IHクッキングヒーターは、電磁誘導の原理を利用し、所定の種類の金属製の調理器具自体が発熱することで調理することができます。
電力により加熱を行うため、燃焼を伴わず、火事のリスクを大幅に軽減できます。
IHクッキングヒーターの上手な使い方
調理器具を選ぶ
IHクッキングヒーターでは、使用できる調理器具と使用できない調理器具があります。
選ぶポイントは、「素材」「大きさ」「鍋底の形状」です。
・素材
鉄、鉄鋳物、鉄ホーロー、ステンレス(磁石が付くもの)、多層鍋(磁石が付くもの)です。
多層鍋は、種類により火力が弱くなることがありますので、鉄やステンレスの素材がおすすめです。
ホーローの鍋は、表面に釉薬が焼き付けてあるので、空焼きしないようにしてください。
表面が溶けて、破損の原因となることがあります。
オールメタル対応のIHクッキングヒーターであれば、銅やアルミのなべも使用することができます。
・大きさ
鍋底の直径が大きすぎると、熱が効率よく伝わらなくなります。加熱面と同じくらいの大きさを選ぶようにしてください。
おおよその大きさとしては、12~26cmの鍋が熱を効率よく伝えることができます。
また、三口コンロの場合、後方のコンロは加熱面が前方より小さくなっていますので、12~18cmで選んでください。
・鍋底の形状
IHクッキングヒーターは、電磁誘導により金属に電気を流し、金属の電気抵抗で熱を発生させています。そのため、加熱面と鍋底(金属)が密着する必要があり、底が平らなお鍋を選ぶことが必要です。
底が剥がれている鍋や一部が変形している鍋などは、トッププレートの破損の原因になりますので、使用しないようにしてください。
圧力鍋や無水鍋などは、調理時間を短縮できるので、購入の際に検討してみてください。
調理で節約する
・鍋底の水分を拭き取る
鍋底がぬれていると、鍋底の水分を蒸発させるために余分に熱が必要となります。
鍋底の水分を拭いておくことで、効率よく熱を使用できます。
・余熱をしない
IHクッキングヒーターは、火力が非常に高く、熱もすぐに伝わります。
鍋やフライパンに食材を入れた状態から調理開始して大丈夫です。
・フタや落し蓋を使う
鍋にフタをすると、空気中に熱が逃げることを防ぎ、鍋に伝わる熱を有効に利用することができます。
煮物を作る際に落とし蓋を使うと、食材が早く煮え、味も染み込みやすくなります。
・予熱を利用して保温調理する
保温効果の高い鍋を使用することで、余熱を利用して料理を仕上げます。
煮物などは煮崩れを防ぎ、ゆっくりと温度が下がっていく過程で味も良く染みこんでいきます。
保温効果の高い鍋がない場合は、毛布やバスタオルでくるむことで保温することができます。
・1つのコンロで2つの鍋を同時に保温
IHクッキングヒーターについている保温機能は、料理を温かい状態に保ってくれる便利な機能です。
1つのお鍋を1つのコンロで保温するのが通常ですが、熱伝導の良い調理器具であれば加熱面の一部に触れているだけで十分に保温することができます。
IHクッキングヒーターのお手入れ
・トッププレートのお手入れ
[軽い汚れ]
絞った布で拭き取ります。
[油汚れ]
薄めた中性洗剤をしみこませた布で拭き、きれいな布で洗剤が残らないように拭き取ります。
[取れにくい汚れ]
汚れにクリームタイプの磨き粉をつけ、丸めたラップやアルミ箔で汚れをこすり落とします。
きれいな布で、磨き粉が残らないように拭き取ります。
調理の前に鍋底の汚れを拭き取ることも、取れにくい汚れの予防になります。
・排気口(グリル)
洗剤を付けた布で拭き、きれいな布で拭き取ります。
割り箸に布などを巻き付けたものを使用すると、汚れが取りやすくなります。
排気口の中に布を落とさないよう、巻き付けた布は強く縛るようにしてください。
・排気パネル・排気口カバー
洗剤で洗い、流水で洗い流します。
・脱煙・脱臭メタルフィルター
洗剤で洗い、流水で洗い流します。
汚れが取りにくいときは、油汚れ用の住宅用合成洗剤で10分程度、浸け置きする。
流水で洗い流して、汚れ残りを洗剤を付けたスポンジで洗う。
・本体操作部・周辺
よく絞った布で水拭きする。
・スライドレール・グリル皿ホルダー
洗剤を付けた布やスポンジで拭き、きれいな布で拭き取ります。
・フィルター
洗剤で洗い、流水で洗い流します。
IHクッキングヒーターを長持ちさせる
IHクッキングヒータの耐用年数は、約10年と言われています。
ですが、適切な使用をすることで、寿命を延ばすことができます。
・吹きこぼれをさせない
吹きこぼれた湯が内部に入り、内部基板を損傷することがあります。
・トッププレートに急激な温度変化を与えない
トッププレートは、耐熱性の高いガラスが使用されていますが、あまりに急激な温度変化があると割れたりヒビが入ったりすることがあります。
・トッププレートに衝撃を与えない
トッププレートに使用されているガラスは、熱には強くても衝撃には強くありません。
上から物を落とす、トッププレートの上に乗る、手をついて体重をかけるなどの衝撃や負荷がかかると、割れたりヒビがはいる原因となります。
・空焚きしない
空焚きすると、加熱面と鍋底が高温になり、トッププレートのガラスが破損する原因となります。
・トッププレートのガラスが破損したまま使用しない
ガラスが破損していると、水分がこぼれた場合に内部まで漏れることがあります。
内部部品の故障につながりますので、破損したまま使用しないでください。
IHクッキングヒーターは、「掃除がしやすい」「キッチンが暑くならない」「火を使わないので安心」「火力の調整が簡単」とメリットがたくさんあります。
「煮崩れしない加熱」が出来たり、オーブン料理が出来たりと、機能も充実しています。