしょ!』

 

ル『そんなことないよ!僕、リナが羨ましいんだ……』

 

リ『は?羨ましい……?』

 

ル『僕は、あんまり外で遊ぶこともないし、臆病な性格でしょ……?だから、友達も少なくって。だから、すごく羨ましい……』

 

リ『あんたって、変わってるんだね……』

 

ル『そうかな……?僕はね?リナに憧れてるんだ……。たった、ひとりぼっちの僕に声をかけてくれた。だから、ずっとずっとお礼が言いたかった。ありがとうっ』

 

リ『あ、あんた、泣かないでよ!』

 

ル『だって、だって、臆病でずっと弱いからっ、誰も一緒にいてくれなくって、リナが初めてだったんだもん。お母さんもお姉ちゃんも皆無視ばっかしてばっかりで……。だから、僕に話しかけてくれたリナちゃんが大好きだからっ!』

 

リ『……、あんた、ホントバカっ……。なんで、こんなあたしに懐くなんて……。バカみたいっ……。ほんと、バカっ』

 

ル『もし……、もし!何があっても僕はリナのこと見捨てないからね!』

 

リ『もう、わかったから!鼻水拭きなさいよ!まったくもう……。ありがと』

 

ル『え……?最後なんて言ったの……?』

 

リ『あんたには関係ありませんー!ほら、行くよ!』

 

ル『え?どこに……?』

 

リ『どこって、決まってるじゃん!探検よ……。森の奥底まで探検に行くのよ!』

 

ル『え、森の奥って!お、鬼がいるって話じゃ……』

 

リ『そうなのよ!この前見たのよ!その鬼を!だから、行くわよ……』

 

ル『ええー……、危ないよー!』

 

リ『夕飯までに帰ればいいことでしょ……?ほら、メソメソしない!大丈夫だから!』

 

ル『ううっ、リナー……』

 

名「なるほど……。そういうことだったのですか?ですが、お二人共足元にご注意くださいませ?ここは、なんて言ったって……、森の中。いつどこに、危険が潜んでるかわかりませぬ」

 

リ「うーん、こっちであってるはずなんだけどなー……」

 

ル「リナー、もう少しで日が暮れちゃうよー……?帰ろうよー!」

 

リ「だったら、一人で帰りな!あたしは、一人で大丈夫なの!」

 

ル「いやいや、絶対に危ないから!ここら辺、崖とかで危ないって村の人から聞くし!」

 

リ「だからって、ここまできて引き返せるわけがないでしょ!あたしは、前に進むの!」

 

ル「リナ、そんなに目を輝かせてるとこ悪いんだけど……」

 

リ「なによっ……、きゃああああああ!」

 

ル「リナ!リナ!だから、前に気をつけろって言おうとしたのに……。リナー!」

 

鬼「……、ナンダオマエ」

 

ル「お、鬼だー!ひー……」

 

鬼「アッ、キゼツシタ……」

 

名「おやおや、二人共危険な目にあっていますねー……。鬼は、彼らを持ち帰るようですよ?そして、しばらくして……、ふふっ、二人が目を覚ましたようです」

 

リ「こ、ここは……?」

 

ル「んっ、頭痛いっ……」

 

リ「ルイ!大丈夫っ?」

 

ル「うん、大丈夫だよ……?それより、ここはどこ……?」

 

リ「分からない……。ここ、どこだろう?」

 

鬼「………ン?オキタカ?ブジカ?」

 

リ「!あ、あ、あ、あ、あたしが見た鬼だ!」

 

鬼「オレノコトカ……?」

 

ル「そう、僕が見たのもこの鬼だよ!」

 

リ「え、なんにもされてない?!良かった……」

 

鬼「……、マサカ、オレタチオニガ、オマエタチヲ、タベルトデモ、イウノカ?」

 

リ「え、違うの……?」

 

鬼「オレタチ、オニガ、オマエタチノ、ジンニクナド、タベルワケ、ナイダロ?」

 

ル「え、普段は何を食べてるの……?」

 

鬼「オレタチハ、コノハヤキノミ、サカナナドヲ、タベルンダ」

 

ル「初めて聞いた……」

 

リ「ほんと、だって!村の人たちは鬼が人肉を食うから森の奥には行くなって!」

 

ル「うん、そう言ってる!」

 

鬼「ソレ、ウソダ。ダカラ、シンジナイ、ホウガイイ」

 

ル「あの、一つ質問してもいいかな……?」

 

鬼「ナンダ……?」

 

ル「なんで、鬼たちはここに住み着いてるの……?」

 

鬼「……ソレハ」

 

ル「ごめんなさい。でも、聞きたいんだ……。人を襲わないのになぜ、この森にいるの……?」

 

鬼「オレタチ、オニハ、モトハ、ニンゲンダッタンダ」

 

リ「う、嘘でしょ!鬼が人間って……。私たち一緒ってこと?!」

 

鬼「ソウ、オニハ、モトハ、ニンゲン」

 

リ「どうして、人間が鬼になったのよ!」

 

鬼「オレタチハ、モトハ、ヒトダマダッタ」

 

ル「ひ、人霊?!人霊ってことは……、幽霊だったの?!」

 

鬼「ソ、ダ……。オレタチハ、フコウナシニカタヲシタ、ニンゲンノ、ヒトダマガ、オニトナッタンダ」

 

リ「なら、私のお母さんは?!お母さんもひどい死に方をしたの!」

 

鬼「ナマエハ……?ナント、イウ?」

 

ル「僕は、ルイで……。こっちがリナ」

 

鬼「エ……?イマ、ナンテ?」

 

リ「あたしは、リナよ。あなたのお名前は……?」

 

鬼「オ、オレノ、ナマエハ、ガントッテ、イウ」

 

リ「ガントさん……。そっか、でも鬼に生まれてよかったわね……」

 

鬼「………」

 

ル「鬼って恐ろしいって聞いてたけど、ガントさんはそうじゃなかったんだね!」

 

リ「ねえ、ガントさん、また遊びに来てもいい……?また、ここに遊びに来てもいい……?」

 

鬼「ア、アア……。デモ、イエノ、ヒトタチハ、シンパイシテ、ナイノカ?」

 

リ「心配なんてしてくれる人は……、こいつだけにしか残んなくなっちゃった……」

 

ル「リナ……」

 

リ「ガントさん、あたしの話聞いてくれる……?」

 

鬼「ナ、ナンダ……?」

 

リ「あのね?あたしには、大好きなお母さんとお父さんがいたの!でも、でもね!小さい頃に、産まれてすぐにお母さんは死亡して……、それを追ってお父さんまで死んじゃったの!で、でも、ついこの間まではずっとずっと一人だと思ってた……。だって、こいつのおばさんはうちのこと暴力振るし……。いつも、こんなやつ、こんなやつっていうの……」

 

鬼「……」

 

ル「……」

 

リ「でもね、でもね!あたしね、こいつとあなたに会えたから!だから、一人じゃないんだって思えた!こんなに優しい鬼さんがいるってわかったから!だから、また、会いに来てもいい……?ガントさんに会いに来てもいいかな……?」

 

鬼「リナ……ヲ、キズツケタ……?」

 

ル「……ガントさん?」

 

鬼「ユルサナイ……。ユルサナイ!ウオオオオ!」

 

リ「へ……?ガントさん……?」

 

ル「やばいよ!このままじゃ!ガントさん、仲間連れて行っちゃうかも!村に行っちゃう!」

 

リ「どうしようっ、どうすればっ、いいの?!」

 

名「おやおや、まあ……。これは、大変なことになりましたねー……。少し、お手伝いをさせていただいきましょうか……。ほんとは、ご法度なんですよ?こうやって、物語を変えるのって……」

 

リ「どうすればっ、いいの……?」

 

名「お困りのようですね……?わたくしめが、お手伝いさせていただきましょうか?」

 

ル「あ、あなた誰……?」

 

名「わたくしは、あなた方の世界「物語」を保管している名無しというものです」

 

リ「物語……?」

 

名「そう、物語です……」

 

リ「なら、この結末のこと知ってるんでしょ!ガントさんや他の鬼さんはどうなるの!?」

 

名「ほんとは、言ってはならないのですが……。このままだと、バットエンドを迎えることになるかと……」

 

ル「バットエンドって……。まさか、ガントさん!」

 

名「まあ、いくつかの結末は用意できますよ?例えば、このまま行けば本能のまま、動いてしまい、あなた方以外の方たちを殺してしまうかも……。それか、反対に村人が用意した罠で鬼が全滅するとか……ですね?」

 

ル「そんなのダメだよ!ねえ、名無しさん!どうすればいいの……?どうすれば、皆助かるの?」

 

名「はー、仕方ありませんね。まだ、貴方たちが子供だからこの事は内緒……、ですよ?よく、聞くように。実は、この洞窟の中にガントさんが大切にしているものがあります。リナさん、貴方ならすぐにわかる答えですよ……?」

 

リ「私が知ってる答え……?」

 

名「なぜか、彼はあなたが持っているものと似ているもの持っているようです……。あなたと色違いのペンダントを……」

 

リ「!?嘘でしょ!なんでっ……」

 

名「さて、一つ謎が解けたようですね。後は、自分で探してハッピーエンドにするまでです。わたくしは、これでお暇いたしますね」

 

リ「あの、名無しさん!聞かせてください!ガントさんはガントさんは!あたしの「母」なんですか?!」

 

名「……、さあ?わたくしは、何一つ存じませんよ?その答えがあるのは、あなたの頭の中にあんじゃないでしょうか?」

 

リ「あたしの頭の中に……」

 

名「では、少々長いしたもようです!では、ハッピーエンドでお待ちしておりますね……。では、後ほど!」

 

ル「き、消えた……。あっ!そうじゃなくて、ペンダント探さないと!」

 

リ「!そ、そうだよね……。お母さんのペンダント!」

 

ル「どこだろ……?どこにあるんだろ……?」

 

リ「お母さんの手紙には……棚のとこに……。あった!あったよ!」

 

ル「ほんと?!どう、本物……?」

 

リ「うん、本物!本物だよ!」

 

ル「じゃあ、急ごう!じゃないと、もう時間が!」

 

リ「待ってて、お母さん……。今から、止めるから待ってて!」

 

名「なんとか、見つかったようですねー……。ですが、あまり時間がないようです。仕方ありません、最後の貴方方のお手伝いをさせていただきましょうか……。きっと、貴方方ならできますよ……。期待してます。さて、これでいいとして……、わたくしたちはハッピーエンドの結末に向かいましょうかね?」

 

リ「なにこれ!浮いてる?!」

 

ル「早いっ!すごい、早いよっ!」

 

リ「ほんと、早い!早すぎるよっ!」

 

ル「ねえ、あれ!見えた!」

 

リ「ガントさん……、ううん、お母さん!」

 

継「なんの騒ぎー……?お、鬼!?なぜ、こんなとこに!大丈夫よっ……。きっと、罠に落ちて死ぬはずよ!」

 

鬼「ユルサナイ……、ユルサナイ!!!!」

 

リ「待って、待って!ガントさん!ううん、お母さん!」

 

ル「リナ……」

 

鬼「ドケ!ソイツヲ、オレハ、ユルセナイ!」

 

リ「いいの……。もういいんだよ……?だから、やめて!お願い!お母さん、ううん、ママ!」

 

鬼「……リナ」

 

リ「あたしね、気づいたよ……?名無しさんから、聞いてからだけど……、ヒント貰っちゃったけど……。ほんとは、ガントさんがママだったんでしょ……?」

 

鬼「リ、ナ……」

 

リ「だから、こんなことしないで……?ね?お願いっ!」

 

ル「お願いっ、リナのお母さん、やめて……?それに、みんなも……!」

 

リ「あたしは、ママがこうやって鬼だけど生き返ってくれたんだって嬉しかったんだよ?だから、こんなことしないで……?お願いっ……」

 

鬼「ホント二、ソレデイイノカ……?」

 

リ「うん、ほんとはあんな人憎いよ?殺したいって思うくらい憎いけど!こいつまで辛い思いさせるわけにいかないの!こいつは、ルイは、たった一人の友達だから!」

 

ル「リナ……、僕のためにっ」

 

リ「だから、あたしがママのそばにいる……」

 

ル「僕も!リナの、ううん、ガントさんたちと一緒にいたい!」

 

鬼「デモ、オレ、オニダ……。モウ、ニンゲン二ハ、モドレナイ……」

 

リ「それでも、あたしは!ママと一緒にいたいの!」

 

継「ちょっ、この鬼が私の妹なわけ無いだろー?こんな、汚らわしい……」

 

名「ちょっと、失礼してもよろしいでしょうか……?」

 

継「はっ?あんた、誰だい!」

 

名「はい、わたくし「名無し」と申します」

 

リ「あ、名無しさん!」

 

ル「名無しさんだ!」

 

鬼「ナナシ……?」

 

継「それが、あたいらになんのようなんだい?!」

 

名「先程から見ていて……、妙にこの物語に似つかわしくないと思いましてねー……。貴方様が」

 

継「は……?一体どういう意味だい?!」

 

名「そのまんまの意味ですよ……。さて、ルイさん?お尋ねしてもよろしいでしょうか?」

 

ル「えっと、なんですか……?」

 

名「わたくしは、貴方方のハッピーエンドに近いものを見させていただきました……。ですが、些かこの物語にふさわしくない人物がいましてね……」

 

ル「それって……、まさか、僕のお母さん……?」

 

名「ご名答です!よく、お分かりになられましたね……?」

 

ル「だって、いう逸この中で反論してるのって僕のお母さんだけだもん……」

 

継「はっ……?あんたたち、何を言ってるの……?」

 

名「だから、訪ねます。これからの、あのお方の人生は、あなたの答えで決まるのです!」

 

継「まさか、あんた、あたしをこの世界から消そうっていうんじゃないだろうね!」

 

名「その通り!お察しがよろしいようで……。では、ルイさん。あなたは、この方をこの世界から消したいですか?それとも、残したいですか?」

 

継「待ちなさいよ、ルイ?そんなことするわけないわよね……?ルイのお母さんだもんね?」

 

名「それを、決めるのはルイさんです!では、返答をどうぞ……」

 

ル「僕は………、いらない。お母さんはこの世界にいらない。ガントさんがいい」

 

リ「ルイ……」

 

ル「僕は、羨ましかった……。リナのお母さんがこんなに優しい人で……。だから、いらない!」

 

名「なるほど、いらないですか……。なら、消えてもらいましょうかね……?」

 

継「嫌だ、死ぬなんてまっぴらごめんだ!やめてくれえええええ!」

 

名「死ぬ……?それは、物騒な言葉ですね……?貴方は、死ぬんではなく消えるんですよ?この、世界からね……?では、もう出会うことはないとは思いますが、さようなら~」

 

継「嫌だあああああああああっ!」

 

名「さて、あの方がいなくなったところで……。ガントさんたちにご褒美を差し上げます!」

 

鬼「ゴ、ホウビ……?」

 

名「その通りです。貴方は、彼女たちと一緒にまた暮らしたいとは思いませんか?元の姿で……」

 

鬼「?!……、デキル、ノカ?!」

 

名「それが、わたくしの仕事でもありますからね……。どうします?元の姿で暮らしたいと思いませんか……?」

 

鬼「クラセル、ナラ、クラシタイ!オネガイダ!モトニ、モドシテクレ!」

 

名「そんな、慌てないでくださいよ……。さて、リナさん」

 

リ「え……?はい!」

 

名「そのペンダントを彼の胸に当ててみてください」

 

リ「こう……?んっ!?眩しっ!」

 

ル「目がチカチカするよー……!」

 

リ「ん、ママ……?」

 

母「リナ……?リナ!」

 

リ「ママ!ママー!!」

 

ル「これが、リナのお母さん……」

 

母「やっと、この姿であなたに会えた!よかった……」

 

リ「マ、ママっ。ずっと会いたかった!ずっと、ずっと!」

 

母「あたしもよ……?ずっと、会いたかったわ……?」

 

ル「ねえ、名無しさん……?」

 

名「なんでございましょうか……?」

 

ル「名無しさんって、ヒーローみたいだね。二人を幸せにするヒーロー」

 

名「そんな、滅相もない!私はただの館の主人ですよ」

 

ル「でも、ありがとう!ありがとうっ、名無しさん!って……、あれ……?いなくなった?」

 

リ「ルイー!今から他の鬼さんだった皆呼びに行くよー!パパも鬼の里にいるんだって!」

 

ル「……うん!またね、名無しさん。ううん、僕らのヒーロー!ありがとう!」

 

母「じゃあ、みんなで一緒に行きましょっ!」

 

リ「うん!パパに会える!うれいっしなー!へへっ」

 

ル「そうだね!僕も、リナのお父さんに会いたい!」

 

名「ほんとに、いいハッピーエンドでした。まさか、この手で悪役を消し去ることになるとは思いませんでしたけどね?では、今回のお話はこれでおしまいです。ですが、また物語がある場合はこの館で貴方方をお待ちしております。では、これにて閉館!またね~」

 

End

 

 

 配役

 

東上喜一(とうじょう きいち)

東上家次男で見た目も口調も不良

兄姉妹たちが大好きなのか過保護

喧嘩は全くできない。

よく、不良に絡まれる

動物に例えると猫

 

東上美琴(とうじょう みこと)

東上家長女の気の優しいお姉さん。

いつも、怪我して帰ってくる弟を心配してる。

怒ると誰よりも怖くなる。

 

真田隆治(さなだ りゅうじ)

喜一の親友で家族以外では一番の理解者。

お調子者だが、ほんとは優しい性格をしている。

運動系が得意。

 

緑川優希(みどりかわ ゆうき)

喜一を好きな女の子。

乱暴者だが、ほんとは優しいと知っているため影から見守っている。

友達にひかれている。

 

 

(今日のお話は、東上家次男の東上喜一くんが主役のお話です。喜一くんは、ほんとに兄姉妹思いでツンデレ猫くんなのです)

 

喜「は?ああ?!なんだって……?猫?ふざけんじゃねえよ!」

 

隆「ん?喜一ー、どうしたよ?そんな、眉間にシワ寄せて空なんか見てよ?」

 

喜「今、誰かに変なこと言われた気がしてよ……」

 

隆「それで、ムカついて猫みたいになってたってわけだな!うんうん、ほんとツンデレさんだなー!」

 

喜「誰が、ツンデレだ?誰が」

 

隆「え?きーちゃんが☆」

 

喜「ああん?死にてえのか?死にてえのか?」

 

隆「ちょ、ちょっ、たんま!俺まだ死にたくないんですけど?!」

 

喜「じゃあ、選ばせてやるよ……。今すぐに、生き埋めか窒息死か……」

 

隆「はあ?!待って、待って!だから、俺死にたくないし!それに、それほとんど同じ意味じゃねえか!」

 

喜「だから、死に方を選ばせてやるって言ってんだよ」

 

隆「だから、死ぬっつってんだよ」

 

喜「……、はー。なんで、こんなんと友達になっちまったんだろ?」

 

隆「こんなんって言うなよ……」

 

喜「こんなんだろ?いつも、おちゃらけてうざいんだよ」

 

隆「それ、めっちゃ傷つくんですけど……」

 

喜「んなの、知るかよ。で、お前は何しに来たんだよ」

 

隆「おう!今日は美琴ちゃん、いねえのな」

 

喜「……。はー、美琴狙いかよ……。うざってー……」

 

隆「おい、そこ聞こえてる。いいだろ、狙ったって!可愛いんだからさ!」

 

喜「そうかよ……。はいはい……」

 

隆「なんで、そんなにそっけないんだよー。隆ちゃん、泣いちゃうぞ!」

 

喜「泣いとけ、バカ野郎」

 

隆「ひでーな、おい。まあ、いいや。あ、そういや先輩からこれお前にって……」

 

喜「ああん?なんだよ、これ……」

 

隆「果たし状……?」

 

喜「果たし状……?じゃねえよ。行くかよ、こんなのに」

 

隆「行かねえと、締められんぜー?木嶋先輩って……、結構有名だしよー。行かねえと、ほんとやばいぜ?」

 

喜「ちっ、わかったよ……。はー、だりいな。くそっ」

 

隆「ファイト、喜一☆ お前の、骨はちゃんと拾っとくからさ」

 

喜「俺はまだ死なねえよ。呼び出されたからって死ぬわけじゃないんだし……」

 

隆「まあ、とにかく行ってこい。死ぬんじゃねえぞ?あ、こっちも先生とか呼んどくから心配すんなよ?」

 

喜「ああ、サンキューな。じゃあ、行ってくるわ」

 

隆「行ってらっしゃい、急所にだけは当たるんじゃねえぞ」

 

喜「そこらへんは、大丈夫さ。それに、俺は……」

 

隆「お前が、喧嘩できないことなんてわかってるからよ……。あんま、怪我すんなよ」

 

喜「ああ、わかってる……」

 

 

 

隆「さてと、そこで何してるのかな~?」

 

優「え?!あ、えっと……」

 

隆「ほうほう、俺の後をついてきたということは……。俺のストー?!へぶしっ!」

 

優「そんなわけ無いでしょ!ふざけんのもいいかげんにしてよね!」

 

隆「だからって、殴ること無いじゃんよー……」

 

優「あんたの頭の中腐ってんじゃないの……」

 

隆「腐ってるっ……。ひどいこというのなー……」

 

優「当たり前でしょ?あんたは、バカでお調子者なんだから!」

 

隆「えっと、それは褒め言葉ー?」

 

優「違うわ!あんた、馬鹿なの?!ほんと、気持ち悪っ……」

 

隆「ここまで言われると、傷つくんですけどー……」

 

優「あんたは、それくらいがちょうどいいのよ!」

 

隆「で、なんでそんなのとこ隠れてるん?」

 

優「べ、別に……」

 

隆「ほんと、優希ちゃんは顔にでやすいねー……」

 

優「ちょっ!笑ってんじゃないわよ!ああ、もう!」

 

隆「あいつが気になるんだろー……?」

 

優「別に……」

 

隆「優希ちゃんってさ、ほんと一途だよね」

 

優「………」

 

隆「男にとって一途に思ってくれるって結構嬉しいもんよ?」

 

優「………」

 

隆「まあ、優希ちゃんは一回でもいいから声かけるとこから始めろよー?」

 

優「そ、それが出来たら、こんなに苦労しないわよ……」

 

隆「まあ、確かになー。好きな奴の前だと緊張して喋れなくなるもんなー……」

 

優「だから、なんであんたはそんなににやにやしてんのよ!てか……、なんであんな先輩のとこ行かせたのよ!」

 

隆「俺は強制はさせてねえぜー?」

 

優「強制させたようなもんじゃない!」

 

隆「待って、揺らさないっで……」

 

優「ふざけんじゃないわよ!顔に傷できたらどうすんのよ!」

 

隆「あいつが片付けるっていうなら?仕方ないことじゃん?まあ、確かに傷ができるのは俺もやーよ?」

 

優「じゃあ、なんで行かせたのよ!」

 

隆「んー、あいつがめんどくさそうにしてたってのもあるけど、きっと無視したらこれから目つけられんじゃん?だから、無視してめんどくさくなるんだったら今解決したほうがいいからさー」

 

優「だけど……」

 

隆「俺だって、あいつに怪我なんてして欲しくないし、喧嘩じみたこともしてほしくない」

 

優「だけど……っ」

 

隆「お前の気持ち、すごくわかるよ。けど、あいつは兄や姉、そして妹たちが傷つくのが見てられねえわけ。あいつはブラコンシスコンだから。だから、そうなる前に自分で解決しようとするわけよ。俺も、最初は止めるつもりだったけど……。内容見て、ああ、これはあいつに任せるしかねえんだなって思ったんだ。お前は、あいつが無視してあいつ家族4人が傷ついて泣いてる姿見れるか?俺は、正直見れないな」

 

優「それはっ……」

 

隆「だから、あいつに任せるしかねえの」

 

優「だからって、見てるだけなんて!」

 

隆「誰も、見てるだけなんて言ってないだろ?まずは、先生に報告だ。俺は、美琴ちゃん呼ぶから今のこと先生に報告な?担任はあいつが喧嘩できないの知ってるから、このこと報告すれば先輩だけに処罰くだんだろ」

 

優「!わかった……。とにかく、先生にね」

 

隆「ああ、それが俺らにできることだ!じゃあ、よろしくな!」

 

優「あんたに、頼み事されるのって嫌だけど……。これで借りひとつよ!あとでなんか奢りなさいよ!」

 

隆「へいへい、わかったよ」

 

優「あたしが、喜一くんを守るっ!」

 

 

喜「はー、はー……。俺って情けねっ。急所とか顔は避けたけど、やっぱ痛えなー……」

 

美「喜一、またあんた絡まれたの?」

 

喜「?!な、なんでここに美琴がいるんだよ!」

 

美「隆治くんが教えてくれたの。あんたが先輩に呼び出されたって……。先生も来てくれたみたいだけど……。あんた馬鹿だね」

 

喜「ば、バカっていうんじゃねえよ……」

 

美「なんで、うちらに言わないかなー……。うちらは兄妹でしょ?」

 

喜「……」

 

美「全部、内容聞いたよ。手を出されるのが嫌だったんだって?」

 

喜「……っ」

 

美「それで、守ろうとしたわけか……」

 

喜「だったら、なんだよっ……」

 

美「馬鹿だねー……」

 

喜「!うっせえ!いいだろ、俺がしたいからしたわけだ!」

 

美「でも、ありがとう。守ろうとしてくれて、ありがとね」

 

喜「あとで、隆治締める!」

 

美「ふふっ、でも、今後はこういうことがあった場合はうちや礼司にいや未来や梨花にいいなよ?まあ、まずはうちや礼司にいかな。ちゃんと、言わないとご飯抜きにするからね?」

 

喜「へーい……」

 

美「まあ、もし大事な弟に手出したら……、ただじゃおかないけど……」

 

喜「美琴、こえーよ……」

 

美「それに、先生を呼んでくれたあの子にもちゃんと、お礼言うんだよ?」

 

喜「え……?あ……」

 

美「ほら、行った行った!あんたのこと、怖がらないなんてあの子と隆治くんくらいじゃない?」

 

喜「ああ、美琴……、ありがとな……」

 

 

優「へ?え?こっちに来る?!」

 

喜「……なあ、あんたさ」

 

優「え?は、はいっ!//」

 

喜「あんたが、先生呼んでくれたんだろ?」

 

優「!……えっと、隆治に頼まれたからで……///」

 

喜「……あんがとな」

 

優「えっと、いや……、うん」

 

喜「初めてだ……」

 

優「え……?今、なんて……?」

 

喜「家族以外で女子に助けられたのってあんたが初めてだ……」

 

優「うん……」

 

喜「だから、嬉しかった。ありがとな……」

 

優「!べ、別に……。喜一くんが優しいの知ってるし、喧嘩できないのも隆治から聞いてるからっ。だからっ///」

 

喜「!ぷっ……。はははははっ!じゃあ、またな……」

 

優「う、うん!またね!」

 

喜「俺のこと怖がんないやつ初めてだ……」

 

優「ああ、話しちゃった!どうしようどうしよ!//」

 

End

 

 

 

配役

 

東上礼司(とうじょう れいじ)高校3年

東上家の長男で礼儀正しい。

優しいお兄さん。妹弟にすごく弱い。

学校の人気者。

 

東上美琴(とうじょう みこと)高校2年

東上家の長女で気の優しいお姉さん。

優しいお姉さんだが怒ると怖く東上家では誰も逆らえない。

だが、普段はとても優しい。

 

東上喜一(とうじょう きいち)高校2年

東上家の次男で不良っぽい口調で喋る。

だが、兄姉妹たちが大好きだから過保護になることも。

大好きという言葉に弱い。

 

東上未来(とうじょう みき)高校1年

東上家の次女で常識人で基本は笑顔のいい子

言葉には時々トゲがある女の子。

姉兄妹たちが大好き。

 

東上梨花(とうじょう りか)高校1年

東上家の三女で可愛らしい女の子。

みんなを笑顔にさせる天使でもある。

喜一は彼女に大好きと言われると隠れて照れる。

 

東上家は皆高校生。

学校の中外関係なく仲良し5人組

 

☆☆☆☆☆☆ 上映 ☆☆☆☆☆☆☆

 

(これは、5人の微笑ましい物語です。あ、ほんとほんと微笑ましい兄妹のお話です。)

 

喜「あ?なんかいったかこら……?」

 

未「どうしたの?そんな何もないとこに話しかけて、喜一お兄ちゃん気持ちわるいよ?」

 

喜「気持ち悪いって言うな気持ち悪いって!」

 

未「だって、気持ち悪いじゃない。うち、変なこと言ったかな?」

 

喜「あー……、うぜえ。ちっ」

 

美「こーら、うざいとか言わないの!お兄ちゃんなんだからいい加減その口調やめたら?」

 

喜「う、うっせーよ!仕方ねえだろ……?この口調のことは……」

 

梨「お兄ちゃん?大丈夫?梨花はどんなお兄ちゃんのことも大好きだよ!」

 

喜「?!あああああ!やべー!」

 

未「あ、逃げた。まあ、いいか」

 

美「ふふっ、ほんと梨花のこと大好きなんだねー」

 

礼「なんか、変な奇声あげてトイレに閉じこもったんだけど……。また?」

 

美「いいんじゃないの?梨花が大好きだってことでしょ?」

 

礼「まあ、自慢の末っ子だもんな!」

 

梨「末っ子?うん、自慢のお兄ちゃんとお姉ちゃん達だよ!梨花にとっても!」

 

礼「ああ、やっぱりかわいいなー……」

 

未「ねえねえ、そんなとこでデレデレになってるとこ悪いけど……。もう少しで時間だよ?」

 

美「!ほんとだ!急いで、皆食べて!ほら、礼司兄も食べて食べて!」

 

礼「梨花!喜一を呼んで来い!早く!」

 

梨「はーい!喜一おにーちゃーん!」

 

未「ごちそうさまでしたー……。やっぱり、お姉ちゃんのご飯美味しいねー」

 

美「それは、良かった……。でも、今何時?」

 

未「えっと、あと40分で遅刻決定だね」

 

礼「!?無欠席無遅刻が!やばい、俺はご飯いらないから!」

 

美「今、なんて言った……?礼司兄……?ご飯はちゃんと食べる!残してもいいから食べなさい!」

 

礼「!?は、はいー……」

 

美「たく、もう……。ほら、喜一もちゃんと食べる!」

 

喜「腹、減ってねえんだよ……」

 

美「それでも、食べる!」

 

未「御馳走様でしたー……。はー、お腹いっぱい……。あたし、先にいってるよー」

 

美「ちょっ!ああ、もう私も食べないと!」

 

喜「ごちそーさんでした!俺も、遅刻やだから行くわ!」

 

礼「御馳走様でした……。美琴、俺は待ってるから一緒に行こう?」

 

梨「梨花も待ってるよ?だから、急いで食べてね……?」

 

美「ほんとに、ごめんね……? よし!御馳走様でした!」

 

礼「は、はや……。なんていう早業……」

 

梨「たったの5分で食べ終わったよ……?」

 

美「だって!二人を待たせるわけにはいかないもの」

 

礼「ああ、食器洗うのは後にしよう。遅れてしまう」

 

梨「美琴お姉ちゃん!はやくはやく!」

 

美「!はーい。えっと、お母さん、お父さん……。行ってきます」

 

礼「行ってきます……」

 

梨「行ってきまーす!」

 

 

 

美「はー……。着いたー……」

 

礼「楽しいねー……」

 

美「礼司兄……、体力ありすぎじゃないの?」

 

礼「そんなことないよ?これでも、結構お腹痛いんだよ……」

 

梨「大丈夫?お姉ちゃん、お兄ちゃん」

 

喜「だっせーなー……」

 

未「そんなこと、言っといて……。学校着いても待っていたくせに……」

 

喜「そ、それは!ああ、別にいいだろ!何したって!」

 

未「ふふっ、はーい!お姉ちゃん、水飲む?」

 

美「ふふっ、ありがとねー……。あー、お腹痛いっ」

 

喜「だらしねえなー……。体力ないんじゃねえの?」

 

美「うるさい!別にいいでしょ……?」

 

梨「梨花はへーきだよ?」

 

礼「さすが、東上家で一番体力あるね……」

 

未「ちゃんと、時間まで来れたね」

 

梨「うん、いつもランニングしてるから体力ついたみたい!」

 

喜「さすがだぜ……。あ、もう時間だ!俺、戻んな」

 

未「私ももどるねー!3人ともお疲れ様ー」

 

梨「梨花も教室戻るねー!」

 

礼「じゃあ、俺あっち側だから行くね」

 

美「あ、うん。また昼食にね……。さて、今日一日頑張りますか!」

 

礼「……だね」

 

 

 

喜「かー!終わったー!よし、飯だ飯!」

 

未「ごっはんー!ごっはんー!お姉ちゃん特性のオムライスだー!」

 

梨「お腹減った……。早く、みんなでご飯食べたい……」

 

礼「えっと……。今日も俺兄妹みんなで食べるからごめんね?(ああ、早く食べたいよー!)」

 

美「はー……。午前中の授業疲れたー……。さて、テラスに行きますか!」

 

 

 

喜「あ」

 

美「あ、喜一」

 

喜「今出てきたとこ……?」

 

美「そうだよ。喜一も来たとこ?」

 

喜「ああ、そうだよ。なんだ、まだ来てねえのかあいつら……」

 

美「そうみたいだねー……。あ、桜咲いてる」

 

喜「こんなとこに桜の木なんて植えんなっつーの……」

 

美「えー……?きれいだよー?すごくね」

 

喜「そーかねー……」

 

未「……ばあ!」

 

喜「?!び、びっくりさせてんじゃねーよ!」

 

未「へへっ。だって、二人だけで楽しそうなんだもん……」

 

美「そんなことないよ?ん……?その手に持ってるのって……」

 

喜「なんだ?ケーキか?」

 

未「よくぞ、聞いてくれました!」

 

喜「別に、よくぞってわけでもねえだろ。誰だって聞くだろ」

 

未「これね?お姉ちゃんにって!クラスの子達からもらったの!」

 

美「私に……?こんなものもらってもいいのかなー……」

 

喜「え?俺、スルー?スルーかよ!」

 

美「そんな、カリカリしないで……。一緒に食べましょ?」

 

未「はーい!美味しそうだねー……。みんなの好きなの作ってきてくれるなんて嬉しいなー……」

 

礼「これはこれは……。美味しそうなチーズケーキだねー」

 

未「あ、礼司お兄ちゃん!」

 

梨「あー!梨花の大好物ー!」

 

美「はいはい、皆落ち着いて?これは、あとで食べようね?」

 

梨「はーい!美味しそうだなー……」

 

喜「確かに、うまそうだ……。早く、食べちまおうぜ!」

 

礼「じゃあ、皆用意は出来てるね?皆、手を合わせて?」

 

皆「いただきます!」※出来れば声を合わせてください

 

喜「かー!うまそー!さすがは東上家長女の昼飯だな!」

 

未「うん、おいひいよ!」

 

梨「うん、おいしー!お姉ちゃんのオムライス好き!」

 

礼「こんな、美味しいご飯食べれるなんてどんなに幸せなんだろうか……」

 

美「そんな、大げさな……。ただ、お母さんのレシピを参考にしただけだよ?」

 

礼「母さん……」

 

未「お父さん……」

 

梨「うっ、お母さんっ、お父さんっ……」

 

喜「……、もうこの話はやめにしようぜ!話してても辛くなるだけだっ……」

 

未「あんたも泣いてんじゃない!」

 

喜「う、うっせー……」

 

美「ほら、皆、そんなしんみりした空気にならない!笑って!ご飯が不味くなっちゃうでしょ?」

 

礼「そうだな……。俺たちがここにいれるのも母さんたちのおかげなんだしな……」

 

未「あ、あたしは泣いてない!」

 

喜「わ、わかってるよ!ちょっと、待ってろ!」

 

美「ほら、梨花も泣かない。可愛い一番末っ子がそんな顔してどうするの?笑って?」

 

梨「!うっん、笑うっ!」

 

美「はいはい。一番上の礼司兄がしっかりしないでどうするの!食後にはデザートだってあるのよ?

  この、ケーキを作ってくれた子たち、きっと頑張って作ってくれたんだと思う。だから、それに答えないでどうするの!」

 

礼「そうだよね……。よし!皆、笑顔で食べよう!」

 

喜「いただきますっ……」

 

未「!あ、あたしも改めて……。頂きます!」

 

梨「おいしーねー!」

 

美「うん、美味しいっ。ありがとう、お母さん……」

 

 

 

喜「はー……。くったー!じゃあデザートはー……。俺が先にっ!」

 

未「ダメに決まってるでしょ?これは、年下からって毎回毎回言ってるのに」

 

喜「うっせーな!いいだろ?誰からでも!」

 

美「じゃあ、梨花が最初で次に礼司兄さん、その次が喜一で、その次が未来。最後に私で選ぼ?」

 

喜「ま、まあ、こいつじゃないから別にいいけど……」

 

未「え!なんで、喜一お兄ちゃんがあたしより、先なのー?」

 

美「今回はね?次は皆に平等に分けさせてあげるから」

 

礼「じゃあ、梨花。選んでいいよ?」

 

梨「じゃあー……。梨花はこれ!」

 

礼「え?いいの?それで……。一番小さいやつだよ?」

 

梨「うん、大丈夫!だって、皆に大きいもの選ばせてあげたいから!」

 

礼「梨花はホントいい子だねー……」

 

未「梨花ー!さすが、あたしの双子!」

 

喜「!梨花ー……。お前、ホントいいやつだよな!」

 

美「ほんとにいいの……?好きだよね?」

 

梨「うん、でもお姉ちゃんがきっと、梨花の好きなガトーショコラ作ってくれてると思うから!」

 

美「!……か、感の鋭い子。確かに、昨日みんなのために作ったけど!」

 

梨「匂いでわかったよー?」

 

礼「それは、それは、なんと嬉しい響きだろうか。ありがとう、美琴」

 

喜「まじで?!俺の大好物じゃねえかー!」

 

未「それ言ったら、あたしもなんだけど……。ほんとにいいの?」

 

美「うん、ほんとは隠してたんだけどね……。皆がこの学校に通えるなんて嬉しいからついね?」

 

未「お姉ちゃん!ありがとー!」

 

喜「美琴、サンキューな!かー!俺のガトーショコラちゃーん!」

 

梨「梨花は!それの一番大きいやつ食べる!」

 

礼「ほんとに、ありがとね。僕らのために……」

 

美「大丈夫!だって、私は東上家が……。兄や弟、妹たちが大好きだから!」

 

喜「!は、恥ずかしいこというんじゃねえよ……」

 

未「あたしも!あたしも、お姉ちゃん達大好きだよ!」

 

礼「僕だってみんなが大好きだよ……」

 

梨「梨花も!梨花も大好き!」

 

美「!……。ありがとう。ほんとに、ありがとうね」

 

礼「じゃあ、気を取り直して……。俺はこれを……」

 

喜「じゃあ、俺はこれ~!」

 

未「うーん、あたしはこれかなー……?」

 

美「じゃあ、最後に残ったものを私が……。」

 

礼「じゃあ、もう一度……」

 

皆「いただきます!」

 

 

 

喜「あー……。食った食った!」

 

未「もー、だらしないよー?」

 

梨「今夜のデザートはガトーショコラ~。ふふっ」

 

礼「ああ、あんまりはしゃぐと危ないよー……?」

 

美「……。ほんと、今日も笑っていられたな……。あ、未来!」

 

未「んー?どうしたの?お姉ちゃん」

 

美「同じクラスの子にありがとう、美味しかったって伝えてくれる?皆で美味しくいただきましたって」

 

未「うん!わかった!伝えとくね!」

 

美「じゃあ、席に戻ろうか……」

 

未「はーい!」

 

美「ほんと、この5人で一緒にいられてよかったよ……」

 

(ほんとに、その通りだ。もし、この5人の誰かが、離れてしまったら誰ひとり笑顔ではいられない。一人一人が大切に思っているからこそ、この5人は笑顔でいられるのだ。)

 

美「!……、ほんとその通りだね」

 

礼「美琴……?どうかした?」

 

美「ううん……。なんでもないよ!」