京都2日目(1月26日(金))は京都オブ京都を満喫します。この日の予報は曇り一時雪、最低気温1度、最高気温7度。朝食を食べた後、
<前日購入しておいたパンでお手軽朝食>
しっかり防寒をして7時40分ホテルを出発、京都駅へ。
<朝の京都駅>
コインロッカーに荷物を預けて、まずは祇園に向かいます。JR奈良線宇治行に乗って
<昨夏も乗ったJR宇治線>
次の東福寺駅で下車。
<東福寺駅>
京阪本線出町柳駅行に乗り換え、
<京阪本線>
祇園四条駅で降ります。
<京阪電車祇園四条駅>
祇園ならバス利用が便利なのでしょうが、わざわざ「東福寺乗り換え」を選んだ理由は朝の道路渋滞を心配したから。(1度電車に乗っておきたかったというのもある←乗り物好き)渋滞回避にお勧めというこの乗り換え、京都駅では連絡切符が発券されているし(すみません、いまだ切符派です)、東福寺駅には連絡口も設けられていて楽でした。
もうひとつは鴨川が見たかったから。
<朝の鴨川>
前日に下鴨神社、上賀茂神社と参拝しているので、どうしてもその下流域を見ておきたかったんです。いや~、朝の鴨川きれいですねぇ。
<駅近くにある南座>
さて、日本一の花街(かがい)・祇園は、この鴨川と八坂神社の間、四条通を挟んで北と南にあります。
<四条通。正面に八坂神社の西楼門を見る>
その昔この辺り一帯は祇園社(現在の八坂神社)の境内で、「祇園」という地名もこれに由来するとか。
<八坂神社に見られる祇園社の名残>
鴨川を望む川端通から白川筋へ。
<白川筋入口>
現在花街の中心は南側にありますが、江戸時代は北側にあったとのことで―
<祇園白川>
素敵・・・
美しく流れる白川、
<白川>
その流れに沿って伸びる石畳の道、そして整然と立ち並ぶ京風町家。
<石畳の道と京風町家>
春は枝垂れ桜、秋は紅葉。柳が川面に影を写す様も美しいそうで。全てが調和し洗練された景観は、いかにも京都らしい。
<「かにかくに」の碑>
”かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる”
祇園をこよなく愛した吉井勇が詠んだ歌。歌碑は彼がよく通ったお茶屋「大友」の跡地に建つ。
「大友」の座敷は戦時疎開で取り壊されるまで白川の上に張り出して建っており、「枕の下を水のながるる」はその情景を詠んでいる。
雰囲気に浸りながら進んで行くと、こっ、これは!!
<辰巳大明神>
辰巳大明神!
そばにある巽橋もテレビでお馴染みの風景。山村美沙サスペンスを見ていたかねし、思わず「テレビで見たまんま!」と大興奮でした。
<白川に架かる巽橋>
辰巳大明神は京都御所の南東(辰巳の方向)にあることからもともとは南東の方角を守る神社でしたが、芸事の向上に御利益があるとされ、お参りする芸妓さん、舞妓さんが多いそう。「祇園のお稲荷さん」とも呼ばれる辰巳大明神ですが、御祭神は狸とな。(かつてこの界隈に住んでいた狸がいたずらをして困るので、祠を建てて祀ったところ治まったという逸話が)
参拝後ふと右手に伸びる石畳の道を覗き込むと、こちらも風情ある佇まい。
<祇園新橋(伝統的建造物群保存地区)>
この辺りが祇園発祥の地だそうで、黒の千本格子の出格子に二階から下がるすだれ。祇園独特の町家茶屋様式の建物が軒を連ねる様は、祇園の中でも最も祇園情緒あふれる場所とのこと。これぞ京都オブ京都!を体感できて感激です。
<火除け地蔵と白川>
新橋通から飲み屋街を抜け四条通へ。やがて前方に見える赤い壁。
<花見小路通を南へ>
かの有名な「一力亭」です。
<一力亭>
歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」に登場することで知られるお茶屋。元々の屋号は「万亭」でしたが芝居の大当たりで世に知られ、芝居で使われた「一力」の名で呼ばれるようになったとか。
祇園の中で最も格式の高い、由緒あるお茶屋とあって、その佇まいには風格が感じられます。
その「一力亭」から南に伸びる花見小路。祇園南側にあるこの通りは京都の人気スポットのひとつとあって、紅殻格子に犬矢来という風情あるお茶屋の家並みが続き、祇園情緒たっぷり。
<花見小路>
どこかノスタルジックな雰囲気が漂う花見小路ですが、現在のような町並みになったのは意外にも明治から大正にかけてのこと。この辺りはもとは建仁寺の境内で、明治の廃仏毀釈により政府が没収した土地を祇園の組合が買い取り、今のように整備したとか。それというのも大正元年、市電開通に伴い四条通でのお茶屋営業が禁止されたから。(子どもを含め多くの人が行き交う通りでの営業は風紀上よくないとされたらしい。「一力亭」も玄関を四条通花見小路からに移している。)四条通にあった店をこちらに移転、組合が管理することで町の景観が保たれているそうです。
<建仁寺に続く花見小路>
実際この辺りはどこを切り取っても絵になる。ちょっとした路地にも風情が感じられます。(残念ながら公道以外の撮影が禁止されているので画像はなし)
祇園社(現・八坂神社)の門前町として参拝者にお茶をふるまったのが始まりという祇園のお茶屋。(そういう意味じゃ本当にお茶屋さんだったんだな)
<八坂神社西楼門>
それが文化の成熟とともに料理を出すようになり、接客するようになり、今の食事をしながら芸妓さん、舞妓さんの芸を楽しむ形に。
お座敷遊びは到底無理ですが(笑)、こうして美しい祇園の町並みを歩くことでその豊かな文化の一端が垣間見れた気がしました。
<お茶屋の店先に下がるつなぎ団子の提灯>
・祇園白川:京都府京都市東山区元吉町白川筋
・辰巳大明神:京都府京都市東山区新橋通大和大路東入元吉町59
・花見小路:京都府京都市祇園町南側