平成2241日より雇用保険法が改正されます。
詳細は以下のとおりです。


1 雇用保険の適用範囲の拡大


1)非正規労働者に対する適用範囲の拡大

雇用保険被保険者の適用範囲が拡大されます。


【改正前】
・6か月以上の雇用見込みであること
・所定労働時間が20時間以上であること
       ↓
【改正後】

31日以上の雇用見込みであること

・所定労働時間が20時間以上であること


ただし、基本手当の受給資格要件について改正予定はありません。

現在の受給資格要件は、原則として算定対象期間(離職日以前2年間)に被保険者期間が通算して12ヶ月以上

特定受給資格者、特定理由離職者に該当した場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上

なければ、基本手当の受給資格は得られません。

在職時、雇用保険に加入し雇用保険料は控除されていても、上記要件に該当しないため基本手当を得られない

離職者が発生する可能性があるので注意が必要です。


2)雇用保険に未加入とされた者に対する遡及適用期間の改善

現状、雇用保険資格取得届漏れの遡及は2年となっていますが以下のように見直しが行われる予定です。(施工予定日:改正法公布日から9カ月以内で政令で定める日)


【改正前】
被保険者であったことが確認された日から最大2年間
       ↓
【改正後】
資格取得手続きが行われていない場合で
雇用保険料が給与から控除されていたことが給与明細等で明確に確認された場合
2年を超えて遡及が適用される。



また、特例として事業所全体として保険料を納付していないことが確認されたケースについては、保険料の徴収時効である2年経過後も保険料を納付可能とし、その納付を勧奨するとされています。


2 雇用保険二事業の財政基盤の強化

(1) 雇用保険二事業(事業主からの保険料負担のみ)の財源不足を補うため、失業等給付の積立金から借り入れる仕組みを暫定的に措置

(2) 雇用保険二事業の保険料率に係る弾力条項の発動を停止

<現行>21年度の保険料率3.0/1000(弾力)現行規定によれば22年度も3.0/1000(弾力)

<改正案>22年度の保険料率3.5/1000(弾力条項の発動を停止し、原則どおりとする)



雇用保険二事業に係る保険料率は事業主負担のみとなっているので労働者の負担には影響ありませんが、事業主にとっては負担増となります。

また、雇用保険料率も変更となります。こちらは労働者負担分も変更されるので、先に行われた協会けんぽの健康保険料率および介護保険料率の変更と併せて負担増となりそうです。


神薗社会保険労務士事務所

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