Question;
 先日、クライアント企業の担当者に最善と思われる提案をしたにもかかわらず「上手く言いくるめられた」と言われてしまいました。

Answer;
 相手のことを考えて、最善と思われる提案をしたにもかかわらず、そのようなコメントが返ってきたのではショックですね。

 しかしそれは、あなたが一つの提案しかしなかったためでしょう。

 一つの提案だけでは、相手は受け入れたとしても「何か押し付けられた」という印象を持ってしまいます。

 あなたとすれば、この案に匹敵するような代替案がなかった、とのことですが、相手とすれば選択肢がなければ選びようがないですよね。

 もちろん、提案したものと匹敵するような代替案があるなら、相手にとっても、最適な提案からの選択になり望ましいことです。

 「AとBのどちらが良いですか?」と選択肢を提示することで、相手の決断を容易にすることもできます。
 
 しかし、常に最適な複数の提案が出せるとは限りません。その場合も、「どうせダメだろう」と自分で「NO!」を出さないことです。

 相手が見劣りのする代替案を「こんなのダメだよ」と言った時に「それでは、こちらはいかがでしょうか?」と最善案を押しましょう。

 その提案で決まった場合、相手は自分が選択したという意識ですので、「押し付けられた」という印象にはなりません。

 つまり、最善案と比べて、かなり見劣りのする代替案であっても、必ず二つ以上の提案をして、相手に選択してもらうように心がけましょう。

 一方、心理学者のBarry Schwartzは、選択肢が多すぎると、相手の思考が麻痺し、ストレスを感じさせてしまうと説いています。

 一般的には、選択肢が多いほど良いとされていますが、多すぎてもダメということで、本件のような場合は二つか三つの提案が望ましいでしょう。