最近、スカパで同じ時間帯で曜日だけ変え、似た番組をやっている。
一言で言うなら、シンデレラ物語。
ヒロインの職業もパティシエ(『私の名前は金サムスン』)に
イタリアンシェフ(『オンリー・ユ』)の物語。
王子様も、ヒロインの雇い主で財閥の御曹司。
ライバル女も、シンデレラ姉さんタイプじゃない。
物分りのいいやさしい美人、というところまで似ている。
また、王子の恋敵も悪役じゃない。
世間知らずの王子より、こっちの方が良いと思ってしまうような人格美人。
メロドラマの方程式に多くの変化が見られる。
一番の変化は、やはりヒロインだ。、
いつもの心やさしい美しいシンデレラとは違う。
ダサデブ女か、高卒のシングルマザー(誰もが大学に行く時代に)。
だからといって、ひるまない。
これぞ、という肩書きこそ無いけれど、「料理」という生きがいを持っている。
それに、王子に向かって、
「あなたはワガママ、自己チュウー、世間しらず」と罵倒する。
ここに戸惑い、自分の甘さを反省しながら、
女の媚に公然、漠然と慣れている王子は心をかき乱される。
しかも、シングルマザーにおいては、
「この子は、あなたの子よ」とは、けっして言わない。
夫になるべき順序は、「愛」を確認してこそだと。
子供ができたからといって、それを盾にして結婚を押し付けたくないという、
女の「けじめ」まはは「イジ」をもっているヒロイン。
心やさしく美しい従順な女から、
自分をもっていて、何が大事か、プライドとは何かを知っている女へ。
これが、21世紀のシンデレラ像?
それとも、見飽きたシンデレラの変化形?