肘、手、膝、腰など様々な部位に痛み・しびれを抱える50代女性 | 大阪府大東市住道の鍼灸院 要-kaname-鍼灸院

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こんにちは。

院長の小畑です。

今回は50代女性に多い、各関節まわりの痛みやしびれに関する症例です。

40代後半~60歳前後の女性では関節まわりの軟部組織(いわゆる「スジ」)に炎症を起こすケースがたくさんあり、

腱鞘炎、手根管症候群、肘部管症候群、膝関節痛、五十肩、腰痛その他の重度の関節やスジの痛みを引き起こすケースが

あります。

今回もそのような炎症を一度にたくさん抱えた患者様の症例です。

目次
患者様について
西洋医学的見立て
東洋医学的見立て
治療
施術者の思い

患者様について

D様

58歳・女性

職業:主婦

 

主訴:朝手がこわばり指が曲げにくい、手にしびれ、両膝の痛み、両肘の痛み、腰痛

過去の病気:聴神経腫瘍、顔面にひきつり・けいれん

 

 

きっかけはご来院の3か月前、腰痛が起きて腰を前に曲げることができなかった事でした。

そこで某鍼灸整骨院にて鍼灸の治療を受け始めたD様。

週に2回鍼治療を受けていると手にしびれが出始め、膝や肘、様々な関節に痛みを感じ始めた。

そのため少し怖くなってきて鍼治療をストップ。

現在は整形外科に通院し、リリカという神経痛のお薬を処方されるもなかなか痛みはおさまらない。

そこで当院をインターネットで見つけご来院されたという経緯でした。

 

 

西洋医学的見立て

・痛みが多くの関節に多発する

・朝がこわばる点

・両側の関節に痛みやこわばりが出る点

などからは関節リウマチなどの可能性も疑われました。

Dさんはまだ検査を行っておられませんでしたのでまず検査をしてもらうことをお勧めしました。

 

 

使い痛みであればここまで症状がいろいろな場所で起きるということはありません。

ですので、発症されている年代などから考えると、その他の可能性として40代後半~60歳前後で起きる女性ホルモンの分泌低下に

よる軟部組織(いわゆるスジ)の炎症による痛みである可能性を疑いました。

 

 

東洋医学的見立て

 

ホルモンバランスが要因となる体の不調を診るとき、最も大切なのが、その人の体が「冷え固まる」方に傾いた体なのか、「熱がこもり枯れる」方に傾いた体なのか

 

 

この大まかな体の方向性が治療の明暗を分けます。

D様は脈が、細く、ややひきつり、やや緩い

舌は淡く暗めでやや青みがかった色

 

問診で伺うところでは、手足も腰も冷えやすく、体に熱のこもる症状はほぼ出ていませんでした。

 

その他細かい脈診の情報などを総合して読んだのは以下のようなことです。

 

●冷えタイプに属す(陽虚)。

●五臓では腎が弱く、水分の利尿が上手にできておらず、各関節が浮腫みがちになりこわばる。

●腎(東洋医学では生殖器系の能力もつかさどると考える)の弱さからエストロゲンなど女性ホルモンの分泌低下が著しいであろう事。

●温められない=胃腸の活動が弱いことを意味します。胃腸を温めきれない事から消化吸収が上手にできず、血中栄養が悪い。

●血中栄養が悪いことが脳や筋肉・腱へ向かう血中栄養をも少なくしている。脳への影響としては自律神経のコントロールにやや影響が出ている。少し眠りが浅い傾向があったりするのはこのあたりが要因のはず。

 

 

 

と読みました。

 

 

私はこの表現を使うのがあまり好きではありませんが、女性ホルモンのバランスが変わる瞬間はいわゆる「更年期」です。しかし、D様はのぼせやホットフラッシュのような症状はない。D様のように冷えに傾いた体質の方はこれら更年期特有の熱のこもった症状があまり出ない方もおられます。

 

 

そしてD様は更年期自体はすでに過ぎ去っているはずの年代でしたが、いまだにそのホルモンバランスの崩れを引きずっているというふうに読みました。

 

 

治療

1~3診(週に一度)

腎を補陽する(腎臓の働きを高め、水分代謝があがり、体が温まるようにする)ことで、関節内の組織に保有する水分が

減り、むくみがへる。それによってそれぞれの関節(腰や手首、肘、膝など)のこわばりがへる。

そしてこの腎の補陽は女性ホルモンのアンバランスを整えていく役割があります。

それが各関節の炎症を減らすことにつながると読みました。

そこで選んだのが、足首のくるぶし付近にある水泉というツボ。

D様のお体は様々な反応が連鎖的に起きる敏感な体で、

腰痛が軽減、膝がまがりやすくなったり、手首のしびれや肘の圧痛が軽減したりと一か所のツボで様々な反応が起きました。

そこで一本の鍼と、整体で様子をみることにしました。

 

4~5診(週に一度)

4診目の段階で腰痛と両膝の痛みはほどんどなくなり、肘と手のしびれや痛みが残る状態になりました。

手根管症候群と肘部管症候群が残っている状態でしたが、一般的にこの二つの症状は神経の通り道のトンネルが周囲の腱膜といわれるスジでできた膜や靭帯の肥厚により圧迫されるというもので、しぶとく取れにくい傾向があるので、この二つに関しては少し気長に考えていただくようにお伝えしました。

 

手首や肘の腱(スジ)のむくみを軽減するため、水分代謝をより促すツボを足すことにしました。

水泉というツボに加えて、むくみをとるのによく使われる陰陵泉というツボを加えることにしました。

これまでは施術後は手首や肘の痛み・しびれが軽減するという変化がありましたが、日常に戻るとけっこう痛みを

感じているという状態でしたが、徐々に痛みが楽な日もみられるようになってきたとのことでした。

 

6~9診(10日に一度)

手や肘の痛みは左側は軽減し、右側の症状が残るようになってきました。しかし、両膝に再度痛みを感じるようになってきたとのことでした。

そこでむくみの軽減ばかりではなく、それも考えながら、腱の炎症を減らし、血流を上げることに重点を置いてみることにしました。

腎を助け、水分代謝を上げる水泉に陽陵泉というツボを加えてみました。陽陵泉は膝の鎮痛にもとても効くツボでもあるため選びました。

膝の痛みは徐々に軽減、左右の手首・肘の症状は以前より軽減するも、両方の4指5指にしびれが出る状態と両肘の内側に圧痛がある状態が残っている状態。

痛みの程度は最初を10とすると4~5程度。

 

10~13診(10日に一度)

 

腰痛、ひざ痛はなく、両手のしびれと両肘のおもだるい痛みが以前の3~5割ほどで出ている状態。

水泉(体を温め、むくみを取り、女性ホルモンのバランスをとる)、衝陽(足の甲のツボで、胃腸を助けることで体の湿気・水分代謝を補助的に助ける働きを期待。だる痛さを取り除くことに働く)、むくみをより軽減するのに陰陵泉を足しました。

 

13診~16診(2~4週間に一度)

 

雨の日以外はしびれがほとんどないという状態になったとのこと。

全体に落ち着いてきたので、治療頻度を下げながら、状態を安定させるための治療を行うことにしました。

 

ツボは上記と同様のツボに外気の冷えが入ったときは体表面の冷えを抜くため(解表散寒)に足の甲にある臨泣というツボを足したり、むくみを促すために右側の陰陵泉を取ったりしながら、体の状態に合わせて対処。

16診目の時点で朝に関節に軽いこわばりがある程度になっていたので、「ここまできたらあとは日にち薬でいけるでしょう。」ということで卒業としました。

(全体として6か月で卒業)

 

施術者の思い

50代~60歳前後の様々な関節の痛みやしびれというのは女性ホルモンのバランスと関係していることが非常に多く、

けっこう治りにくく慢性化するケースが多いです。

放置していると1年以上痛んでいるケースもしばしばあります。

しかし女性ホルモンを整えるようにはたらきかけていくと、数か月単位の治療にはなりますが、放置するより回復はスムーズに

することができます。

D様は痛みが多発して原因もわからず困っておられたので全体に落ち着けることができてよかったです。

 

要鍼灸院 大東院

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