関東土木保安協会です。
なんだか最近この企画を書くたびに環境調和型鉄塔ですね。
こちら、北本市役所近くの住宅街をうろうろしていると、何やら緑の触角のようなものが見えました。
天沼線や南葛線の埼玉特有のポップな緑色鋼管柱をイメージしたところ、やはりそうでした。
この、非自然的なカラーリング、周囲と調和しようとする無機物の努力感あって嫌いではありませんよ。
好きでもないんですが。
色合いは、天沼線や南葛線よりかはエメラルドが強く、少しだけ毒々しいですが、塗装もあまり時間が経っていないのか美しい状態です。
このふんわりしたイメージは、腕金のカーブが生むのでしょうか。
確かに、中部電力のこれとか、まっすぐなH綱を並べただけですし、この子は随分と柔らかいです。
腕金4本で北本線2回線を引き下ろします。
下段にも準備工事の腕金が3本あります。
こちらはブッシング準備がされていないようにみえるので、恐らく北本変電所はスルーの計画線なのでしょう。
それにしても、何が気になるって、この3本の足です。
引留鉄塔なので、片側への張力が大きくなります。
足腰しっかりと鍛えておかないとですね。
足元は芝生となっています。
そのにこの鉄塔の足。
何やら公園の遊具というか、太陽の塔の空気というか、近未来レトロ感あって独特の雰囲気です。
小さいドアがあります。
点検口でしょう。
ドアノブ脇には線路名を取り付けることができる台座も見えます。
始点側にプレートがあるので、こちらは無いということですか。
こちらが変電所です。
コンクリートの箱が鉄塔の隣に建っています。
壁面はどこかの博物館を思わせるような、凝ったデザインです。
芝生はきれいですが、花壇は何も咲いていませんね。
こちらはその入口です。
マンホールには配電線が埋まっているでしょう。
蓋には東京電力の旧CIが書いてあります。
ということは、意外と古いということでしょうか。
マンホール脇に何やらプレートがあったので見てみると、酸欠の注意を促す注意喚起表示でした。
皆さん、危険場所特別教育を受けていますから大丈夫ですよね。
若番方から見上げてみます。
こちらからみても独特な雰囲気ですね。
鉄塔下にはトラフがあり、建屋まで続いています。
ここを引き込んだ特高線が通っています。
もっとズームしてプレートを頂きます。
気になる建造年は、1977年の9月でした。
案外古いですね、今年で41歳ですか。
高さは42mです。
鉄塔の腕金には、ちゃんと引き込んだ鉄塔から至る先が書いてあるプレートも。
地面近くではよくみますが、こんなところにも貼っていました。
隣にも同じような触角くんがいたので見に来ました。
8号鉄塔で、普通の耐張鉄塔です。
GWのカーブ具合といい、これぞ私が勝手に影で呼んでいる「埼玉仕様」です。
ただでさえ昆虫臭い組み方と色合いにして、中央に多足類の如く並ぶガイドレールが、まさに虫であることを主張しています。
下から見上げると、もう昆虫のマクロ写真の如く。
うねうねしながら逃げ出しそうです。
ガサガサガサーッ!
パタパタパターッ!
きっと近くでみると、貴方も巨大昆虫に襲われる悪夢を体感するに違いない、そんな「翔びそうで翔ばなそうな埼玉」な、北本線8,9号なのでした。