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発達障害の当事者さんのお悩みとして「親御さんが自分の障害を認めてくれない」というケースは、決して少なくありません。この障害は目に見えないだけに、親にとっても複雑な心境を引き起こします。今日は、このあたりについて僕自身の経験を元に記事にしますね。

これまでも何度か記事にしていますが、
僕も長男の障害を4年近くに分かって否認してきた親の一人です。

当時の僕の思いを書くことで、
今このことに悩む当事者さんには、
親の側の気持ちを少しでもお伝えできれば
とも思います。

また、今の僕の心境を書くことで、
障害受容できない親御さんにもお伝えしたいことがあります


【当事者さんにお伝えしたい、ひとつの親の愛情のカタチ】
僕の場合は、その4年間も子育てには協力的で、
また長男との相性もよくパパっ子であったのですが、
そのことが、障害否認を強化していたように思います。

妻は早くから子どもの発達障害を疑っていて、
でも病院に行く踏ん切りがつかずに、思い悩んでいる様子でした。
長男がまだ2歳半の頃に、口火を切ったのは僕の方です。
「そんなに悩むのなら、
 病院に行ってハッキリさせた方がいいのでは?」
と勧めたのを覚えています。
そうして受診したのに、二転三転のドタバタがあったのですが、
結果として、「自閉症ではない」という診断が下りました。

しかし、妻は納得できず、
その後も悶々とした日々を過ごす事となりました。
ぼくにしてみれば、清水の舞台から飛び降りるくらいの決意で、
病院に行かせて、違うという診断が出たわけですから、
否認の気持ちはさらに強くなりました。
「ほうら、やっぱり違っただろう。」
この子には障害などというレッテルを貼らずとも、
周囲の工夫次第で、成長できるし、伸びて行ける

といった気持ちでした。
「結果は出たのに、いつまでクヨクヨしているんだ」
などと思っていたひどい夫でした。

しかし、言い換えるなら、
僕もあいまいな診断に振り回された一人とも言えます。

子を思う気持ちに変わりは無いのですが、
やはりわが子に障害が有るとは認めたくない親心も有りました。
その頃の心情を語るなら、「そんなこと信じたくない
といった方が的確であるように思います。
誰しもが、愛するわが子には
障害など有って欲しくないと願うのも、これまた事実
です。

こうした状態は、ひょっとしたらゆがんだ親の愛情かもしれません。
でも、わが子の事を愛しているからこそ、
そう易々とは子どもの障害を受け入れられなかったのです。
愛していれば、愛しているほど、
受容には時間がかかるのだと思います

ここは当事者さんに、親の心情としてお伝えしたいところです。
親御さんが、あなたの障害を受け入れられないのも、
それもまた、親の愛情であると、申し上げたいのです。

【障害受容をした今、親御さんに申し上げたいこと】
でも、その4年後に妻が半ば強引に、専門医に連れて行き、
そこで長男は「特定不能の広汎性発達障害」という診断を受けます。

そして、今、僕が思うことです。
あれだけ長い間にわたって否認を続けた僕ですが、
今も否認を続けてらっしゃる親御さんに申し上げたいのは、
あのまま、自分がもし長男の障害を否認し続けていたなら、
 この子は一体どうなっていたのだろうか

という思いです。
想像しただけでも怖いです。
きっと、僕は彼を二次障害に追いやっていたことでしょう。

ここで申し上げたいのは、
親御さんが否認しようとどうであろうと、
今そこに居るお子さんの状態に変わりはありません。
目を瞑っても、お子さんには困難があるのだし、
見なかったとしても、障害特性は消えません。
結局、困っているお子さんの本質が変わることはありません


お子さんにしてみれば
自分はこんなに困っているのに、
 親ですら、そんな自分を理解してくれない。
 受け入れてくれない。

と、苦しみは、二重苦三重苦となっています。
この障害が有ると、社会や周囲から中々受け入れてもらえず、
いつも孤独感にさいなまれることが多いです。
それなのに、親ですら自分の実態を受け入れてくれない。
こんなにつらいことが、この世にあるのでしょうか


ただでさえつらい発達障害の特性と困難です。
自立していくためには、大きなハードルが待ち構えています。
そこを当事者さんが、一人で乗り越えなければならないとしたら、
それはつらいつらい道のりです。

僕は、何人もの成人当事者さんを見てきましたが、
やはり親御さんの障害受容が進んでいる方の方が、
元々持ち合わせている二次障害の重さも軽いし、
また二次障害を抱えていたとしても、そこからの回復も早いです。

もし障害を認めてしまったら、
 子どもは障害に安住し、
 自立が遠のくのではないか

とご心配をされるなら、
それは全くの杞憂であるとお伝えしたいです。
むしろ、親から認めてもらえない方の方が、
ずっとずっと自立の道は遠い
です。
これは僕の見てきた経験則から間違いありません。

どうか、まず、お子さんの在りのままの状態を受け入れていただき、
一緒に抱える困難を解決する道を、
共に歩んでいただきたいと願います。

抱える困難をはさんで、
親子がゆがみ会うのではなく、
何とか手を取り合って、問題解決に協力していただきたい


そんな思いで、今日の記事を書きました。
障害否認をはさんで、
お子さんは親御さんの心情を、
親御さんはお子さんのつらさ・悩みを知って、
共に協力し合う道を選んでいただけないかと願っています。

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