虚偽報告に沈むイージス艦。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

イージス 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故から10日以上が経ち、先日は漸く艦長自らが行方不明になっている漁師親子の自宅を訪れ謝罪した。
福田首相も2日午前千葉県勝浦市の自宅を初めて訪れ、家族らに涙を浮かべ謝罪。謝罪のタイミングを計っていたような、両者の頭に漁民の憤りや思いは伝わったのだろうか。
石破茂防衛相は苦虫を潰したような苦悶の表情を浮かべ、二転三転する今回の事故について国民への説明が付かないことに苛立ちを隠せない。
情報が混乱し、何が事実を伝えているのか、誰かが情報操作をし内密に水面下で責任のやり取りがなされ虚偽説明のシナリオが作成されていることを石破茂防衛相自身が一番知っている筈である。
隠蔽工作の得意な国家権力の大きな壁の前には真実を明かす手立てすら削除される。
洋上での訓練を終え、寄港中のイージス艦であるが、訓練とは艦が無事港に入り、乗り組み員全員が、艦を降りた時初めて訓練は終了する。
寄港中だったイージス艦の艦長も含め、乗員全員が訓練の終了と共に肩の荷を降ろした時のようにやれやれという安堵感と油断が生まれ、海上自衛隊員である事をわすれ、一般市民の顔に戻った時、心に隙が生まれ、やがてそれが大きな事故に繋がる。
ハイテク技術を駆使し、最新鋭の機材を大きな税金を使って洋上を航行しても、その機材すら使いこなせず、いくら暗闇の中とは言え一隻の漁船を沈めてしまうという、重大な人為的ミスを犯したことは甚だ遺憾に思うし、今後の自衛隊のあり方、防衛省そのものを解体し立て直す必要すら出てきたと思う。
もし仮にこの小さな漁船がアルカイダの自爆船だったら、今頃海底深く沈んでいるのはイージス艦の方だっただろう。
危機意識がスッポリ抜け落ちてしまった日本国家にあっては、日本列島がテロの標的になるのはそう遠くない現実であるかも知れない。
漁師たちの悲しみが荒波となって打ち着ける川津漁港では漁の再開が始まりはしたが、人々の心の奥深くにはこれからも悲しい事故の結末が消えずに波となって漂うのだろう。