司法書士の山口です。
2023年現在の過払い金の状況を記録していきます。
過払い金請求も、本当に最終段階を迎えているかな?って感じです。
過払い金請求が本格化したのは、2006、2007年辺り。
早いもので、もう今年で16、17年です。
ただ、2023年現在も、過払い金は戻ってきます。
大手のカード会社なら問題なし。
大手とは、サラ金ならアコム・プロミス・レイク・アイフルなど。
クレジットカードなら、セゾン・ニコス・エポス・セディナ・オリコ・アプラスなどです。
いまだに「本当にそんなお金戻るの?」なんて方もいますが、もちろん嘘じゃありませんよ(^.^)
むしろ、ピークは過ぎた分、返還率が若干上がる会社もあったりする。
また、ピーク時は事務手続きが追い付かず、遅かった会社も普通になってきた。
これが2022年辺りからの感想です。
大事なのは、やっぱり過払い金の時効。
過払い金が請求できる期限は「支払いが終わってから10年」まで。
2013年の完済者が、今年に時効を迎えます。
2013年完済の人は早く過払い金請求をする。
2014年完済の人も動き出したほうが良いでしょう。
過払い金とは?
過払い金とは「利息で払いすぎてしまった」お金のこと。
「利息払いすぎなんてことあるの?」これが、当然の疑問なんですがあったんです。
今はないですよ、もう昔の話。
その昔、出資法で上限29.2%の金利が認められていた。
これが原因で、過払い金が誕生。
お金を貸出す際の金利は、利息制限法に従うのが絶対ルール。
しかし、当時は、出資法の金利を採用しているカード会社がありました。
利息制限法では、
・貸付金10万円未満(金利20%まで)
・貸付金10万円~100万円未満(金利18%まで)
・貸付金100万円以上(金利15%まで)
と決まっています。
例えば、50万円を借りた場合。
出資法なら29.2%、利息制限法なら18%という金利の差になってしまうのです。
この29.2%と18%の金利の差額である11.2%が、過払い金の元になるものです。
正当な利息なのか?正当ではない利息なのか?
といったところから、「グレーゾーン金利」なんてあだ名もつけられました。
50万円で年利29.2%だと、年間14万6000円の利息。
50万円で年利18%だと、年間9万円の利息。
この差額だけだけ見ても、5万6000円は過払い金となるわけです。
1年の単純計算でこれなので、10年も払っていれば56万円になります。
実際は「充当計算」という方法で過払い金の金額を計算を行う。
この方法だと、先の計算上より、2,3倍多くの過払い金が発生します。
充当計算とは、「払いすぎのお金は、返済のたびに、本来は元金に充当されていた」として、過払い金の計算を行っていくもの。
(例)支払い残が50万円ある場合
当時)1万5000円払ったら、12000円が利息・3000円が元金の返済にされた
実際)1万5000円払ったら、7000円が利息・8000円が元金の返済になる
これだと、実際、利息を5000円払いすぎてますよね?
この利息は、本来元金の返済に充てられていたということです。
この計算でやると、元金がみるみる減ります。
元金が減るごとに、利息も減ります。
だから、倍速で過払い金の金額が加算されていくことになるのです。
2007年が過払い金発生のポイント
2007年を境に、各カード会社は利息制限法内の金利に一気に変更。
・アコム…2007年6月18日
・プロミス…2007年12月18日
・エポスカード…2007年3月15日
例えば、この3社ではこの日を境に、適正な金利に変わっているのです。
そのため、2007年以前に利用していたら、過払い金の対象である可能性は高い。
しかし、これ以降に初めて利用したなら、過払い金の可能性はないというわけです。
2007年というと、2023年の現在から換算すると、早15、16年前。
つまり、ここ15、16年以内に、初めて利用した人には、過払い金は発生しないというわけです。
これは、大手のカード会社であれば98%は当てはまります。
2006年1月のシティズ判決以降、過払い金を争っても勝てないと思ったカード会社。
早いとこで2006年中、通常2007年中には、過払い金の発生しない金利に変えています。
中小のサラ金などは、この段階でも違法な金利だったとこが多いですが、ほとんどの会社がつぶれてます。
武富士を始め、三和ファイナンス・丸和商事のレベルでも、飛んでますから。
つまり、2007年以降に初めて中小のサラ金から借りていても、実際のところ過払い金請求するのは、難しいということです。
(ご依頼を頂いても、費用対効果を出すことが難しいのもあります)
2023年現在では、大手以外に過払い金請求するのは難しい。
そうすると、2007年までの利用が一つの重要ポイントというわけです。
2023年の各社の過払い金対応
(消費者金融)
・アコム
・プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)
・レイク(新生フィナンシャル)
・アイフル
・シンキ(新生パーソナルローン)
サラ金なら、この辺が過払い金請求を行える会社かなと思います。
返還される水準や返還期間は、ここ数年と大きな変化はないかな?という感じです。
レイクは、GEコンシューマーが撤退してから少し渋くなっている。
(クレジットカード)
・クレディセゾン
・三菱UFJニコス
・セディナ(SMBCファイナンスサービス)
・エポスカード
・オリコ
・アプラス
・イオン
・ポケットカード
・ワイジェイカード(PayPayカード)
・ニッセン
・ベルーナ
・アメックス
・エムアイカード
・ビューカード
・ライフカード
・UCS
・出光クレジット
クレジット会社なら、この辺りですね。
過払い金の期限に注意!
過払い金は、完済してから10年で時効になります。
時効とは、過払い金が請求できる期限です。
アコムを9年前に完済した!という場合には、請求できる期限はあと1年というイメージ。
2023年現在で考えれば、10年前の2013年(平成25年)に完済した人が時効を迎えていく感じですね。
時効で注意したいのは、2点あります。
①ショッピング利用を続けても時効は中断しない
②2012年に途中完済している人も危ない
という点です。
①例えば、セゾンでキャッシングを8年前に完済。
キャッシングを完済して、その後もショッピングは使っている場合。
過払い金は、キャッシングから発生するもの。
そのため、ショッピングの利用を続けていても、過払い金の時効は進行しています。
あくまで、「キャッシングを完済してから10年」が期限なので気をつけましょう。
②「まだ返済中だから時効は大丈夫だ!」という人、注意です!
2013年に途中完済していると、そこまでの過払い金が2023年で時効になる場合があります。
時効にかかると、ここまでの過払い金は0。
そして、2013年以降は利息制限法内の金利なので、それ以降の過払い金も0…。
結果、1円も過払い金が戻ってこないという悲惨な状況になります。
途中完済があると、必ず時効になるわけではないですが、その可能性もあるということ。
取引履歴の取寄せを行って、そこまでの過払い金が請求できそうか?
確認しておく必要性はあると思います。
過払い金を調べる方法
最後に、過払い金を調べる方法を説明します。
過払い金を調べる方法は、今も昔も変わりません。
うちの事務所で、過払い金を調べていく場合は、こんな感じです。
①過払い金の診断(予想)
当時のお話を軽く伺って、過払い金の発生がありそうか判断。
・見込みあり
・50vs50の発生
・見込みなし
の3タイプに分類。
調査は今までに何百、何千とやってきているので、その過去のデータが膨大にあります。
そのデータや過去の経験から、過払い金の発生を判断します。
頂いたお話の内容が合っていれば、99%外さないと思います。
②取引履歴の取寄せ・過払い金の計算
過払い金が発生しそうな人であれば、実際の調査を行います。
まずは、カード会社から取引履歴の取寄せ。いわゆる、過去の利用明細です。
(取引履歴の見本)
取引履歴を取寄せないと、内容が全く分からないのでまずはこれを取得するわけです。
この取引履歴から「いつ」「いくら」「借りた金額」「返済した金額」「利息で払った金額」などが分かります。
これを元に、過払い金がいくらあるか?計算をしていくというわけです。
過払い金を計算すると、過払い金があるのか?あるならいくらぐらいの金額か?が分かるようになるというわけです。
以上、2023年の過払い金の現状でした(^.^)
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