2011年度の都立看護専門学校、社会人入試における課題文と解答方法について記す。
女性の方は参考にして下さい。
※男性の方は(本当に小論文で評価Aを取れる人以外)青梅と北多摩以外は受験しないように。
課題
学びの場に立とうと思うなら、子どもは決して自らを消費者として規定しては
なりません。それは消費者というものの条件を考えればすぐ分かることです。
(中略)消費者とは「もっとも少ない代価で、もっとも価値のある商品を手に
入れること」を目標とする人間のことです。
代価」とは学校教育においては「学習努力」のことです。そこにはいろいろな
ものが含まれます。授業を聴くのも、自宅学習するのも、校則を守ったり、制服
をきちんと着たりするのも、先生に敬語を使うのも、子どもに何らかの努力を要
求するものは、すべて「代価」にカウントされます。(中略)
いかに少ない「代価」を以って、試験のハイスコアや、見栄えのいい最終学歴
を手にいれるか、それが消費者としては最優先の課題になります。
そのせいで、僕たちは「賢い消費者」として学校期間を通過してきた子どもた
ちの「末路」の無数の事例を周囲に見ることが出来ます。
一流大学を出たはずの若いサラリーマンと話したときに、彼があまりに無知な
ので「いったい君は大学で何を勉強していたのだ?」と訊いたことがありました。
すると彼はなんと「何も!」と胸を張って答えたのです。思いかげない答えに一
度はびっくりした後に、僕はなるほどと理解しました。彼にとっては、一流大学
を出ているにもかかわらず無知であることは少しも「恥ずかしいこと」ではなく、
無知であるにもかかわらず一流大学を出たことこそが「誇るべきこと」だったの
でした。(中略)それは彼にとっては「誇るべき達成」だったのです。彼の笑顔
はわずかな手銭で驚くほど高級な商品を買ってみせた「買い物上手」の自慢顔だ
ったのでした。(中略)
市場原理を教育の場に持ち込んではいけない。そのことを僕はずっと言い続け
ています。 内田樹『街場のメディア論』(光文社新書、2010年)
(設問)
本文で作者が言いたいことはどんなことかを記述した上で、本文と関連させて、
あなたにとって学ぶこと・学習することはどんな意味を持つかについて1,200
字程度で述べなさい。
解答方法:構成について
Ⅰ.要約(200~300字程度)※Ⅰの後、Ⅱは一行空けずに一マス空けて書くこと。
Ⅱ.方向性の提示(200字程度)※都立看護の場合、筆者の意見に賛成の立場を取ること。
例:私は筆者の意見に賛成である。なぜならば、~だからだ。
補足説明1(こうこうでもあり)補足説明2(こうこうでもある)
以下に私の経験を通しての~について述べる。
Ⅲ.経験ⅰ(200~300字程度):そこから何を得たか
____経験ⅱ(200~300字程度):上記同様(※異なった経験の為、段落を変えるために一マス空ける)
Ⅳ.結論(200字程度):ⅰとⅱより、確かに~(対価を求めることのメリットなど)しかし(それに対するデメリット)~
したがって、学習するということは~なのだ(ⅰとⅱに対する主張)
+結論に対する補足説明(看護の立場で考えてみると)
+看護師としての豊富(1行程度あれば尚良) ←重要