投資を知ろう! 保有資産3億円のシロウト投資家・神田川トウシロウです。

個人投資家にとって「買い」よりも難しいのが「売り」。下がった時の損切りも難しいですが(こちらを参照)、上がったら上がったで高所恐怖症で売りたくなったりします。

連休中に、友人のS君(会社員)から「保有している食品業N社が買値の1.5倍になった。いったん利確(利益確定売り)しようと思うが、神田川はどう思う?」と聞かれました。

S君はN社がコロナ禍から思ったより順調に回復したので、下がらないうちにそろそろ利確した方がいいのではないか、と考えたようです。

まず、S君が至急まとまったお金が必要なのかどうか確認した上で(「必要ない」とのこと)、「N社や食品業界についてどう見ているの?」と尋ねました。

S君は「景気はしっかりしているし、賃金も上昇基調なので、食品業界もN社ももうしばらく堅調かな」と言っていました。

これを聞いて私は、「だったら、当面売る必要はないのでは?」「値下がりがそんなに心配なら、逆指値を使うと良い」とアドバイスしました。

実際に、FPなど専門家の多くが「〇〇%上がったらいったん利確するべき」などとアドバイスしています。あるいは、「買値の2倍になったら、いったん半分売る。残った株はゼロ円になっても損をしないゼロコスト株だ」という主張もあります。

ただ、こうして「とにかく勝ちを確保する!」ことにこだわると、勝っても小さく、勝つまで粘って塩漬けすることになり大きく負けます。「小さく勝ち、大きく負ける」を繰り返すと、資産が増えるどころか、減ってしまいます。

投資のゴールは、勝率を上げることではなく、資産を大きく増やすこと。そのために大切なのは、逆に「大きく勝ち、小さく負ける」こと。保有株が今後さらに上昇が見込まれるなら、ストーリーが崩れるまで我慢して持ち続ける必要があります。

「そうは言っても下落リスクが怖い」と言うなら、そもそも個別株には手を出さず、積立投資にするべき。どうして自分は個別株に投資をしているのか、しっかり見つめ直すとべきでしょう。と率直に伝えたら、S君は少しムッとしていました…。