五十嵐貴久氏の作品『リミット』を読みました。

 
去年9月に『誰でもよかった』という作品を読んでいます。
実際に東京で起きた通り魔事件が題材なのかな?と思わせるタイトルで、最初の方はものすごい迫力のある展開でした。
でも、結構ケチョンケチョンに感想言ってて、申し訳ない限りなんですが、きっと読後に
「ウゥム…😕」
と思ったのでしょう。
それは、ある作品がちょっとなぁと思っても他の作品もそうとは限らない!と思ってますので…というのはウソで、作者名を見ずに、作品名と装丁だけで選びました…はい。
 
あるラジオ局の深夜番組宛にメールが届きます。
内容は5周年の生放送を聴き終えたら自殺をするというもの。
番組を担当するディレクター・安岡は、いたずらメールの可能性を視野に入れつつ、一応警察に連絡します。
安岡は警察が事件としてはまだ扱えないと聞くと、番組で取り上げるべきだと主張しますが、局の幹部は反対します。
番組のパーソナリティの芸人・奥田も「死にたいやつは勝手に自殺すればいい」とメールにも安岡の意見にも取り合わない。
ところが放送が始まると奥田はメールの相手に、記念の放送の日に迷惑だ、謝れ!と挑発しはじめます。
 
 
この作品は『誰でもよかった』より、すこーし前に発表されている作品のようですので、後の作品の方が「ウゥム…」だったってことですね。
 
長編だからかとても丁寧に書かれています。展開がただ遅いだけなのかわかりませんけども(笑)、最初の方、とてもゆっくりと話が進んでいきます。
かなり厚めの本ですが時間が前後せず生番組の時間に沿って進んでいきます。
進み方は、ゆったりしながらも話は緊迫感はあります。
設定が「生放送の番組」と、「何を喋ってしまうか長年一緒のスタッフでさえ扱いが難しい芸人がパーソナリティをつとめている」ってとこもミソかもしれません。
ただやはりこの作家さんのクセなのか、「いやいやそんな決めつけなくても」ということをある人物が言ってたりすると他の人物も同感だったりするのが都合が良すぎないかな?ってところがあります。(具体的には内容がわかってしまうので書けないので下の方にちょびっとメモっときます。)
でも読後感も悪くなくて、こっちから先に読んでいたら、他の作品も読んでただろうなぁと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(内容がわかってしまうかもです)
 
 
 
 
 
番組終了後に自殺すると言っていた人物が番組がパーソナリティによって延長された後、まだ生きてると確信するのはどうかと。
番組の延長って言っても他の人がパーソナリティをつとめている番組(オールナイト第二部)にゲストで参加しているのが「まだ番組は終わってない」と自殺を覚悟した人間が判断するかどうか謎…。加えていたずらメールではないという確信がないまま真実を述べたメールだという前提になってしまっているのが少し疑問。(メモです)
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