パリはただいま
「KINOTAYO映画祭」開催中
パリの各所で
日本映画が企画公開されています。
今年のラインアップはこんな感じで
日程的にムリかなーと思っていましたが
ちょうど観たかった作品が
パリに戻ってから上映されるということで
嬉々としてチケットを取っておきました
日本文化会館内のホールで1人5ユーロ。
この映画、一時帰国中に地下鉄構内で
あれ?
貴重な日本映画@フランス、
しかも観たかった作品だから
ひと足先にパリで見られて嬉しいー
さて、
私は日本人の友人と一緒に行きましたが
席についてみると
予想以上にフランス人だらけ
まあそりゃそうか、
これ日本人向けの映画祭じゃないもんね。
映画「カツベン!」は…
無声映画(活動写真)の上映中に
スクリーンの横で
台詞などの語りをつけて映画を解説する
活動弁士のお話です🎬
周防監督らしい、笑いあり人情ありで
主軸となる活動弁士の存在や役割についても
しっかりと描かれていて、上映後に
あー、いい映画だったねえ
と思わず口から出るような作品でした。
ところで…
作品では活動弁士が語りまくるので
とにかく日本語の言い回しが
相当、多種多彩なわけです。
江戸弁や上方の話し方だったり
日本人だからわかる洒脱な言い方だったり。
上映前に周防監督のインタビューが流れて
🎬活動弁士とは
🎬この映画への思い
が説明されたので、客席の私たちも
観る側の心構え
みたいなものは恐らく共有できたのですが
フランス人に対し
果たして簡潔な仏語字幕で伝わるのか?
と思っていたのです。
そして映画が始まると…
やはり字幕はものすごい簡潔で
思った以上にダイレクトに表現されていて
まあそうなるよねー
最初はそれが気になっていたのですが
しばらくしたら
←映画と自分の世界に入る…
すると…
画面の、なんというか、
画力?絵ヂカラ??
で、私たちがふふっ と笑うシーンに
フランス人爆笑
お、笑いどころがおなじ?
中にはツボにハマった人がいて
犬が走れば
いーっひっひっひ
誰かが転べば
いーっひっひっひ
そのうち、よく分からないタイミングで
ひーっひーっ←笑いすぎて引き笑い
あ、完全にツボったね
でも、今までパリで日本の芝居を観劇したり
日本の作品を観た時に感じた
日仏の笑いのズレ
がほとんどなくてびっくり!
最初は(多分)役者の動きのコミカルさに
笑いが起きていましたが、途中から
弁士の抑揚たっぷりな語りにも笑いが
もちろんそこは、映像ありきなんですが
ものすごいスピードで繰り出される
弁士の語りに次ぐ語りの嵐に
ぎゅーっと集中しているのが伝わる
つまり映画と客席との一体感ですね。
ストーリーが進むにつれて
客席の集中力と高揚感が上がっていく
のがよくわかりました。
本編が終わりエンドロールが流れると
会場からはあたたかい拍手
エンドロール中に帰る人たちもいましたが
エンドロールが終わるとふたたび
拍手拍手
日本文化会館での上映だったし
もともと日本に関心があるフランス人が
観に来ているのだろうけれど、つまり
フランス人にもとてもうけたようです
やはり、いい映画は言葉を超えるなあー