Question; 
 外資系企業に勤めています。「コミュニケーション・ギャップ」は日本人特有のものでしょうか? 

Answer;
 はい、そうです。もちろん日本人だけではありませんが、日本人が最たるものと言われています。

 ほとんど説明もしないで「あうんの呼吸」とか「いちいち言わなくても、そのぐらい察しろよ」などと言うことが通用するのは、日本社会だけなのかも知れませんね。

 確かに、会話の背景や前提が同じで、事細かに説明しなくても分かり合える関係というのは、楽だしお互いに心地よいものです。
 しかし、自分の説明が不十分にもかかわらず、かみ合わない場合には、「頭が悪い」とか「空気を読めよ」などと一方的に相手を批判します。なぜ、そうなるのでしょうか。

 興味深い文化論がありますので紹介します。

 米国の文化人類学者のエドワード・ホール(1914年ー2009年)が、著書「Beyond Culture(文化を超えて)」の中で、世界の文化を「高コンテクスト社会」と「低コンテクスト社会」に分類しています。

 「コンテクスト」というのは、言語、共通の知識・体験、価値観・ロジック、嗜好性などを指します。

 その中で、何と、日本人社会は世界一の「高コンテクスト社会」と分類されています。

 日本の場合、地政学的(島国)なこともあり、異民族との混合が少なく、言語や価値観も同一の民族ゆえに「高コンテクスト社会」なのでしょう。

 それゆえに「コミュニケーション・ギャップ」が生じやすいのです。

 日本人同士でも、世代の違いにより「コミュニケーション・ギャップ」が生じます。共通の体験が少なく、会話の背景や前提が異なるからです。

 それゆえ、外国の方や世代の異なる相手に対しては、事細かに説明しないと伝わらないことが多々あることに気づいてください。

 ちなみに「高コンテクスト社会」なのは、(高い順番に)日本、(当
時の)中国、アラブ諸国、ギリシャ、イギリス、スペインなど。

 逆に「低コンテクスト社会」なのは、(低い順番に)ドイツ系スイス、ドイツ、スカンジナビア諸国、アメリカ、フランスなどです。