映画【悼む人】高良健吾×石田ゆり子×大竹しのぶ | ∠かなめまよの胸はって行け〜!自信持って行け〜!

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こんにちは🌱今日は高良健吾くん主演、異色映画【悼む人】を紹介させて下さい(。ー人ー。)

悼む人】は元は天童荒太先生による日本の長編小説です。天童荒太先生の代表作には《永遠の仔》や《家族狩り》があります。【家族狩り】ドラマブログはまた後日アップしたいな。第140回直木賞受賞作でもあります。

2012年に大森寿美男さんの脚本、堤幸彦さんの演出で最初に舞台化されてます。その後の2015年に同じ脚本·監督によって映画化となりました。
【悼む人】予告編から。


【悼む人】の概要は、

ベストセラー作家・天童荒太先生の直木賞受賞作『悼む人』を堤幸彦さんが映画化。

亡くなった人が生前「誰に愛され、愛したか、どんなことをして人に感謝されていたか」。そのことを覚えておくという行為を巡礼のように続ける主人公悼む人こと坂築静人と彼とのふれ合いをきっかけに「生」と「死」について深く向き合っていく人々の姿を描いた小説に堤さんは心打たれ映画化の前に舞台化を行うほどこの作品に思い入れを見せる。天童荒太先生

が『悼む人』を書くに至った発端は2001年、9.11アメリカ同時多発テロ事件、およびそれに対する報復攻撃で多くの死者が出たことだった。これらの悲劇だけではなく世界は不条理な死に満ちあふれていることに改めて無力感をおぼえた天童先生に天啓《天の神が真理を人間に示すこと、天の啓示を意味します》

のように死者を悼んで旅する人の着想が生まれました。彼は実際に各地で亡くなった人を悼んで歩き悼みの日記を三年にわたって記しその体験を元に2008年、『悼む人』を刊行したそうです。そして2011年、日本は再び大震災に見舞われ、我々は改めて不条理な死と向き合う事を余儀なくされた。人

はなぜ生まれなぜ死ぬのか。ふいに目の前から消えてしまった者に対して誰もが抱く行き場のない思いをどうしたらいいのか。病や事故のような逃れようのないことであれ、殺人という加害者によることであれ、かけがえのない「生」を損なわれた時、人は深く傷つき苦しむ。静人は旅をしながら「生」を奪い奪われる人たちと出会っていく。母を見殺しにした父を憎む男。愛という執着に囚われて夫を殺した女。末期癌療養に病院ではなく自宅を選ぶ母親。静人自身も大好きだった者の死を忘れるという行為に自らを責め続けていた。「誰に愛され、愛したか、どんなことをして人に感謝されていたか」死者に対してこの3つを見つめ記憶することで逃れることのできない「死」を「愛」によって永遠の「生」に変える。これが人のできる最善なのではないか。静人の〈悼む〉行為はそう語りかけてくるようだ。

その「愛」の記憶は見た人の数だけ無数にある。静人が黙々と死者を訪ね歩きその愛の記憶をひもとき呪文のように言葉にし祈る姿を見ながら映画を観た観客は個々の「愛の記憶」を呼び起こしていく。そして自分は誰をどんなふうに愛し誰かにどんなふうに愛されたであろうか。またこれから誰を愛していくだろうか。そんな思いにも繋がっていく。 

「生」と「死」と「愛」。

人間の根源的な営みに真っすぐ向き合った作品を堤幸彦さんは「これがデビュー作」という強い思いで挑んだそうです。

この作品のために実力派俳優が集結しました。出会う人たちの「死生観」のリトマス試験紙のような静人に高良健吾くん。夫を殺した罪に苛まれ続ける女・倖世に石田ゆり子さん。彼女を追いつめる夫の亡霊を井浦新さん、新たな命を授かる静人の妹を貫地谷しほりさん、生からも死からも目を背け偽悪的にふるまい続ける雑誌記者に椎名桔平さん。最後まで死と闘い続ける母・巡子に大竹しのぶさん、ほか盤石なキャスティングです。〈悼む〉という人間のでき得る限りの行いとその涯にある救済を堤さんが身を切るようにして見つめ続けた世界を熊谷育美さんの主題歌「旅路」が包み込む。その時、きっと観客の心には一筋の光が差し込んでくると思いますね。

映画キャスト紹介です。

🙏坂築静人(高良健吾)

悼む人。32歳。無職。新聞や雑誌などの情報を元に事件や事故の現場を訪れ犠牲者を悼む。

元医療機器メーカーの営業職。年前に退職し死を悼む旅に出る。

🙏奈儀倖世(石田ゆり子)

夫を殺した罪で服役後、事件現場に戻ったところ悼む行為をしていた静人と出会い、その後、行動を共にする。

🙏甲水朔也(井浦新)

奈儀倖世の夫。東北地方の寺院の長男。東大出身。幼い頃に実の母と死に別れ義母が産んだ腹違いの弟がいる。幼い頃から神童と呼ばれる。寺の敷地に家庭内暴力の被害者女性のシェルターや高齢者施設などを設立し仏様の生まれ変わりと慕われるが、裏の顔がある。

🙏坂築美汐(貫地谷しほり)

静人の妹。静人の5つ年下。都内の旅行代理店勤務。都内で一人暮らししていたが、母の在宅ケアに合わせ実家に戻る。高久保英剛(生島翔)の子を妊娠。

🙏蒔野抗太郎(椎名桔平)

都内大手出版社の記者(契約制の特派者)。同僚たちから「エグノ」(エログロの蒔野)と呼ばれている。北海道で発見された白骨遺体の事件をきっかけに静人と知り合う。

北海道函館市出身。亡き母の実家が函館にある。バツイチ。


🙏坂築巡子(大竹しのぶ)

静人の母。末期癌患者。58歳。病院を出て神奈川県横浜市内の自宅での在宅ホスピスケアを受けている。

12歳のとき兄の継郎(つぐお)(16)を白血病で亡くす。母親は肺癌で亡くす。

【悼む人】あらすじです。

【起】

週刊誌記者・蒔野は非情なやり口の殺人や男女の関係のもつれからくる事件の記事を得意としており、エログロをもじって〝エグノ〟と呼ばれていました。父親の自動車で兄が弟を轢き殺した現場で取材していた蒔野は突然やってきて〝悼み〟の儀式を始めた青年・静人を目撃し最初は宗教屋かと思います。母は父に捨てられ餓死の2週間後に発見された過去があり蒔野は父(上條恒彦)を憎んでおり性悪説の持ち主でした。蒔野は週刊誌のネタを集めるためネット上に掲示板を開設しており、加害者・被害者の書き込みが寄せられます。試みに静人のことを掲示板で話題にしました。すると目撃者が続々と出てきます。

【承】

静人の母・巡子は末期の胃癌患者で夫・鷹彦(平田満)は対人恐怖症の障害を持ち息子・静人は悼む旅に出て帰りません。巡子の娘(静人の妹)美汐が実家に戻りました。妊娠中の美汐は静人の件で婚約を破棄され子どもを一人で育てる決意をします。医療関連会社勤務の静人は終末期の患者と接するうちに死者を悼む旅に出ました。非業の死を遂げた死者を悼みますが宗教家でもない静人の真意は常人には理解しがたく美汐の破談の原因にもなります。連絡がないままそれでも巡子は息子の帰りを待ちました。DV(家庭内暴力)を受ける女性を保護し「仏様の生まれ変わり」と呼ばれた朔也を殺した妻・倖世は4年の刑期を終えて出所します。

【転】

ファミレスで働く倖世は店長・水口(甲本雅裕)にレイプまがいの関係を強要されます。殺害した朔也の亡霊が肩から話しかけ、追いつめられた倖世は東北の町を訪れ殺害現場に行きますがそこに静人の姿を見つけました。静人は悼む儀式のことを述べ、「生前、誰を愛し、誰に愛されたか。どんなことをして人に感謝されていたか」生きている姿を記憶するため、と答えます。夫殺しの過去を告げぬまま倖世は静人と行動を共にしました。肺炎を起こした倖世を診た医者・雅恵(戸田恵子)から静人は母の病気を教わります。蒔野の掲示板に従兄弟・怜司(山本裕典)が書きこみしていました。

倖世は静人に過去を話し飛び降り自殺を図ります。それを止めた静人は後に倖世と愛し合う様になります。

【結】

倖世はその夜初めて夫・朔也の死を悼み、朔也の亡霊は消えました。蒔野は父の死の知らせを愛人から受け、動揺してホテトル嬢を呼びます。通夜の席で生前の父の録音テープを聞いた蒔野は父への思いを改めました。その夜、蒔野は売春グループの一派に襲われ殴られて生き埋めにされますが、ホテトル嬢の女子中学生が通報してくれたおかげで一命を取り留めます。倖世は静人と別れて旅をする決意をしました。

視力を失った蒔野は、静人の母・巡子を訪問しました。静人が影響を受けた祖父の死を話した巡子は「あの子を愛してくれる人がいればいい」と言います。美汐は赤ん坊を生みました。そんな家族の元へ静人が帰ってきます。

つい自分に重ねてしまった【悼む人】

静人の母·巡子(大竹しのぶ)の死は蒔野(椎名桔平)とは対照的に静かで、荘厳に描かれています。

巡子は末期のがんでありいつ死んでもおかしくない状態でした。夫や娘とともに自宅療養をしていた彼女ですがすっかりベッドから動くことができず最期の時を待つばかりでした。そんな折、娘の美汐(貫地谷しほり)が産気づいてしまいます。自宅で出産することを決心する美汐の産むときの苦しみが巡子の耳にも聞こえてきます。やがてそれは産声に変わるころ、ある人が訪ねてきて……。死にゆく巡子と生まれてくる命。目に浮かぶ夢のような情景についもらい泣きをしてしまいました。孫の産声を聞きながら薄れゆく巡子の意識、その気持ちを想像しただけで目頭が熱くなります。【悼む人】の作品のすべての要素が集約されたシーンといってもいいと思いました。最期に巡子が見た景色は素晴らしいカタルシス(浄化の意味)を読者に与えてくれるものです。結末が近づくにつれ登場人物たちは死を通して生きることと向き合い始めます。蒔野は誰かが生きることを願い、巡子は自身の孫の誕生と引き換えかのように死に近づいていき静人は他者の死を悼みましたが、この2人は他者の生を願い喜びます。【悼む人】で問われているのは、死と生の対立ではなくて生から死へ、そして死から生へと変わっていく事実、その美しさなのかも知れません。死というテーマを描いた名作。生きることと死ぬこと、何より死んだ後のことを考えてしまう作品でしたね。

死生観を考える。

「あの時生きていたということを私は覚えておきます」というセリフが頭から離れなくなりました。人が死を怖がるのはこの世からいなくなる事への恐怖からかもと思いました。私はガンの宣告をされた時には妙に他人事の様で、「ふ〜ん、ガンかぁ」って気持ちだけで家族の方が動揺していたくらい。今もなるようにしかならないって気持ちは変わって無いですが、「明日死にますよ」とか言われたら私でも足掻いちゃうのかな、その日にならないとわからないですね。ただ、この映画を観て生きている人の記憶から忘れ去られることは死への恐ろしさなのかもと実感しました。

【悼む人】の主題歌は熊谷育美さんが歌う《旅路》です。

今日も来ていただけてありがとうございます。次回はドラマを予定してます📺コメ返、夜に伺いますね💓またね〜おねがい