中田英寿お疲れモード(動画) | プールサイドの人魚姫
パスの天才と呼ばれ、サッカーボールと会話する男は不完全燃焼にうなだれていた。ゴールは遠く日本チームに振り向いてくれなかった。俺の試合ではない、チームを勝利へと導く為にはこのドリブルだけで勝てるものではない事を彼は解っていた。世界の壁は途方もなく厚い。俺はこの足で栄光を掴み頂点を極めてきた。しかし、その前に立ちはだかる体力の衰えは隠せない。野球と違いサッカー選手が現役でいられる時間は短い。サッカーボールに自分の青春をぶつけゴールを目指し走り続けた日々。何れ燃え尽きる時が来る事を知っていた孤高のキッカーは、最後のゴールに背を向けながら、日の丸が沈んで行くのを黙って見詰めていた。