Question;
 ある交渉事で、すでに1年近く経過していますが、行き詰まっており、まったく進展がありません。

Answer;
 あなたは、交渉相手しか見ていないのではないですか?

 

 交渉において、行き詰った場合の対処法として「バルコニーにのぼれ」というのがあります。

 

 つまり、ズームアウトして俯瞰(ふかん)する(高い所から眺める)
と、相手を取り巻く状況や人物像などが見えてきます。

 

 交渉相手は一人で生きているわけではありません。家庭では家族がいますし、親族や友人、地域の役員さんもいるでしょう。

 

 また、会社では、経営者や上司、先輩や同僚もいるでしょう。その中には、恩人や頭の上がらない人もいるかも知れません。
 
 それらの状況を把握することで、解決の糸口をつかむことができるというものです。

 

 私もサラリーマン時代、同様の状況を経験したことがあります。

 

 某県庁所在地の繁華街のド真ん中に「貸店舗」が出ました。当時、店舗開発担当であった私は「貸してもらうため」現地に向かいました。

 

 ところがオーナーから「すでに借り手が40社以上来ているので、今頃来ても遅い。無駄だ」と素気ない返事です。

 

 当社の社長にその旨を報告したところ「10年に一度出るかどうかの好物件だから、ぜったいに借りろ」と逆に厳命を受けてしまいました。

 

 そこで、次の日からオーナーの元へ、夜討ち・朝駆けで一日に何度も訪問したところ、そのうちに「また、あんたか。もう来るな」と怒鳴られてしまいました。

 

 それでも訪問を繰り返していたある日、オーナーは留守でした。

その時、留守番の女性が「大変ですね」と声を掛けてくれました。

 

 そこで「オーナーさんはお子様やお孫様がいらっしゃるのですか?」と聞いたところ、孫が県下随一の進学校に合格したと言うのです。

 

 次の日「お孫さん凄いですね。〇○高校に合格したそうですね。お孫さんの頭が良いのはオーナーさんに似たのでしょうね」と言いました。

 

 するとオーナーは、私を手招きして自宅に連れて行ってくれました。その後、トントン拍子に話が進み、貸してもらえることになりました。

 

 交渉に行き詰まったら「バルコニーにのぼれ」です。