出産2日前の真夜中。

唐突に私に離婚を仄めかし、出産後に別居するよう勧める夫。
出産後までそういう話はしないで欲しかったと、呆れ泣く妻。

待望の赤ちゃんを迎える環境とは程遠い、地獄絵図。
裁判が終わってもまだ受難は続いていました。


夫の言い分は…

⚫️私への愛情が以前よりなくなった。赤ちゃんも実感がなく、受け入れられない。
⚫️私がパグに裁判を起こしたり、不倫騒動に義実家を巻き込んだり、夫にとって嫌なことばかりするため、気持ちが冷めてきている。
⚫️子供への最低限の金は払うから、出て行って欲しい。一緒には暮らせない。

というものでした。

出産を間近に控え、出産に対する不安や緊張でドキドキしている私に、
こんなことを言える夫は、本当に酷い男です。


ただこんなことを言い出す理由は分かっていました。
そして多分この時期にこんなことを言われるだろうとも予測していました。

子供が生まれる前の、逃げられると思ったギリギリのリミットで、
全てを捨て、現実から逃げ、責任を放棄しようとする。
自分のことしか考えない夫が、如何にもやりそうなことです。


そこで私は、あるものを夫に差し出しました。


離婚届。


実は密会事件が起きた際に、ゴトー先輩に勧められて用紙を貰っておいたのです。
離婚は勧めないが、用紙は記入してもらい、持っておくのが良いよと、
アドバイスを貰っていたからです。
次はもうないということを言葉ではなく、態度で示した方が効くからと。

ただ用紙は手元にあっても、態度を改め頑張ろうとしている夫に記入をお願いすることが出来ず、
ずっとタンスに入れたまま、保管していました。

まさかこんな時にこれが必要になろうとは。


私は届けを出しながらこう伝えました。

「離婚するのは構わない。ただ子供の父親であることは放棄させない」
「離婚の時期は、私のタイミングで決めます」
「里帰り後にはここに帰ってきます。一緒に暮らしたくないなら、あなたが出て行ってください」

そしてすぐに届に記入するよう詰め寄りました。
心変わりされて、振り回されるのはもう沢山です。


しばらく沈黙が続きました。
その沈黙を破ったのは、夫の一言。

「届は預かっておく。もう遅いから今日は休もう」

届は記入してくれませんでした。


翌日から、また夫は私に気を遣う、優しい夫になりました。
好物のケーキを買ってきて機嫌を取り、空き時間にこまめに連絡をしてきて、
お腹の子に手を当てて話しかけるようになりました。

私が離れようとすると、離婚を撤回して優しくなる。
なのに私が側にいると、離婚を仄めかして冷たくなる。

このやり取りを何度繰り返すのだろう。
結局夫は私と本気で別れる気はないのかもしれません。


出産2日前のこの出来事と、言われた言葉たちは、到底忘れられるものではありませんでした。
これが私の今後に、大きな影響を及ぼすことになったのです。