ふたり芝居 第2回公演「シンキングブルー」 23日夜公演 | ゆるりとしましょ

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翌日の2日目の夜公演の為に無事会場入り。
ロビーに飾られた絵が前日と違う気がして写真を撮って着席。
あとで調べたら、上演前にあった絵と上演後の絵が違ったとのこと。それも、昼夜の結末に
合わせて、上演後は2種あったとか。だから、自分が見た絵と違って思えたのか、と納得。
ちなみに、初日の昼公演後に飾られていたのは、22日の昼公演ブログでサムネに使用した

花の絵の中心が汚されたものでした。(汚された絵画の写真だけ撮っていなかったという)

 

さて、前座のシナリオは初日と同じ。配役が逆になってて、その辺りのことは前の記事の方に
少しだけ書いてあるので割愛で。

 

23日夜の配役
オリバー:興津くん  スタンリー、画商役、記者役:樽さん


快活なしゃべり口調の根明っぽい兄オリバーって感じの興津くん。スタンリーを呼ぶ時、

スタンと口にするんだけど「ス、タ、ン」と音を切って発音すること数回。

親しみを込めた感じだったり、気を向かせる時にワザと口にしてるんだろうなぁって言うのが
なんとなく読み取れる。

 

少し知己のある感じに聞こえた樽さんのスタンリー。十代の幼さもあるけど、純真無垢って言う
イメージよりは静かに物事を見つめてる感じ。

2人の作るキャラクターの色がそれぞれ違ってて、配役を公演日で交換した面白さが
ここにも表れてたかと。両方拝めて幸運でした。

細やかな演技を何度も見せてくれる樽さん。治療を受け目が見えた瞬間、
まぶしそうにして眼を細めたり、言いよどむのに小さく息をついたりと、
観ていて、聴いていて、心配りされてるなぁと感じる瞬間が何度もありました。

そして物語の結末が違う件。
目が見えるようになったスタンリーが酷評されるまでは同じ。
その直後、兄の病気が発覚。余命半年だと知らされて、一緒に海を見に行く流れに。
海を訪れる前にオリバーがスタンリーに頼んだのは自分の若い頃の顔を描いて欲しいということ。
描かれた絵を手元にして、オリバーが語り始めたのは、2人の過去の話。
子供の頃、雪の日に2人で遊んでいてスタンリーを見失い、見つけた時には気を失い
雪の中に倒れていた。命はとりとめたものの高熱を出した所為か、スタンリーは視力と記憶を
失っていたという。スタンリーは生まれながらの盲目ではなかったというのです。
 

目が見えなくなった原因が自分にあると考えてたであろうオリバー。
ただスタンリーへの贖罪だけが自分の行動理由だったわけではない。家族として愛していたから。
支えることに苦痛を感じていたわけではないと明かします。
 

海を眺めながらスタンリーのそばで息を引き取ったオリバー。

 

この結末を前に泣かないわけはなく。マスクをしてて本当に良かったと秘かに思った次第。
2人のやり取りがとても自然で感情的になところ、理性的なところが混じり合い、
ピアノとチェロの音の相乗効果もあって、とてもいいものを体験出来たなぁと思っております。

 

スタンリーの台詞で「空の色を僕は見た事がある気がする」って言ってたのは、たぶん、
この結末の伏線だったのかなぁ

 

本編終了後、カーテンコールがあって、樽さんと興津くんで話してたんだけど、
グッズの紹介が回を重ねるごとにうまくなる興津くん。時々、冗談を口にしながらも

ウラ話的な雰囲気で、今回の出演オファー時のことを明かしてくれました。
 

樽さんからオファーが来て、二つ返事で快諾したらえらいことになった、と。
4回公演で日によって配役が変わり、昼夜で結末が変わるという、変わった仕様で
毎回初公演な気持ちで色々ドキドキだったと。
大変だっただろうけど、色んな彼らが観れたので私的には幸せでした。

あと、「昨日(初日)のスタンは可愛かったんだよ」と自ら言ってた興津くん。
うん、興津くんのスタンは可愛かったです。本当にそう思う。

世代が似てる2人だから気の置けない空気感でフリートークをしてたし、
演技中とはまた違う雰囲気が垣間見えて有難いって思ったです。
2度目のカーテンコールのあと、スタオベしたんだけど、私も躊躇なく立ち上がれました。
 

樽さんが共演者の興津くんやスタッフさん達と丁寧に作ってきた、今回の朗読劇企画。
願わくばまた見てみたい。そう思わせてくれる充実した時間となりました。