宣統帝はまだ幼く、父親の醇親王(ジュン)が摂政となり、戴沢公や皇族が政務を担っていた。
袁世凱は政治の表舞台から遠ざけられ故郷に帰り、この日も釣竿を担いで川辺を歩いていると垢と埃にまみれた老婆に出会った
袁世凱「(のぞき込んで)誰かと思えば白太太ではないか」
白太太「ふん、30年ぶりだというのに驚きも無ければ愛想の一つもない」
袁世凱「北京からの刺客でなければ誰でもいいさ」
白太太「わしの言った通り大将軍となり、今は困窮して釣り糸を垂れておるわい」
袁世凱「白太太、一つだけ尋ねたい。龍玉のありかを教えてくれ。おまえならわかるだろう。俺は光緒帝から龍玉を探し出してまことの皇帝になれと言いつかったのだ」
白太太「なんと、それはまことか・・じゃが龍玉のありかを口にすれば戦になる」
袁世凱「すでに何者かが手にしているのか?ならばその男と話し合って手に入れてみせる」
白太太「話の通じる相手ではないわ。それにおぬしが育て上げた北洋陸軍を敵にしても降参もせず負けもせぬ男だ」
袁世凱「まさか、張作霖が・・」
白太太「そうじゃ。それよりも間もなくお前に北京から使いがくるぞ」
袁世凱は革命軍鎮圧のため北京に呼び戻された。軍を率いるのはやはりこの男しかいなかったのである。