司法書士の山口です。
今日はNTTドコモの任意整理について。
任意整理とは、債務整理の1つの方法で「元金だけの支払いに変える」方法です。
↓任意整理については過去のブログをご参照ください↓
任意整理がテーマのブログ
任意整理を実際に行った事例
携帯電話代が払えなくなった場合も、任意整理はできます。
「ドコモの携帯電話料金に任意整理するとどうなるか?」
「電話の本体代金も含めて任意整理できるか?」
こんな点を、確認していきましょう。
それに加えて、dカードの任意整理も説明します。
「ドコモ発行の「dカード」にも任意整理はできるのか?」
さらに、もう1つ。
みなさんが一番気になるのは「任意整理しても今後も携帯電話は使っていける…?」というところ。
この辺解説していきます(^.^)
(目次)
●ドコモの携帯電話へ任意整理
●dカードへの任意整理
●番外編:電話料金を長期滞納している場合
ドコモの携帯電話へ任意整理
結論から言って、ドコモの携帯電話料金に任意整理はできます。
通話料金・ネットの通信料金・d払い(キャリア決済)・機種本体代金。
この全てが任意整理の対象になります。
任意整理は、クレジットカードやカードローンが一般的。
でも、携帯電話料金・エステ料金・カーローンなど、やろうと思えばなんでもできるんです。
ちなみに、携帯電話料金の任意整理は、NTTドコモ・AU・ソフトバンク全部できます。
(ドコモ1回線を任意整理する場合)
問題なく任意整理できます。
利用料金の未払い分だけでも、本体代金も一緒に整理でも問題ありません。
どちらか一方でも、もちろん大丈夫。
携帯本体の引上げは、特にありません。
既に本体を売ってしまって、回線(番号)だけ持ってる…というケース。
このケースでも、任意整理をすることに支障はありません。
ただし、任意整理すると、この番号の携帯電話は使えなくなります。
(ドコモに複数回線の契約がある場合)
1回線目090-1234-5678
2回線目090-0987-6543
3回線目080-0123-4567
このように、ドコモで複数回線の契約がある場合。
この場合は、「一部の番号は任意整理して、一部の番号はそのまま使っていく」なんてことも可能です。
当然、3回線全てに任意整理を行なうことも可能。
例)
ABC回線と3契約利用。
AB回線の支払いが難しいから、この2つを任意整理。
C回線はこのまま使っていく…なんてことができるんです。
ドコモ携帯代に任意整理すると、「ドコモ携帯は全部利用できない」ってイメージあると思うんです。
だから、意外ですよね?
この場合、以下の手順を踏めば、C回線の利用に支障なし。
・AB回線の解約
・ABC回線の請求をCだけ分離する。
・Cの未納料金は返済(未納ないなら問題なし)
(任意整理した番号は他社で機種変できる?)
例えば、ドコモの090-1234-5678に任意整理を行った場合。
他社(KDDIやソフバン)の機種変で、この番号をそのまま使えるのか?ということです。
結論は、難しいと思ったほうがいいです。
「ドコモがその番号に任意整理を行っている」という状況は、他社も知れるためです。
090-1234-5678の番号はドコモの管理下にある。
そのため、他社(KDDIやソフバン)が番号の引継ぎをする際に、ドコモに連絡します。
そうすると、ドコモは任意整理している旨を伝えるので、番号引継ぎの許可は出ません。
(ドコモを任意整理して他社で新規契約)
ドコモの携帯電話料金に任意整理。
携帯電話が使えなくなってしまうと困る。
「ドコモじゃなくてもいいし番号変わっていいから、他社で新規契約できない?」
というもの。
これは、意外や意外で、新規契約できちゃいます。
携帯電話の未納があったり、任意整理すると、事故情報の登録がされます。
・電話料金の滞納は、TCAやTELESAに事故情報の登録
・本体代金の滞納は、CICやJICCに事故情報の登録
理論的には「ブラック状態のため、新規契約できない」はずです。
しかしですね、うちの依頼人の方を見てると、全員が新規契約できています。
全員です、はい。
ドコモやKDDIにも、直接確認してみました。
あくまで、「審査基準による」という回答ですが、否定しない感じですね。
今や携帯電話は、おじいちゃんもおばあちゃんも子供も持ってる時代。
タブレットや2台持ちも当たり前になると、昔ほどの審査や手間はかけられないのかもしれませんね。
(ドコモの携帯料金を任意整理した場合の効果)
1回線目:090-1234-5678(未納料金5万円)
2回線目:090-0987-6543(未納料金12万円)
3回線目:080-0123-4567(未納料金7万円)
合計24万円の携帯電話代に、任意整理を行なった場合で確認してみましょう。
任意整理の窓口は、NTTファイナンスが行っています。
つまり、NTTファイナンスが交渉窓口となります。
分割回数の上限は、原則2年(24ヶ月)です。
例題で言えば、1万円×24回払いとなります。
条件次第ですが、もっと長く3年~5年の分割払いができることも。
ただ、全員が3年~5年でできるわけではなく、確率としては低め…と考えたほうが無難です。
dカードの任意整理
ドコモの携帯電話を使っている方は、dカードの利用者も多いです。
いわゆるドコモのクレジットカード。
docomoの頭文字をとって、「dカード」です。
このカードの支払いにも、任意整理はできます。
これは、ニッテレ債権回収という会社が管理しています。
任意整理後の分割回数は、3年(36回)。
最低返済額は、5000円~となっています。
例えば、dカードで50万円の支払い残があった場合。
50万円÷36回=13,888円となるので、毎月14000円の返済が目安になります。
これも、やり方によっては、返済額はもう少し下げられます。
ちなみにですが、dカードに任意整理を行っても、ドコモの携帯電話の利用に影響はありません。
携帯電話料金に任意整理はしないで、dカードだけ任意整理するケースもたくさんありますから。
番外編:電話料金を長期滞納している場合
携帯電話の料金が払えなくなって、そのまま放置してしまっている…
こんなケースも、意外とあるんです。
「特に請求も来なくなったし、今さら連絡するのも気まずいしな…」
という感じで、放置してしまっているケースが多いのかもしれません。
5年以上未払いの携帯代は、時効で支払いを0にできることも。
裁判所に訴えられたり、支払督促が届いていると、時効が中断します。
あくまでこうしたことがない場合に限りますが。
また、5年以内の滞納で時効が成立しない場合。
この場合でも、債務整理で支払っていくこともできます。
(番外編:電話代の未払い情報や信用情報について)
電話代の未払いは、TCAやTELESSAに記録されます。
この不払情報は、「未払解消」又は、携帯電話契約の解除から5年以内に削除されます。
ただ、未払いのままだと、TCAから不払者情報が削除されても、滞納先の携帯電話会社やそのグループ会社の利用はできないでしょう。
そして、携帯電話の本体代金を分割で購入している場合。
この本体代金も、毎月の電話料金で支払っていますよね?
電話料金を滞納すれば、自動的に本体代金も滞納になっています。
なにが問題か?
本体代金の未払いがあると、先のTCA・TELESAに加え、信用情報機関(CICやJICCなど)にも事故登録がされます。
いわゆる金融ブラックになってしまうわけです。
どこかで解消しないと、エンドレスブラックになる。
半永久的に、クレジットカードの利用やローン組めなくなるので注意して下さい。
延滞解消しても、5年ぐらいはブラックになるケースもありますから…。
結局、早めに動かないと、ダメというわけです。
携帯電話の任意整理や時効の援用。
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