ガラ劇 第二十五弾公演
『ガラ版元寇』Team B 出演
2024/02/07(水)-2/12(月)
脚本・演出 ガラ林
〔あらすじ〕
元寇とは
日本の鎌倉時代中期(1274 年・1281 年)に
モンゴル帝国(元朝) および 属国の高麗によって
2 度にわたり行われた対日本侵攻である
(蒙古襲来等と呼ばれる)
中国人の父と日本人の母の間に生まれた和藤内(わとうない)は
海賊として九州一帯を仕切る悪党だったが
元寇により日本に味方し神風を起こす
日本がなぜ元に屈しなかったか?を描くガラ版スペクタルロマン作品
〔会場〕
中板橋新生館スタジオ
〒173-0016
東京都板橋区中板橋19-6
ダイアパレス中板橋B1
池袋駅から東武東上線各駅停車に乗車し4つ目の駅名で下車。
北口改札を出て徒歩2-3分。
〔出演者〕
2月9日(金)14:00【B】🔥 /19:00《A》
2月10日(土)14:00《A》/19:00【B】🔥
2月11(日)13:00【B】🔥 /17:00《A》
2月12(月・祝)12:30《A》/16:30【B】🔥
※《B》🔥←出演チーム
〔スタッフ〕
照明 志佐知香(FictiF)助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】
https://x.com/GaragekiInfo/status/175192517477629
オーディションから始まり、稽古期間2か月少し。毎回思うけど、稽古期間から本番まであっという間過ぎて、、、
ガラ劇は演出日と呼ばれる2日間稽古にてコロスや身体表現を最後まで決めたのちに、段々とシーンを固めていきます。
そもそもガラ劇は円形舞台にて「時間」「空間」を役者の身体や 様々なツールを用いて一瞬にして変化させます。
今回「次郎」役として出演致しましたが、馬や黒板などなど・・・人にとらわれず様々な役を演じていました。
波、伯山(アナウンサー)、開田の島民、馬、門、モンゴル兵、町民、防人、黒板、次郎、漁火(軍船)、志賀島の島民、母親、壁、古人、飛行機。
ちゃんとしっかり上げたら意外にも沢山、、、(笑)
毎回台本を深読みする前に事前にノートへ歴史や人物をまとめる作業をします。
歴史を調べ深読み考え辿り、あまりにも様々な時代背景があって現代の私達に伝えたい事も大事な事も沢山あって、自分自身がその時代作品に身を置き演じ生き発信していく事、台本や資料だけじゃ伝わらない事があるなぁってより強く感じた作品でもありました。
人から人へ演劇で伝わる。だからこうして伝え続けていく事が必要で大事なのかもしれない。
チラシからも淡い色味と図面のデザイン文字、舞台を観た後にチラシを見るとわかる大事なシーンが含まれている。
なんとここまでアイデアが詰め込まれているという驚き。
《ネタばれ注意》
まずはこの物語の中で何度も出てくる【防人の歌】
父母が頭かき撫で幸くあれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる
韓衣裾に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして
我が妻はいたく恋ひらし飲む水に影さへ見えて世に忘られず
防人に行くは誰が背と問ふ人を見るが羨しさ物思ひもせず
鯨魚取り海や死にする山や死にする死ぬれこそ海は潮干て山は枯れすれ
私が劇中に読んだ和歌は2番目。
◉万葉集4401番歌(防人の歌)
〔可良己呂武 須宗尓等里都伎 奈苦古良乎 意伎弖曽伎怒也 意母奈之尓志弖〕 作者: 他田舎人大嶋(おさたのとねりおおしま)
「韓衣裾に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして」
(この軍服の袖に取り縋って子供が泣くのです その子を置いて行かなければならない 母親もいないのに)
(着ている私の服に 裾に取りつき泣く子供を 置いてきてしまったのだ 母親もいないのに)
防人となって我が子と離れ離れにならなければならない父親の苦しみを詠った歌。
父である自分が家を出て、母もいない家庭に子供だけが取り残される。身を切られる思い。心配しかない嘆き。生きて帰れるかわからない。そんな思いを綴った歌。
防人の任期が3年と定められたのは養老6年。それ以前は何年も帰郷出来ない防人が多かったのは勿論で、そんな彼らの嘆きが「万葉集」に数多く詠われている。任期が定まった後もすぐにその規定通りになったわけではなく、3年のはずが4年になったり5年になったりした事は「続日本記」の記述からもわかるが「律令」が整うに従って年々待遇も改善されていった。食事(糒や塩)は自前だが、防人として赴くときは、部領使という引率者(役人)に連れられて都まで行きます。ここまでの食料が自弁となる。 都(難波津)から筑紫までは船で移動し、この間は大宰府の管轄となるので食料は公(筑紫国の正税)から支給される。 帰国の場合も同様で、大宰府から都(難波津)までは船で移動し大宰府の管轄。都から帰郷する時はやはり部領使に率いられ徒歩、この間の食料は自弁。 貧しい律令農民は大変な負担であり、帰郷できず任地に定着し戻らない防人も多かったと言われている。
次郎の台詞にも「あと3か月。この秋を迎えれば9月になれば丸3年。防人としての任を解かれる」とあるように防人の任期が目に見える。
そして、今回Bチームは【愛】をテーマとして挑んでいました。次郎は家族愛です。
自身の役について苦戦しながらも共演者の方々の助けや優しさもあり無事終演することができました。
私自身、色々と考えたり思ったりすること実は沢山あるのですが、言葉や文字に昔から苦手意識が強くて。自分から発言することも普段から少ないのですが、そんな私にX(旧Twitter)や直接言ってくれたそれぞれの言葉が嬉しくて心の中にそっと大切にしまって置きたいぐらい皆さんに助けられていました。本当にありがとう。感謝しかありません。
人の興味を惹き続ける事はとても難しい。だからこそ魅せがいがある。
人によって関わってきた環境や経験が違うから受け取る感情や感想が全然違う。
観劇して頂いた方々のこれからの未来を少しでも変化させる事が出来ていたらと常に考える。
だから演劇、舞台は楽しい。もっと発信し届けて生きたい。
牧野栞奈