70代後半 女性(9月半ばに来店)
<症状>
夏の疲れなのか体がしんどい。日課にしている朝の体操も休みがちである。外出も気が進まない。この2週間ほど食事がおいしくない。食事量が減った。もとより体重が少ないのでこれ以上減らないよう何とか食べるようにしている。滋養強壮のドリンク剤を飲んでみたものの変化は感じられない。
<その他の症状>
口が渇く(ごくごくとは飲みたくない)。便はコロコロ便。口内炎ができやすい。
<治療経過>
体に必要な水分(津液・しんえき)を補う漢方薬を10日分お出しした。
10日後、倦怠感は変わらないが食欲は回復してきた。
同じものを10日分。
少しやる気が回復し、朝もすっきり起きられるようになった。夕方~夜になると疲れが出てくるが。食欲が回復すると同時に、食事の支度をする元気が出てきた。
さらに10日分。
全体的に元気が出てきた。初回来店時とは比べ物にならないくらい。口渇も治まってきた。
1週間分をのみ切って終了。
<考察>
このところは年々夏の暑さが増しているような感じがします。
夏は暑さで汗をかくため体の大切な水分(津液)が消耗します。また外の暑さと冷房中の室内の温度差に体が適応しようとすることで疲労します。さらに冷たいものの飲食が多くなり、胃腸が疲労してしまいます。
以上のどの部分の疲労かによっても漢方薬はちがってきます。
この方は津液を消耗した症状(口渇、コロコロ便、口内炎)が強く現れていたため、補う漢方薬をお出ししました。
毎年夏が終わると疲れが出てしまう方は、夏の間お体に合った漢方薬をのんでみてもいいですね。
※同じような症状であっても、合う漢方薬は同じとは限りません。自己判断による服用をさけるため、漢方薬の名前は記していません。