【新馬戦】週末デビュー馬の募集時評価は? | カンパイ氏の一口馬主ライフ

カンパイ氏の一口馬主ライフ

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ライター。一口馬主ライフを楽しむため、2020年からブログ開設。これまで、クラブ誌や有名競馬ブログにも寄稿してきた。独自の分析方法を確立し、毎年主要クラブの募集馬を分析している。

みなさま、こんばんは。

カンパイ氏です。

 

 シルクホースクラブの募集馬検討、進んでいますか?私も絶賛分析中。20日(土)からいよいよ募集開始ですが、「全頭完全評価(レビュー)」のリリースは23日(火)までかかりそうです。少しお待ちください!

 

 そして、今週もたくさんのクラブ馬がデビューしてくれます。いつものように、私が募集時に書いたレビューの内容を振り返っていきましょう!(※青字がレビュー部分

 

■土曜札幌5R(ダ1700メートル)

・アローオブライト

63アドマイヤアローの22 ▲右近位指節間関節感染性関節炎により関節洗浄

(ヘニーヒューズ、ワークフォース、牡、鹿毛、2月23日、60,000円、3,000万円、渡辺薫彦)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】C

【コスパ値】C

【総合評価】C

 母8歳時の3番仔。牧場は本馬の下も含めてなんと4年連続で母にヘニーヒューズを付けている。ミスタープロスペクターを持たない母に、どうしてヘニーヒューズを付けたいのか私的にはよくわからないが、生産者としてのこだわりは尊重したい。馬体の造りとしては、右前肢の湾曲が少し気になった。後肢の緩さは目立たず、成長は早めだろうと思う。ただし、肝心のトモの容量が水準を大きく下回る点を看過できない。価格についても、兄姉がセレクトセールで3000万円代の値が付いていることを念頭に置いた設定だと思うが、本馬の出来を考えると割高感が否めなかった。私の基準ではオススメするには至らない。

 

・モレポブラーノ

73ハラペーニョペパーの22

(マインドユアビスケッツ(ゼンノロブロイ)、牡、栗、04/21、4,000万円、100万円、庄野靖志)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【コスパ値】B

【総合評価】B

 母系は優秀で、いつ活躍馬を出してもおかしくないと思う。父とのカップリングとなったことで、狙うはダート路線に絞られた。馬体を見ても歩様にほどよい硬さがあり、馬格もあることから、しっかり狙い通りに出た印象だ。四肢は丈夫そうで、大きな馬体をちゃんと支えてくれるだろう。緩さがある点は今後調教を積みながら改善しないと、踏ん張りが重要なダート戦での活躍は難しくなるだろうが、そこは牧場、調教師の腕に期待だ。トモの容量は素晴らしく、もう少し値段が安ければ【総合評価】はAランクとした。それでも、ダートの番組が充実したこともあり、十分狙いが立つ馬だ。人気にはならないだろうから、ダート枠で積極的に狙っていきたい。

 

■土曜小倉5R(芝1800メートル)

・グレインワーク

48エスメラルディーナの22 ▲右飛節OCD除去手術

(オルフェーヴル、Harlan's Holiday、牡、鹿毛、2月10日、100,000円、5,000万円、池添学)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】A

【潜在能力値】S

【コスパ値】A

【総合評価】S

 この馬は素晴らしかった。血統面では欧州の芝にも対応できる重厚な父に、米国スピード血統の母系がバランスの良さを生み出している。そして何より、馬体面の出来が秀逸だ。整った四肢、緩さを感じさせない後肢、背中を上手く使った躍動感のある歩様。そして容量の豊富なトモ。どの部分を取ってもお手本のような美しさだ。手術歴がある中で、この値段というのは高く感じるかもしれないが、これは牧場側の自信の表れだろう。芝中距離での大活躍を目指せる器だと思うし、ダートに転じたらどこまで走るのかも楽しみ。父の産駒に久しぶりの芝G1制覇をもたらしてくれるのは、本馬かもしれない。積極的にオススメしたい1頭だ。

 

・オールザレイジ

34オールポッシブルの22

(エピファネイア(ダイワメジャー)、メス、鹿、03/18、5,000万円、125万円、寺島良)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】B

【コスパ値】C

【総合評価】C

 ミスターメロディが留まらずに父とのカップリングとなった。血統的には母系にスピード不足の感があり、父との配合は少し重い印象を受けた。馬体面では、右前肢の湾曲が少し気になった。後肢も緩く、仕上がるまでには少し時間がかかりそうだ。トモの容量は水準をやや上回るものがある。じっくり鍛えていって、トモがどんどんパンプアップしてくるようであれば、あるいは活躍も見込めるかもしれない。ただし、どちらかというと堅実さを売りにするタイプに映る。その割には値段が張るので、ここはぐっとこらえて、他の馬を検討した方がいいんじゃないか、というのが私の結論だ。

 

■土曜福島5R(芝2000メートル)

・ヴィジョンメーカー

122タッチングスピーチの22

(ルーラーシップ(ディープインパクト)、牡、鹿、02/17、6,000万円、150万円、林徹)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】A

【潜在能力値】S

【コスパ値】A

【総合評価】S

全兄キングズレインの募集時、私のレビューでは血統面を高く評価した。やはり父母の相性は良い。リッスン系の産駒はスピード不足になりがちで、その点を切れ味がどう補うかが勝負となるケースが多い。その点で、ルーラーシップは最適な相手と言える。馬体を見ても素晴らしい出来だ。四肢は綺麗に整っていて、強い調教にも耐える素養がある。緩さもさほど目立たず、この調子でいけば早期の始動も見えてくるだろう。何よりもトモの容量がすごい。この時期の出来は兄を上回る。馬体が大きく、最終的には500キロを超えてきそうだが、丈夫な四肢に支えられれば問題はないと判断する。ルーラーシップの名声をもう一段階引き上げる、そんな活躍を期待したい。

 

・レッドベルダンス

10ダンシングラグズの22

(レイデオロ、Union Rags、牡、鹿毛、4/8、6,000万円、15万円、手塚貴久)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】B

【コスパ値】C

【総合評価】C

米ダート1700メートルのG1を勝った母の4番仔。かなりの良血だが、母の血統構成を見ると、果たして日本の芝に対応できるか、という疑問が沸く。姉も東サラで募集されたが、ダートっぽい造りだった。本馬は姉よりは芝向きの馬体に出た印象で、四肢の角度が綺麗だったのは良かった。一方で、後肢の踏み込みはまだまだ。馬体がしっかりしていないので、これから大きく育ってくる中で緩さは解消するだろうが、あまり早めから動いていけるタイプには見えなかった。トモの容量は水準をやや下回るレベル。大活躍まで見込むのは酷かな、というのが正直な感想だ。それでこの値段であれば【総合評価】を高く付けることはできない。厩舎人気もあって注目されそうだが、私のレビューでは厳しく採点した。

 

・ファイアリーホット

31サンシャインの22

(ミッキーアイル(ハーツクライ)、牡、鹿、03/12、4,000万円、100万円、和田勇介)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】C

【コスパ値】C

【総合評価】C

アラタ(父キングカメハメハ)の半弟。血統的には母系にスピード不足の感があり、この母の相手としては、もう少し距離の融通が利く種牡馬がよかった。体形を見ても短距離だろうし、踏み込みも浅くダートに出た印象もある。馬体面を細かく見ると、右前肢の外向が少し気になった。3月生まれにしては緩さはなく、仕上がりは早めだとは思う。一方で、トモの容量は不足気味。ダートを主戦場にするであろうことを考えると、もっとパンプアップしないといけない。募集価格が安ければダート枠で一考の価値はあったかもしれないが、この値段ではちょっと手が出ない。見送りが妥当だろう。

 

■土曜福島6R(芝1200メートル)

・アンティジャミーラ

37ピンクアリエスの22

(アルアイン、キングカメハメハ、牝、鹿、1/30、中川公成、2,400万円、6.0万円)

【耐調教値】C

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】C

【コスパ値】C

【総合評価】C

 二つ上の兄ラスハンメル(シルバーステート)が活躍中。兄は【総合評価】をAランクとしたほど出来が良かったが、本馬は馬体に瑕疵が目立った。血統的には及第点を与えられるものの、両前肢の踏み込みが弱々しく、また左前肢に骨瘤と思われる症状も見て取れる。1月生まれとは思えないほど後肢の踏み込みも緩く、仕上がりにはだいぶ時間がかかりそうだ。肝心のトモの容量も不足していて、活躍できるステージが思い浮かばない出来になってしまった。低価格帯ではあるものの、現状の諸要素を勘案すると安くは感じない。2次募集まで残るようであれば、今後の変わり身を見守りたい。少なくとも、1次募集から積極的に狙っていくような馬ではないと思う。残念ながら【総合評価】はCランクとなった。

 

■日曜札幌5R(芝1800メートル)

・ルージュミレネール

20タイムハンドラーの22

(スワーヴリチャード、ディープブリランテ、牝、鹿毛、1/27、2,200万円、5.5万円、斎藤誠)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】C

【コスパ値】C

【総合評価】C

血統面では母系のスピードに物足りなさがある。父の産駒は牧場でも評判だが、母系から切れ味を補完したいところで、本馬については血統面であまり推すポイントがなかった。馬体面では、四肢の整い方が綺麗で、強い調教も課していけると感じた。一方、1月生まれとは思えないほど後肢の緩さがある。成長は遅めだろう。トモの容量も不足していて、これから大きくなったとしも、あまり筋肉が付いてこないのでは、と思ってしまった。値段は牝馬にしては高い印象もある。他の募集馬に魅力的な馬が多いこともあるが、あえて本馬を狙う理由はあまりないと感じる。見送りが妥当だろう。

 

■日曜小倉5R(芝1200メートル)

・セレーネアステール

57ルナステラの22

(ルーラーシップ、ディープインパクト、メス、黒鹿毛、2月8日、60,000円、3,000万円、武幸四郎)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】A

【コスパ値】B

【総合評価】B

 名血ピラミマの孫にあたる。ピラミマとディープインパクトの牝馬は、本馬の母ルナステラとルナシオンがおり、いずれから大物が出現しても驚かない超良血の繁殖だ。本馬は初仔とあって、ルーラーシップとの配合になった。母が小さい馬だっただけに、少しでも大きな仔を産ませようと牧場側も狙ったのだろう。ただ、やはり小さく出てしまった。今後もあまり大きくなりそうもなく、競馬にいって400㌔台前半だろうか。それでも、トモの容量はさすがの良血馬と思わせる。後肢の緩さが顕著なので、時間をかけて仕上げつつ、馬体重はあまり気にせずレースを使えば、あるいは堅実な活躍が見込めるかもしれない。

 

■日曜福島5R(芝1800メートル)

・グリスタン

29エイシンシルダリアの22

(アドマイヤマーズ、キングカメハメハ、牡、栗毛、4月9日、50,000円、2,500万円、高橋文雅)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】B

【コスパ値】A

【総合評価】A

 珍しい血統がラインナップされた。ノーザンファームが外から連れてくる馬は、少なくとも外形的には瑕疵の少ない馬が多い。楽しみにして本馬の動画を見たが、やはり出来は良さそうだ。四肢はしっかり整っていて、強い調教に耐えられそう。4月生まれとは思えないほど後肢の踏み込みも力強く、早めから力を発揮しそうだ。血統面で父は未知数だが、ダイワメジャーの成功例を踏襲すると仮定するならば、少し物足りなさがある。一方で、シングスピールとラーイのクロスがスピード能力を補完すれば、あるいは爆発力につながる可能性も感じた。トモの容量が水準をやや上回る程度なので、大活躍までを期待するのは酷かもしれないが、値段がかなり安いこともあり、しっかり稼げそうという意味で【総合評価】はAランクとした。こういう馬は意外と人気になるので、実績に不安がある人は抽優で検討した方がいいかもしれない。

 

■日曜福島6R(芝1200メートル)

・ヴィンブルレー

22グリューヴァインの22

(ナダル、ゴールドアリュール、牝、栗、3/20、矢野英一、2,400万円、6.0万円)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】B

【コスパ値】B

【総合評価】B

 はっきりとダートを狙ってきたという意味で、牧場側の意図が明確な点は評価できる。ただし、馬体面では特に推せるポイントが見当たらない馬だと感じた。四肢の角度は悪くないのだが、左前肢が若干湾曲していて、気を遣いながらの調整になると思う。緩さも残っており、ダートの番組が充実する秋ごろのデビューを目指すイメージか。トモの容量は水準をやや下回る。ダートが主戦場であれば、もっとマッチョな馬体が良いのだが、線の細さが今後も課題となりそうな馬体に映った。低価格帯ではあるものの、この出来を考えるとお得感はない。ダート狙いの牝馬は、よっぽど出来が良いか、安い馬でないと個人的にもオススメしない。本馬はその基準に照らしても、【総合評価】でBランクとするのが精いっぱいだった。

 

 以上です。今週は何と、土曜の小倉と福島で【総合評価】Sランクの馬が出走します。私はレビューでSランクをめったに付けませんから、レースぶりに注目していただければと思います。とにかく今週もどの人馬も無事に、と祈ります。

 

 それでは、みなさまご武運を!またブログを書きますね。

 

カンパイ氏