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漢方とアトピー

漢方薬専門 元気堂薬局のブログです。
「アトピーの漢方治療」を中心に、思いつくままに書いていきます。
当薬局では、中医皮膚病学をベースに、日本漢方のエッセンスを加え、日本人の体質に合わせて漢方治療を行っています。

こんにちは。

今回は、アトピー性皮膚炎ではなく、他の皮膚疾患である「皮脂欠乏性湿疹」についてです。

漢方治療においては、アトピー性皮膚炎と類似する部分も少しあります。

「皮脂欠乏性湿疹」は、「乾皮症」「ドライスキン」「乾燥性湿疹」などとも呼ばれ、皮膚表面の皮脂膜が欠如し、角質の水分も減少して、乾燥を生じてしまう病気です。小型の鱗屑が多数みられます。

さらに、皮脂分泌の減少、セラミドや天然保湿因子の減少に伴い、バリア機能の低下がみられます。特に高齢の方は、ドライスキンになりやすいため、日頃からのケアが大切になります。

漢方では、皮膚の正気不足を原因の基本とし、気、血、津液、精を補う治療をしていきます。瓊玉膏、麦味地黄丸、六味地黄丸、当帰飲子、四物湯、八珍湯・・・等々、多くの処方が用いられますが、アトピー性皮膚炎同様、その方の皮膚の状態や体質、悪化条件、随伴症状などから、きちんと漢方的に判別し、的確な処方をセレクトすることが、治療の早道となります。