軍隊と文化活動 | 風紋

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鋼の錬金術師ファンの雑文ブログ



  リンとランファンに愛が偏っています

好きな作家さんの本なので、
『蠅の軍隊』/『蛍の航跡』ー軍医たちの黙示録ー 帚木蓬生 新潮社
をここのところ読んでいます。
機密だからとどこへ向かうのかも知らされぬまま、南洋のジャングルやら
凍てつく北満やらに放り込まれて、物資もなければまともな戦略もない中
で懸命に自分のすべきことに取り組む軍医さんたちの話です。
リアルでシリアスな戦争の話なのですが・・・
私はそんな中にある『戦地といっても日常の延長』・『人間の性分は生命
がかかってる時も娯楽を忘れない』というエピソードが好きで、そればかり
印象に残ってしまいます。


荒んでいた軍の病院で慰安のために患者たちで劇団を作って芝居をやらせ
たら、それぞれが得意分野で見事に特技を発揮し、やんやの喝采を浴びて
遠くの部隊からも見に来るようになった話、大好きです。
私の一番好きな戦時小説 『南の島に雪が降る』加東大介 まんまや!
乏しい物資を工夫して見事な大道具小道具を作ったり、前職を生かしたり
上官は彼らのために交渉して便宜を図ったり、もうどうしてこう日本人は
『プロジェクトX』的なことがこんなに得意なの?と70年も過去のことな
のに親近感がわいて嬉しくなりますv


北満国境の病院でマンドリンオーケストラを作った話もありました。
これもまた、マンドリンを少ない物資で工夫して・・・
こっちは『ビルマの竪琴』みたいでした。


こういう実録から鑑みて、娯楽が少なそうで荒っぽく過酷な勤務のブリッ
グズには絶対、楽団やら劇団活動があるはず!と思います。
雪に閉ざされるから、そんな楽しみでもなけりゃやってられないよ!
軍楽隊はラッパや太鼓中心なんだろうなー。
管楽器のマウスピースは寒冷地だと唇の皮が凍って張り付いてしまうので
ウィスキーやブランデーをスキットルに入れて持ち込みそれで唇を湿らせ
て防止するそうです。なんかいかにもやってそうw
劇団活動のほうは、女優不足で女形が活躍するんだろうなー。選ばれた人
は最初いやがるんだけど、もてはやされてまんざらでもなくなるんだw
舞台装置は開発班がムダに立派な迫り出しやどんでん返しを作ってくれそ
うです。
脚本演出には砦内からもういろんなリクエストが来るんだ。
アームストロング少将は「それで結束が強くなるならやるがいい。」の
スタンスだと思うので、やりたいようにやれそう。
それで一番寒さの厳しい頃に慰安を兼ねて文化祭開催するとか。
楽しそうだなー。誰かこのネタで書いてくださらないもんだろうかw