天地真理を育てたマネージャー菊池哲栄(28)さんが、大恋愛のすえ、結婚へゴールインした。その日、真理は吹込みの合間を縫って披露宴に駆けつけ、真紅のバラを新郎に贈ったが、
1974年6月30日、天地真理さんが元マネージャー菊池哲栄さんの結婚披露宴へ出席したという記事を引用。
週刊明星 1974年7月14日
菊池さんの結婚式は、6月30日、東京プリンスホテルで行われ、午後3時から盛大な披露宴が開かれた。
この日、真理にはレコーディングの仕事があったが、途中で抜けていったん自宅へ帰り、かねて用意のシックな服装に着替えをした。
薄いベージュ色のブラウスに、グリーンのロングドレス。花を飾った麦わら帽子をかぶり、花ムコに捧げる真赤なバラの花束を手に持つと、また家を飛び出してプリンスホテルへ。なんとか3時からの披露宴に間に合った。
招待客はマスコミやプロダクション関係者、新郎新婦の親戚、友人など200数十人。真理のほか沢田研二、木の実ナナ、加瀬邦彦らの人気スターが顔を見せ、演奏は井上堯之バンドという豪華版で、さすが天下のナベプロ・マネージャーだ。
席上ジュリーは、熱烈な大恋愛に結ばれたカップルのために『魅せられた夜』を歌って祝福したが、
菊池さんは結婚当時は、沢田研二のマネージャーをしていたということで、それでジュリーが『魅せられた夜』歌ったということだが、いつ沢田の担当に代わったのか。2018年「天地真理への100の質問」によると、
「誰もいない海」は確か浅草国際劇場でのワンマンショーで歌いました。その前にデビュー当時から担当してくれていたマネージャーが代わったので、
浅草国際劇場（3月25日～31日）の前とあるが、4月いっぴからかもしれない。
もちろん真理は、菊池さんに恋人がいることを知っていた。だからこそ幸せを念じていたのだ。
「菊池さんはずっと私につきっきりで、ほんとうによく世話をしてくださいました。こんなに忙しい仕事に追われて、いつどこでデートしてるのかしらと、不思議なくらいだったんです。でも、これでほっとしました。1日も早く結婚なさるように、私も願っていたんです。これからは奥さんにとっても、素敵なマネージャーになって、幸せいっぱいにしてあげてください。末長く、ほんとうにいつまでも・・・」
真理の瞳はうるんでいた。
瞳がうるんでいた。ということだが、
「こんどはスターばかりでなく、カワイイ赤ちゃんを育ててください」
「これからは奥さんにとっても、素敵なマネージャーになって、」
真理ちゃんがこんな気の利いたコメントをするものなのか。それはまあいい。精神的支えであり、絶対的な信頼を寄せていたマネージャーが交代してしまって、まだ事態が呑み込めないという時に、菊池さんが結婚をした。男女の関係だったわけでもないだろうが、本当に遠くへいってしまったと、たまらなく寂しくて不安な気持ちになったのではないかと思いますね。
菊池さんは早大理工科を卒業、43年渡辺プロに入社した。芸能マネージャーで、一流大学の理工科出身という経歴はかなりめずらしい。最初は園まりについたが、46年、真理のデビューを機に誕生したプロジェクト・チームのリーダーとなり、その敏腕をうたわれた。披露宴でスピーチしたフジテレビ千秋与四夫プロデューサーの言葉をかりよう。
「3年前、天地真理がフジテレビのオーディションを受けたときのことを、よく覚えている。歌もよかったが、インタビューの受けこたえがソツなく、新人として出色だった。（以下略）
3年前にフジテレビのオーディションを受けたというのは、何のことをいっているのか。
2年前の72年4月1日～『花嫁はおかみさん』というフジテレビのドラマに出演しているが、これのことなのか。デビューして即人気者となり、各局から引っ張りだこであったのだが、ドラマのオーディションなど受けるものなのか。
TBS『時間ですよ』のオーディションを受けたのがちょうど3年前になるが、デビュー前に、フジテレビのオーディションも受けていたのか、わからない。
仕事の企画では、47年12月に初めて真理、小柳ルミ子、南沙織の〝3人娘ショー〟を武道館で実現した。去年は向ヶ丘遊園地で、〝空いっぱいの幸せ〟大キャンペーンを行い、真理を風船に乗せて、ファンを熱狂させた。
真理は6月30日に、フォーク調の秋の新曲を吹き込んだ。8月15日から1週間は、梅コマで2度目のワンマンショーを開く。それに備えて、今ギターと踊りを特訓中なのだ。
フォーク調の秋の新曲とは、長らく未発表曲となっていた『秋ふたたび』という曲が1974年6月30日録音となっているが、新曲候補だったのか。『想い出のセレナーデ』（歌詞アレンジ違い）は74年7月18日録音とあるが、シングルバージョンはいつ録音したのか。それも6月30日なのかもしれない。
おわり。
