紅葉美人。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

 

 

 これほどまともにポートレート(人物)を撮ったのは始めてかも知れない。12月3日、場所は増上寺。この時、私はタムロンの望遠レンズ70-300mm(Zマウント)を取り付けている最中だった。そこへ家族連れの観光客が現れ、その中にこちらの女性がおり、紅葉を背景にして記念写真を撮り始めた。これはチャンス到来と思い、「一枚撮らせて下さい」と声を掛け、カメラを向けた。すると女性はそれを待っていたかの様に、カメラ目線で私の方に満面の素敵な笑顔を見せてくれた。
 少し緊張したのは彼女の方ではなく私で、カメラの設定も忘れて「パシャ!」とシャッターを切った。撮れた写真をその場で見せるととても喜んでくれ、SNS等に写真を投稿する事も快く承諾してくれた。
 うぐいす色の着物と紅葉の鮮やかな赤色が見事なまでにお互いを際立たせ、女性の美しさをなお一層、引き立てていた。カメラを始めて3年、これまで風景をメインにして様々な物を撮って来たが、今まで全く興味のなかった物に対し、カメラはそれを一変させせてくれた。ファインダーから覗くその世界はまるで別次元。写真は私の味気なかった人生に活力を与えてくれた。それはまさに人生のスパイス!何が切っ掛けで写真を撮り始めたのかそれも忘れてしまったけれど、私の写真人生、多分、この命が尽きるまで続くのだろう…。
 今回のポートレートで一つ残念だったのは、明るい単焦点レンズだったら、もっと鮮やかな写真が撮れただろうと思う。咄嗟の時でもレンズ選びは慎重に行うべきである…と言う教訓を得た次第である。