世界の壁は厚かった…by福原愛。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

卓球 心臓を患っているこのわたしが人に自慢出来る唯一のスポーツが卓球。養護学校で中一の時、ある先輩の女性が見事なラリーを展開しているのを見てから、わたしの中に眠っていた運動能力が目覚めたのである。
誰からも教えを受けずイメージだけでいつの間にか卓球がわたしの中で成長して行った。養護学校を卒業してからも、卓球をする機会は多くあり、様々な人から試合の誘いを受けたが、一度も負けたことはなかった。
20歳になりある印刷会社に就職した時、社内に卓球部があったので所属したが、先輩から「神戸はフォームが既に出来上がっているから基礎からしっかりやれば国体も夢ではない」と言われた。
しかし、当時わたしはフォークブームの中で、ギターに夢中だったことから、さすがに卓球に夢を託すような大それた考えはなかった。
25歳の時だったか後輩とラリーをやってみたが、よほど相性がよかったのか、400回も続いた。
スポーツは何でもそうだが、集中力が途切れると突然バランスを崩し、思い通りに身体が動かなくなる。
試合中に体制を整えるのは至難の技で、一度タイムを取って呼吸を入れ替える必要に迫られる。
先日行われた「卓球 世界選手権団体戦」で、日本はメダルを手に入れたが男子女子とも銅メダルに終わった。
しかし、選手たちにしてみれば銅メダルが目標ではなかった。大会に臨む時は常に金メダルを目指す、世界の頂点に立つのが夢である。
福原愛をエースとした女子は最強のメンバーを揃え、挑んだ世界戦。しかし団体戦での勝利を掴むことの難しさは個人戦と違い、自分が勝たなければというプレッシャーが大きくのしかかってくる。次の相手に出来るだけ負担をかけまいと必死になるが、それがかえって自分の試合を小さくしてしまう時もある。悲壮感さえ漂う福原の顔をハラハラして見ていたが、第二、第三の福原が育っている日本にとっては銅メダルは通過点に過ぎない。
近い将来金メダルを手中に収め日本卓球界の活躍が強敵中国を慌てさせる日が来るだろう。