【グリーンブック】は2018年のアメリカ合衆国の伝記ヒューマン映画でした。ジャマイカ系アメリカ人のクラシック及びジャズピアニストであるドン"ドクター"シャーリーと、シャーリーの運転手兼ボディガードを務めたイタリア系アメリカ人のバウンサー、トニー・ヴァレロンガによって1962年に実際に行われたアメリカ最南部を回るコンサートツアーにインスパイアされた作品です。
【グリーンブック】の予告編からどうぞ👋
【グリーンブック】みどころ
🟢実話に基づき実在の人物をモデルにしています。
🟢あえて黒人への差別意識が根強い地域をツアーでまわる黒人ピアニストのドクターの姿
🟢白人だけど黒人に対する差別意識はないトニー
🟢本作【グリーンブック】を観る前にまずは時代背景をしっかりと理解しておく必要はあるかも。
🟢舞台は1962年(∠かなめまよ誕生の年😻)のアメリカで、ドンとトニーはアメリカ合衆国の北部に住んでおり南部のコンサートツアーに向かうというストーリーです。
🟢この時代、アメリカは有色人種の差別をめぐって大きく揺れていました。
🟢アメリカの南部は農業を主要産業とする州が多くその労働力として黒人奴隷を使うことが一般的でした。
🟢黒人を平等にすることで労働力が離れてしまうことを恐れた南部の州ではジム・クロウ法という有色人種が一般公共施設を使用できない法律を作り差別してきました。
🟢タイトルになっている【グリーンブック】とは南部で黒人が利用できる宿泊施設を載せたガイドブックで街中にあるほとんどのホテルは黒人の利用を断るためにドンには必要だったのです。
🟢この法律は1964年に廃止されるのですがドンの南部コンサートは廃止の直前、南部の人々が黒人に対して最も敏感になっているタイミングで行われたという背景が大きいです。
キャスト3人の紹介です。
🟢トニー・"リップ"・ヴァレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)
ナイトクラブの用心棒。妻と子供二人がいる。イタリア系男性。粗野で無教養だが口は上手く用心棒だけあり腕っぷしも強い。人種差別の思想の持ち主だったがシャーリーとの触れ合いで考えを変えていく。
🟢ドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)
アフリカ系アメリカ人のクラシック系ピアニスト。名誉博士号を持つ。同性愛者。
🟢ドロレス・ヴァレロンガ(リンダ・カーデリーニ)
トニーの妻。トニーが仕事で2ヵ月も離れることを寂しいと思うなど愛情は深い。
【グリーンブック】あらすじは
【起】
1962年ニューヨーク、高級クラブ“カパカバーナ”で用心棒として働くイタリア系白人のトニーはその口達者な性格からトニー・リップと呼ばれていた。クラブが改装のため数ヶ月間閉鎖すると知らされたトニーは、妻ドローレスと2人の子供達を養うため、仕事を探して回る。
ある日、友人からあるドクターがドライバーを探していると仕事を紹介されたトニーは面接へ行くとそこで黒人差別が色濃く残る南部へのコンサートツアーを計画している黒人のピアニスト、ドクター・シャーリーと出会う。クリスマス前までの2ヶ月間のツアーに同行するドライバー兼ボディガードを探していたドクター・シャーリーに、それなりの金額を提示されたトニーは仕事を受けることにする。
コンサートツアーへ出発の日、トニーはレコード会社から「ドクター・シャーリーがどれか1つでもコンサートへの出演を見逃したら給料は支払わない」と伝えられ“グリーンブック”という黒人でも宿泊可能な宿のガイドブックが渡される。トニーは家族に別れを告げるとドクター・シャーリーと一緒に南部へ向かう。
最初のコンサート前、ドクター・シャーリーはトニーにゲストの前で行儀よく振る舞い彼のイタリア系の苗字を言いやすいアメリカ風なものに変えて紹介する事を提案するが、トニーは「自分の名前や振る舞い方をゲストが気に入らないのであれば外で待機する」と言い返す。
そしてコンサート会場の外からドクター・シャーリーがピアノを弾く姿を見たトニーは、彼のピアノの才能に圧倒される。
【承】
道中でケンタッキー・フライドチキンを見つけたトニーはドクター・シャーリーが1度もこの庶民的ファストフードを食べたことがない事を知ると面白がりながらドクター・シャーリーに強制的に食べさせる。
ドクター・シャーリーは思いのほか美味しいフライドチキンをトニーと一緒に楽しそうに食べるがトニーがソフトドリンクの紙コップを道路に投げ捨てるとそれを拾うよう注意する。
ホテルに到着するとトニーはドローレスに手紙を書き始める。しかし教養がなく書くことが苦手な彼の幼稚な手紙を見たドクター・シャーリーは助言をしてロマンティックな手紙へと変貌させる。
ある夜、ドクター・シャーリーが1人でバーに行くと差別的な白人たちに暴力を振るわれる。電話を受けたトニーは彼を助け出すと彼に1人でどこにも行かない事を約束させる。
🟢ケンタッキーを食べながらご機嫌運転動画と(良い子は窓からゴミを捨てちゃダメよ)
🟢トニーが妻へ送るラブレターの文面をロマンティックに教授するドクター動画です
【転】
次のコンサートで白人の主催者がドクター・シャーリー達を紹介する際、トニーはドクター・シャーリーから受けた「アメリカの苗字に変える」というアドバイスを無視し自分のイタリア系の苗字を言わせる。その後のディナーパーティーではトニーがドクター・シャーリーのためにリクエストした自家製のフライドチキンが出される。
しかしそこでトイレを使おうとしたドクター・シャーリーは、主催者から外にある黒人のスタッフ用トイレを案内される。
そのトイレを使う事に抵抗を感じたドクター・シャーリーはトイレに行くためだけにホテルへ戻る事にする。トイレを済ませパーティーに戻ったドクター・シャーリーはひどい扱いを受けながらも白人の人々と笑顔で握手をする様子を見たトニーは理解に苦しむ。
次のコンサートへ向かう2人は道中白人警察に止められ職務質問を受ける。白人のトニーが黒人のドクター・シャーリーのドライバーをしている事に疑問を持った白人警察官は、トニーのイタリア系の名前を聞くと、「彼も半分黒人だからか」とイタリア系の彼を差別する様な事を言う。トニーは感情を抑えられずその警官を殴り、ドクター・シャーリーも一緒に拘置所へ入れられる。
何もしていないにも関わらず捕まったドクター・シャーリーだが警官は黒人の彼の言う事に耳を傾けなかった。すると警察署に州知事から2人を釈放するよう電話が来る。何をしたのかと聞くトニーにドクター・シャーリーは知人である司法長官のボビー・ケネディに電話をしたと言う。
【結】
次の日、最後のコンサート会場へ到着した2人はコンサート会場のレストランで食事をとろうとするがドクター・シャーリーは黒人である事を理由に入店を拒否される。自分を入れないとコンサートをしないと言うドクター・シャーリーを説得するよう責任者から金を見せられるトニーだったがそれを断りドクター・シャーリーと共に黒人専用のレストランへ行く。
ドクター・シャーリーはそのレストランにあったピアノを演奏し周りの黒人達から拍手喝采を受け2人は最後のコンサート会場に戻る事無くニューヨークへと戻る。
トニーを彼の家の前で下ろしたドクター・シャーリーは「メリークリスマス」と言うと、トニーのクリスマスディナーへの誘いを断りその場を後にする。トニーがクリスマスディナーを囲んでいる家族や親戚達の元へ帰り皆と食事を楽しんでいるとそこへ誰かが訪ねて来ます。
ドアを開けたトニーはドクター・シャーリーが立っているのを見つけると彼をハグし食事へと招待する。
ドクター・シャーリーに初めて会ったドロレスは彼にハグをすると「トニーの手紙を手伝ってくれてありがとう」とお礼を言う。ドクター・シャーリーのドライバーの仕事を終えたトニーはクラブの仕事へ戻ったがドクター・シャーリーとトニーの2人は2013年に数ヶ月違いで亡くなるまでずっと友達でいました。
すごく良かった。黒人差別やロードムービーや音楽映画を余すことなく1本の映画にたくさん詰めてくれた素敵な映画でした。1960年代の音楽がたくさん聞けて、ピアノ曲やクラシック、ジャズが好きな私に取って耳心地の良い映画になっていました。冒頭に流れたフランク・シナトラの【That Old Black Magic】から心をわしづかみにされました。映画【グリーンブック】の中で流れる音楽は19曲あったそうなんですが、特におすすめの3曲を。
🟢That Old Black Magic
映画【グリーンブック】内で初めてトニーが聴いたシャーリーのピアノ曲です。
🟢"Blue Skies(The Don Shirley Trio)"
映画のエンドロールで流れた曲はDon Shirleyの音楽でした。
🟢The Lonesome Road
オリジナル・サウンドトラックを全部貼りたいくらい素晴らしいアルバム作品でした。私は眠れない夜とかにピアノ曲をランダムで聴いたりするんですが【グリーンブック】のサントラも何回も聴いてました。心が落ち着くというか浄化されるというか。
映画【グリーンブック】は本作のイタリア系用心棒の息子が父親から聞いた話を元に作られた実話です。【ドン・ドクター・シャーリーとトニー・ヴァレロンガの友情は生涯続いた】で映画は締められます。
往年のリップはニュージャージー州パラマスで暮らし妻のドロレスが1999年にお亡くなりになるまで連れ添いました。
リップは2013年1月にニュージャージー州ティーネックで82歳での逝去でした。理由は分からなかったです。
シャーリーはその後を追うように2013年の4月に心臓病の為86歳での逝去だったそうです。
事実を元に作られたという事ですが白人目線での製作のために1部黒人側からは綺麗事だとか論争はあった様です。まぁこれだけ大ヒット映画ともなると色々大変だとは思います。いち洋画としては大変オススメ映画なので是非機会がありましたら観て欲しいな。
今日も最後までありがとうございました😊次回はドラマの予定です。(*>∀<)ノ))またねー❣️