乙一氏の作品、『箱庭図書館』を読みました。


連作短編集です。
6話入ってます。

全ての作品に原作者がいるらしいです。
ボツになった原稿をWeb上で募集して、
乙氏がリメイクしているらしいです。

短編でネタバレしてしまうので、
とにかく短く端折ってあらすじメモっときます。
絶対に長くなるに違いない…(笑)
薄い文字はかなりネタバレ注意なところがあるので知りたくない方は、薄目してやり過ごして頂くということで、よろしくお願いします(笑)

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「小説家の作り方」
小説家の主人公が、今の本を書くようになったきっかけは、小学校の時の日誌に書いた文章でした。
…ということになっていますが。

「コンビニ日和」
気分が暗くなりそうな酒屋を改装したコンビニに、ある日強盗が…

この主人公の通う大学に、「小説家の作り方」の主人公の姉・潮音が出てきます。
コンビニの場面で出てくる女性が潮音の後輩・島中ちよりで他の話にも出てきます。

「青春絶縁体」
教室では存在感がなく、友人の一人もいない僕は、クラスメイトに話しかけられるだけでビクビクしてしまいます。
でも、文芸部の先輩とだけ、場所は部室でのみ、普通の高校生として過ごすことができます。

文芸部の活動は主に読書をするのみだったのが、先輩の一言でノートに小説を書いて相手に読ませる、というものに変わりました。


“僕”は「小説家の作り方」の“僕”でした。
学校の噂で、いつも本を読んでいる先輩(“僕”の姉である潮音のこと)がいるというのをクラスメイトから聞かされます。

「ワンダーランド」
周囲の人たちから、真面目な性格だと認識されている小学生の男の子が、登校中、道端で鍵を拾います。
その鍵が合う鍵穴探しをこっそりと誰にも見つからないように放課後、時間を見つけてはしていましたが、ある日とんでもない家の鍵穴を試してします。

少年が友人と学校の課題のためにきた図書館で潮音と少し話をしています。

「王国の旗」
鍵のついたままの車が止まっていたので、トランクで昼寝をしていた女子高生。
動き出した車の行き着いた先で、知り合った少年は、子供たちだけが知っている秘密の場所に彼女を連れていきます。

この中の登場人物が後日図書館に行った時に潮音に会います。
前の話「ワンダーランド」の鍵の秘密がわかるかも?

「ホワイトステップ」
主な登場人物が二人います。

幼い頃に両親が離婚していて母子家庭で育った女性。
母親が亡くなったことで、母方の実家で祖父母と暮らすようになります。
写真が趣味で、祖父母と暮らすようになってから1週間、
雪の降った町を写真を撮りながら歩いていた時に公園を見つけます。
その公園には雪の上に一つだけ足跡があり、入り口から中央のベンチに向かうものでした。
ベンチの上の雪は払われて誰かが座ったような跡。
けれど公園には人がいない上に、そこから出て行った足跡もないのでした。

もう一人は男性。
大晦日、大学院の友人が主人公が気に入ってた女性と交際していて、結婚が決まったというメールを受け取ります。
翌日、1月1日、朝カーテンを開けると雪景色が広がっていて、南国育ちの男性は雪が珍しくて近くの公園へと出かけます。
ベンチに座っていると、背後に雪を踏む誰の足音が聞こえ、振り返っても誰もいません。
母親に雪景色の写真をつけたメールを送って、立ち去ろうとした時、女性サイズの靴の跡が、雪の上にできていることに気づきます。

「あとがき、あるいは『箱庭図書館』ができるまで」

この本ができるようになったきっかけを書いてありました。

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短編は苦手なのに、連作短編は大好きなんです。

あ、あの人ここで登場している!

みたいなのが楽しくて。

最後の「ホワイトステップ」は、
泣きそうぐすん

乙一氏面白いよなぁ。
あ、もちろん原作者も凄いと思います。
0からなにか書くってすごい。

面白かったのでまた乙一氏の作品
今度読みます。

乙一氏の作品が入ってるアンソロジー右矢印七つの黒い夢