こんにちは。

 

金田 隆佳です。

 

 

 

辛い痛みをよくするための薬は、

 

NSAIDs(非ステロイド系抗炎症剤)やステロイド性抗炎症剤以外にも、

 

 

・Na⁺チャネルブロッカー

 

・オピオイド系鎮痛薬

 

・NMDA受容体拮抗薬

 

・Ca²⁺チャネルブロッカー

 

・抗うつ薬、抗てんかん薬、抗不安薬

 

などがあります。

 

 

これも、効く仕組みは科学で説明されてるので、

 

皆さんは覚える必要ないですよ。

 

 

ただ、治療をする前や治療した後に、

 

「あ~、そういう効果があるのね(^-^)」

 

なんて気軽にこのブログをみながら、

 

自分が受けた治療をチェックしてみて下さい。

 

 

まずは、Na⁺チャネルブロッカーから。

 

 

 

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Na⁺チャネルブロッカーっていうのは、

 

「局所麻酔薬」

 

のことです。

 

 

専門的に大きくわけると

 

・侵害受容器の興奮を抑制

 

・神経線維を伝わる活動電位を遮断

 

・神経障害性疼痛などの慢性痛でおこる異所性発火という現象を抑制する

 

の3つのわけられます。

 

 

それぞれ説明すると、

 

 

【侵害受容器の興奮を抑える】

 

痛みは基本的に、

 

1、患部にある侵害受容器が刺激によって興奮

 

2、電気信号が発生

 

3、その信号が脊髄を経由

 

4、脳に到達

 

5、痛みを感じる

 

って仕組みになってます。

 

 

電気信号(活動電位)が起こるという事は、

 

細胞で脱分極という現象が起こっているということになります。

 

 

通常は細胞膜にあるNa⁺チャネルは閉じていますが、

 

刺激が加わると、

 

1、Na⁺チャネルが開く

 

2、細胞の外にあるナトリウムイオンが細胞の内に流れ込む(脱分極)

 

 

 

痛みに敏感(末梢性感作 ※中枢性感作という現象もある)になってるときは、

 

活動電位が大きくなっているということです。

 

 

つまり、

 

・Na⁺チャネルをブロック(遮断)する

 

・細胞の内にナトリウムイオンがあまりたくさん流れないようになる

 

・鎮痛効果が得られる

 

ってことになります。

 

 

歯医者さんで治療するときや、

 

膿などの治療で皮膚(皮下組織)を切開するとき、

 

胃カメラをのむ前に飲むゼリーみたいなのなどがそうです。

 

 

 

【神経線維を伝わる活動電位を遮断】

 

 

患部で発生した電気信号は神経線維を伝わって脊髄に到達しますが、

 

この痛みの信号(電気信号)が伝わる神経線維のNa⁺チャンルをブロックする鎮痛方法もあります。

 

いわゆる「ブロック注射」ってやつです。

 

 

 

【神経障害性疼痛などの慢性痛でおこる異所性発火という現象を抑制する】

 

 

神経障害性疼痛は、神経が本当に傷ついたときに起こる痛みで、

 

有名どころに、

 

・幻肢痛(腕とか切断してもうないのに、そこが痛いと感じる現象)

 

・帯状疱疹後神経痛

 

・糖尿病性の痛み

 

があります。

 

このような痛みにもNa⁺チャネルの活性化が関係してるので、

 

鎮痛効果があります。

 

 

あとは、癌性疼痛に苦しむ方の鎮痛にも使用されることがあります。